英語学習の初期段階では、基礎的な英単語や中学・高校レベルの文法の復習など、取り組むべきことがある程度分かりやすいと言えます。しかし、基礎項目のおさらいが終わった後、中級レベル以降の学習の仕方について悩む人は少なくありません。
英語学習における「中級の壁」に直面し、伸び悩んでしまう要因は人によってさまざまです。特に独学では、自分自身の強み・弱みを見極め、適切な学習計画を立てて勉強を進めていくことに難しさを感じている方もいるでしょう。
そこでEnglish Hub編集部は、これまでに1万6,000人(※)を超える受講生の課題を分析し、英語力向上のためのコーチングを提供してきた「ENGLISH COMPANY(イングリッシュカンパニー)」コンテンツ戦略企画部の堀 登起子氏にインタビューを実施。英語中級から上級へレベルアップするためのヒントについてお話を伺いました。
※「ENGLISH COMPANY」「STRAIL」の受講者数累計(2022年5月時点)。
インタビュー目次
英語中級から上級へレベルアップするには?
Q. 英語中級者と上級者の違いは何ですか?
まず、「中級レベル」の定義について考える際、基礎項目の学習を終えた人を一括りに「中級」としてしまうのは適切でない場合があります。外国語の運用能力を客観的に示す世界共通の指標、CEFR(Common European Framework of Reference:セファール)には、A1、A2、B1、B2、C1、C2の全6段階の等級がありますが、中級に相当するB1レベルの学習者については以下のように説明されています。
- CEFR B1レベル
仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。
出典:ブリティッシュカウンシル「CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」
CEFRのB1を「英語圏で生活していてもほぼ困らないレベル」と捉えると、「すでにかなり英語ができる人」という印象を受けるのではないでしょうか。自分自身の英語力を中級程度と認識している場合でも、CEFRのB1にはまだ達しておらず、実際のところはA2レベルという方も多くいます。CEFRにおける中級(B1、B2)は、TOEIC L&Rのスコアで900点相当のレベルと同等なので、日本人が考える「中級」と世界的な標準の間には乖離があるとも言えるでしょう。
ENGLISH COMPANYでは、英語中級を「語彙や文法などの基礎知識がまだ定着しきっていないレベル」と位置づけています。TOEIC L&Rで500~700点台を取得していても、ボキャブラリーの量や文法の習熟度に関しては、学習者自身が思うよりまだ初級レベルに近い位置にいるというのが実情かと思います。このような中級者の主な課題としては、英語の処理速度が遅いためにアウトプット時の流暢性が十分でない、複雑な構文が理解できない、などの点が挙げられます。
Q. 中級レベルの英語学習者が陥りがちな伸び悩みの原因とは?
基礎が定着していない中級レベルの学習者によく見受けられるのが、得られた知識について「分かっているつもり」でも「実際は使いこなせていない」という状態です。これは、中級で陥りやすい伸び悩みの原因の一つである、「自分がいる現在地を正確に把握できていないこと」とも関連しています。一方、上級者の場合は、自分自身の英語力に関する強み・弱みを分析できている場合が多いと感じます。
初級であれば、必要な基礎知識をゼロから学んでいくだけでどんどんステップアップしていきます。しかし、中級以降になると、人によって得意分野と苦手分野のバラつきが出てくることもあり、改善すべきポイントに自ら気付くのはなかなか難しいものです。
また、これは中級レベルに限らず、日本での英語学習全般に対して言えることとして、インプットの量が圧倒的に不足しています。一般的な学校教育の場で扱うような語彙や文章量だけでは、英語を話せるようになるためのインプット量がまだまだ足りていません。英語の授業で経験した勉強の仕方が標準的なものだと思い、その方法ではインプットが十分でないと気付いていない方も多いのではないでしょうか。
Q. 英会話などのアウトプット練習に取り組む際の注意点は?
アウトプットの練習を積極的に行うのは良いことですが、「自分が知らないことについては話せない」という点に注意が必要です。たとえば、英会話の練習に多くの時間を割いていても、やり方次第では思ったような成果を得られない場合があります。
新たなインプットをしないままの単なる雑談では、すでに自分の中にある「受容語彙知識(※)」から「産出語彙知識」への変換作業だけに終始してしまいます。学習者が抱える課題によってはこのトレーニングも有効ですが、話せる話題の幅を広げるという意味では、受容語彙知識そのものも増やしていかなければなりません。
英会話の練習をする際は、まずは事前準備としてインプットをし、新しく覚えた語彙を使う、今まで話したことのないトピックに挑戦するなど、目的意識を持って取り組むことが重要です。
また、英語力向上のためには、話しながら表現の誤りや不自然な点を指摘してくれる相手を選ぶとよいでしょう。何となく楽しく会話を続けるだけでは、あまり成長が期待できません。
※「受容語彙知識」「産出語彙知識」については、「英語コーチングのプロに聞く!英語学習の悩みタイプ別・処方箋【スピーキング編】」の記事もご参照ください。
ENGLISH COMPANYの「セミパーソナルコース」について
Q. レベル別の「セミパーソナルコース」の内容を教えてください
定員4~5名の超少人数制で行うENGLISH COMPANYの「セミパーソナルコース」は、第二言語習得論の知見に基づき、英語を効率良く習得するためのレベル別設計となっています。初級コースは語彙と文法の習得を中心に据えたカリキュラム、上級コースはビジネスパーソンが仕事で英語を使う際に必要となる、説明・要約・説得・会話の4つのスキルにフォーカスした内容です。
「中級セミパーソナルコース」では、英語中級者ならではの伸び悩みへの対策として、基礎固めに加え、リーディングやリスニング時の英語の処理速度をアップさせるためのトレーニングを取り入れています。また、学習者が抱える弱点は人によってまちまちなので、受講生自身で課題発見ができるようにしていくのもポイントです。はじめに音声知覚を集中的に鍛え、リーディング力を強化し、最後はコミュニケーションスキルを向上させる、というように、1ヶ月ごとに主な目標が定められています。
セミパーソナルコースはオンライン完結型のため、日本各地だけでなく仕事の駐在先などの海外から受講される方もいます。
Q. 超少人数で行うセミパーソナル制ならではのメリットとは?
受講人数を限定することで、一人ひとりに対するきめ細やかなコーチングの質を確保しながら、パーソナルトレーニングコースと比べて受講料金を抑えられる点がメリットです。また、オンラインで場所を問わず受講できるため、普段は直接会えない所にいる受講生同士がつながって一緒に取り組めるのも楽しみの一つですね。
トレーニングセッションを行うZoom上では、個別のブレイクアウトルームを活用し、受講生同士のペアワークやトレーナーからのシャドーイングチェックなども実施しています。セミパーソナル制は、他の受講生とのやり取りから生まれる刺激に加え、一人ひとりに対してトレーナーの目が行き届くという点で、グループとマンツーマン形式の両方のメリットを併せ持っているのが特徴です。
Q. 自習で使えるアプリや教材はありますか?
ENGLISH COMPANYでは、英語のインプットからアウトプットまでを完結できる、オールインワン設計のモバイルアプリ「ENGLISH COMPANY MOBILE」を提供しています。自らの課題を発見することから始まり、アプリ上でのトレーニングを通じてリーディングスピードやリスニング力に磨きをかけられます。Nikkei AsiaとThe Japan Times Alphaのニュースを使った「速読リーディング」の教材は、英語学習をしながら最新の時事問題にも触れられると特に好評です。
また、パソコンやスマートフォンから利用できる「受講生専用サイト」では、1~4のレベル別、合計100種類以上の多読教材も用意しています。電子書籍上で英文と音声を同時に確認できるほか、文中に出てきた語彙や文法項目の解説も付いています。教材で扱うトピックについては、日本人学習者が海外の方とコミュニケーションを取る際に役立つ「話すためのインプット」が得られるよう、日本に関連する話題などを厳選しました。
英語中級者の場合、語彙や文法を知っていても、いざ話そうとすると適切な表現がすぐに出てこないということも考えられます。受講生専用サイトの教材は、特定の文法項目を繰り返し使い、フレーズを頭に染み込ませるように設計されているので、レベル1から順を追って取り組むことで英語を話す力がしっかりと身につくでしょう。
Q. 現状の英語力からさらにレベルアップしたいと考えている学習者へメッセージをお願いします
この記事を読んでくださっている方は、「ステップアップのために何をしたらよいのか分からない」と迷われている状況かと思います。
英語学習は長い道のりですし、勉強の仕方もたくさんの種類があるので、その過程でどこへ向かうべきなのか分からなくなってしまう方も多いです。しかし、最終的に達成したい目標が決まっているのなら、ENGLISH COMPANYでは、これまでの研究で明らかになった効率の良い方法を用いて、最短で目的地に着くためのルートをご用意できます。
目標はあるのに何から始めたらよいのか分からないという状態は、ある意味で英語学習における最大の課題ではないでしょうか。ENGLISH COMPANYでのコーチングが、その課題を解決するための一助となればと思っています。
目標に向かって伴走してくれるトレーナーや仲間たちと一緒にお待ちしています!
編集後記
独学をする中では、勉強時間や解き終えた問題集の数など、取り組んだ学習量そのものを意識しがちです。「目標と照らし合わせた自分の現在地はどこなのか」「これからクリアすべき課題は具体的に何なのか」を考えると、答えに詰まってしまう方も多いのではないでしょうか。
「英語中級」というレベルの中でも、伸び悩みの要因は人によって異なります。今回のインタビューを通じて、自らの成長のボトルネックとなっているポイントを的確に把握することや、「知っている」知識を「使いこなせる」レベルまで高めるトレーニングの重要性に改めて気付かされました。
「英語学習について自分一人で思い悩むことに疲れてしまった」という方は、これまで数多くの受講生の課題を分析してきたプロのトレーナーから、客観的な視点で英語力を診断してもらうのも一つの手です。今は描いている目標が遠いものに思えても、そこに到達するための道のりさえ分かっていれば、着実に前進できるでしょう。
「目的地への最短ルートをご用意できます」というインタビュー中の力強い言葉の通り、進むべき道を示しながら、目標達成まで一緒に走ってくれる英語コーチングサービス。興味がある方は、ENGLISH COMPANYの無料体験を利用してみてはいかがでしょうか。
【参照サイト】ENGLISH COMPANYの公式サイト
【関連ページ】ENGLISH COMPANY(イングリッシュカンパニー)の評判・口コミ
ENGLISH COMPANY 概要
サービス名 | ENGLISH COMPANY | |
URL | http://englishcompany.jp/ | |
運営会社名 | 株式会社スタディーハッカー | |
本社所在地 | 東京都渋谷区恵比寿4-5-27 パティオクアトロ 4F | |
設立 | 2010年 | |
入会金 | 55,000円 | |
コースと料金 |
【パーソナルトレーニングコース】 90日または180日の短期集中で英語力を伸ばすコース。プログラム内容には、オリジナルの学習計画作成、マンツーマントレーニング、日々の進捗サポートなどが含まれる。 ・90日間(週2回トレーニング):561,000円 ・180日間(週1回トレーニング):679,800円 【セミパーソナルコース】 ※表示価格はすべて税込です。 |
※上記は2022年5月調査時点での情報です。
English Hub 編集部
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