5ヵ国のネイティブの英語表現を徹底比較③サンドイッチはなんていう?

「国によってこんなに違うの?」と思わずにはいられないネイティブの英語表現。同じことを伝えるのにも、驚くほどの違いがあります。

そこで今回は、「5ヵ国のネイティブによる英語表現の徹底比較」の第3弾をお届けします。前回に引き続き、イギリス出身のTom、アメリカ出身のMartinique、オーストラリア出身のErin、ニュージーランド出身のFiona、南アフリカ出身のChristineによる対談形式でお愉しみください。世界に様々な英語が存在することを実感できるはずです!

Traffic lights

いわゆる「信号機」のこと。日本語でも「交通信号灯」「信号機」「信号」などと言われますが、英語ではどうなのでしょう?

Tom(イギリス):lights
イギリス英語では、“lights”と短縮。 “I got stopped at a red light.”(赤信号で止められた) あるいは“The lights were green when I drove through them.”(車で通り抜けたとき、信号は青だった)のように使います。これが私たちがこだわるイギリス流の言い方です。

Martinique(アメリカ):stop lightまたはlight
私たちは“stop light”または“light”と言う傾向があります。例えば、“Go down two blocks and make a left at the light.”(2ブロックまっすぐ進んで、信号を左に曲がる)イギリス人が”light”を複数形にすることは知っていますが、信号は一度に一つしか点灯しません!これが私たちがこだわるアメリカ流の言い方です!

Erin(オーストラリア):lights
私たちはイギリスに倣い、“lights”です。

Fiona(ニュージーランド):lights
私たちもイギリスに倣って、“lights”という言い方にこだわっています。

Christine(南アフリカ):robot
南アフリカでは、“Make sure to turn left at the robot.”(忘れずに信号を左に曲がって)といった表現を聞くかもしれません。観光客なら道路でスターウォーズのキャラクターを探してしまうところですが、南アフリカでは間違いなく正しい表現。おそらく、信号機が手動であった古き良き時代に誕生した表現なのでしょう。

Sandwich

「サンドイッチ」のこと。日本語でもそのまま使われていますね。

Tom(イギリス):sarnie
イギリス英語では“sarnie”と省略。以前はベーコンを挟んだサンドイッチのスラングとして使われていましたが、現在は何が挟んであってもこのように呼ばれています。この表現は1960年代頃に始まったので、なぜこのような奇妙な言葉を使い続けたのか祖父母世代を問い詰めていいかもしれません。

Martinique(アメリカ):sandwich
私たちは“sandwich”と言いますが、具体的に言うことも。例えば、BLTはベーコン、レタス、トマトの略で、サンドイッチ自体、あるいは追加で挟む具材を指します。

Erin(オーストラリア):sanger
オーストラリアでは一番よく使われる言葉です。“Vegemite sanger”(ベジマイト・サンドイッチ)、“Ham sanger”(ハム・サンドイッチ)、“Chicken salad sanger”(チキンサラダ・サンドイッチ)、どれも美味しいチョイスです!

※「ベジマイト」はオーストラリア産の発酵食品。独特の風味ですが、多くのオーストラリア人が好んでパンに塗って食べます。

Fiona(ニュージーランド):sammie
ニュージーランドでは、サンドイッチのスラングである“sammie”がランチタイムの定番。2枚のパンにいくつかの具が入っていれば、形状にはこだわりません。

Christine(南アフリカ):sarmie
南アフリカでは、食べ物に“sand”が入るのが好きではないので、言葉を完全に変えて“a sarmie”と言います。すでに十分な“sand”(砂)があるので。

Really nice

「本当に素晴らしい」「見事だ」という意味。“nice”には多くのポジティブな意味合いがありますが、国によって違いはあるのでしょうか?

Tom(イギリス):lush
イギリスでは出身地によって“really nice”を意味する言葉がたくさんあるので、これは興味深いですね。私の地元(イギリス西部)では、“something was lush.”と言うでしょう。かつて、“lush”には(感覚に訴える)という意味があったので、それが語源ではないでしょうか。響きも“nice”ですよね?

Martinique(アメリカ):sweet, spiffy, great, wicked, awesomeなど
誰かが“That is really nice!”と言ったら、それは本当に素晴らしいことを意味する場合もありますが、反対に不愉快なことを意味する場合も。私たちアメリカ人はとても皮肉屋だし、外交上、遠回しな言い方をする傾向にあるので、口調に注意してください。誤解されたくない場合は、“sweet” “spiffy” “great” “wicked” “awesome”などを使いましょう。

Erin(オーストラリア):sweet, ace, awesome
オーストラリアには“really nice”を意味する言葉がたくさんあリますが、そのほとんどは最近、年配者しか使いません!年配者以外は、“sweet” “ace” “awesome”をよく使います。

Fiona(ニュージーランド):nice as
ニュージーランド人は、形容詞を強調するためによく“as”という単語を使うので、“really nice”は“nice as”です。

Christine(南アフリカ):lekker
オランダ人の入植者は、イギリス人が南アフリカの素晴らしさを“luscious”(とても心地よい、快適な)という言葉を使って説明したのを聞き、“lekker”という自分たちの言語に翻訳し、それが南アフリカのスラングとなりました。

まとめ:

同じ「英語」でありながら、国によって表現が異なるのは興味深いことです。どのような表現が使われるのかは、それぞれの国の歴史や文化が大きく関わっているため、その違いを紐解いていくのも面白いのではないでしょうか。多くの表現を知ることはコミュニケーションの幅を広げるだけでなく、多くの人と出会うことにもつながります。そうすれば、英語学習のみならず人間力にも磨きをかけることができることでしょう!

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イー・エフ・エデュケーション・ファースト

1965年にスウェーデンで設立され、現在、世界各地に500を超える事業拠点と50校の直営語学学校を擁する国際教育事業のリーディングカンパニー。留学プログラムなど、多数の教育プログラムをグローバルに展開。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のオフィシャルパートナー(語学トレーニング)。