○月○日、A社のプロジェクトチームでは人事異動の関係で メンバーの入れ替わりがあり、社員Aさんが新しく配属された プロジェクトリーダーを紹介していました。しかし、そこで通訳者AはNG英語を聞いてしまったのです。
- As you know, Tom will be taking over the project.
(ご存じの通り、トムがプロジェクトを引き継ぎます。)
「ご存知の通り」という意味のas you knowは使いやすい表現ですが、実は少し注意が必要です。もし相手がその事実を知らない時に使った場合、as you knowと言ってしまっては、相手が気分を害してしまう可能性があるからです。
- 相手がその事実を知らない可能性がある場合
As you might (may) know, Tom will be taking over the project.
(ご存じかもしれませんが、トムがプロジェクトを引き継ぎます。) - 相手がその事実を十分に知っている場合
As you might (may) know better than I do, Tom will be taking over the project.
(私よりも十分に把握されているかもしれませんが、トムがプロジェクトを引き継ぎます。)
ポイント
多くの人は情報を1つの「所有物」と捉え、情報に敏感です。場合によっては「与えられるべき情報を事前に与えられていなかった」とネガティブに受け取り、不信感を抱かせてしまう可能性があります。そういった事態を避けるためには、「相手がその事実を知らないかもしれない」という前提で、as you might knowを使うのがおすすめです。
またこれとは逆に「相手がその事実を十分に知っている」ということであれば、as you may know very wellやas you know better than I doといった謙遜表現を使うことで、相手が知っていても繰り返し言うべき内容を円滑に伝えることができます。
ぜひ相手の状況を考慮したas you knowの使い分けをマスターしてみて下さい。
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【通訳者は聞いた!現場で飛び交うNG英語】シリーズは、9,000名以上の通訳・翻訳者で1,700社以上のグローバル企業に語学サービスを提供してきた通訳・翻訳エージェント大手の 株式会社テンナイン・コミュニケーションによる英語学習コラムです。グローバル企業のオフィスを舞台に活躍する通訳者たちの体験をベースに、英語学習中のビジネスパーソンに役立つコンテンツをお届けします。
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