英語学習では4技能をバランスよく向上させたいところですが、英語をアウトプットするスピーキングとライティングは、インプットするリーディングやリスニングより難しく感じるかもしれません。特にライティングは、独学で力を付けるのが困難なイメージから、対策がおろそかになりがちなのではないでしょうか。でも実は、少し書く練習をするだけで目に見える変化が見られるものです。
そこでここでは、英文ライティングを上達させるために意識したいポイントをまとめてご紹介します。
1. とにかく「読む」
言うまでもないかもしれませんが、多くの文章を読むことは、ライティング力の向上につながります。読んでいる最中に、新しい語彙、興味深い単語のチョイス、自分でも使ってみたい美しいフレーズに出会うかもしれません。「何を読むか」は重要ではありません。ポイントは、幅広くよく読むこと。英語の小説、ノンフィクション、ブログ、ニュース記事、雑誌など、優れた文章をどんどん読んでみましょう。
2. 一部の言葉の使用を禁止する
ライティングスキルをワンランク上げるために、very、really、quite、good、got、stuff、thingsといった言葉の使用を禁止してみてください。このような単純な単語を使わないことにどんな意味があるのか、疑問に思うかもしれませんが、実際どれもが無用の言葉と言っていいでしょう。使わなくても、同じ意味の文章が容易に書けるばかりか、はるかに読みやすくなるはずです。
3. 類語辞典(thesaurus)を使う
文章から不要な単語を削除したら、次は類語辞典「thesaurus」を使って、より良い単語を選択します。類語辞典を使えば、繰り返し使ってしまいがちな単語を、より趣ある適切な単語に置き換えられます。
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【例】
- cloth → fabric(布地)
- money → cash(現金)
- change → alter(変更・改正する)
- happy → glad(嬉しい)
- decorate → embellish(装飾する)
- improve → enhance(高める)
一般的すぎる語彙やよく使う語彙を避けると文章に個性が現れ、より洗練された印象を与えるでしょう。ただし、やりすぎには注意。読み手にわかりやすい自然な文章になるように心がけましょう。
4. コロケーションの使用と注意
コロケーション(collocation)とは、文法的には他にも組み合わせられる単語があるにもかかわらず、他の単語よりも一緒に使われる傾向が強い単語の組み合わせのことです。英語のコロケーションのひとつに「heavy rain(大雨)」があります。文法的には「strong rain(強い雨)」を使うこともできますが、「heavy rain」に聞き慣れた耳には奇妙に聞こえます。
- weak tea(薄いお茶)
- excruciating pain(耐え難いほどの痛み)
- tall trees(高い木)※“high trees”とは言わない
- buy time(時間を稼ぐ)
- fast cars(速い車)※“quick cars”とは言わない
典型的なコロケーションに慣れると、ライティングがより自然になります。コロケーションの知識を深めるためには、基本的な単語(make、do、get、break、tellなど)から始めて、紐づくコロケーションを調べていくといいでしょう。また、まずはコロケーションの「タイプ」ごとに、いくつかの例を暗記することもできます。以下に一部を記しておきます。
- 副詞+形容詞
completely satisfied(完全に満足する)、widely available(広く利用可能な)、bitterly disappointed(ひどく失望している) - 形容詞+名詞
strong coffee(濃いコーヒー)、heavy traffic(渋滞・激しい交通量)、severe weather(悪天候) - 動詞+名詞
commit suicide(自殺する)、do your homework(宿題をする)、make amends(償いをする) - 名詞+名詞
a surge of anger(こみ上げる怒り)、panic attack(パニック発作)、liquor licence(酒類販売許可証)
5. 読み手を意識する
英文を書くとき、その読み手を考えることは重要です。履歴書、大学のエッセイ、個人ブログを書くとき、それぞれ異なる言い回しや単語を使いますよね。基本的な違いは、トーンと単語の選択です。従って、ライティングの前には次のことを考慮しましょう。
-
【大学の申請書、履歴書のカバーレター、エッセイなど、より改まった文の場合】
- 一般的に複雑で、より長い文で綴られる。徹底的に調査されている
- 感情的になりすぎず、読者を感動させるという意図がない
- 通常、単語は省略せずに綴る(can not、 would not have、televisionなど)
- 考えを分かりやすく伝えるために、より簡単な単語と短い文章を使用
- 短縮形と略語が使われる(can’t、wouldn’t have、TV)
- 口語的な言葉を使い、読み手に直接話しているように書く(スラング、比喩、余談、人称代名詞を含む)
- 共感と感動を試みる
6. 受動態より能動態を使う
より明確で簡潔な文章を書くには、一般的に受動態ではなく能動態を使用する方がいいでしょう。例えば、「The shark bit the surfer」という能動態の文は、「The surfer was bitten by the shark」という受動態の文よりも明確で、鬼気迫るものがありますよね。
ただし、例えば威厳のある口調で「Children are not allowed to swim without an adult( 子どもが大人の同伴なしで泳ぐことは禁止されている)」と話すようなときには、受動態を使うことがあります。「The cause of the confusion was unknown(混乱の原因は不明だった)」というように、主語の言及を避けて受動態を使うこともあります。このように理由があって受動態をあえて使用するケースもありますが、使いすぎるのは避けた方がいいでしょう。
7. フィードバックを得る
自分ひとりで学ぶのはなかなか難しいので、勇気を出して自分のライティングについてのフィードバックを求めてみましょう。プルーフリーダーとして適任なのは、ライティングと言語に関心のある英語のネイティブスピーカーや、英語上級レベルのノンネイティブスピーカーです。プルーフリーダーによるライティングのチェック後、アドバイスに従って書き直し、提出や公開の前に最終チェックをしてもらいましょう。
まとめ
英文ライティングでは、自然な表現になっているかを自分で見極めるのは難しいので、ネイティブにフィードバックを求めることは上達を早める上で大切なポイントです。もちろん、日常的に幅広くいろいろなものを読んで、ネイティブがよく使う単語や言い回しをチェックすることも忘れずに!
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