「リスニング力を上げたい!」
リスニング力は英語能力の中でも基本中の基本です。なぜなら、聞き取れない言葉は自分でも話すことはできないからです。そのため、英語初心者ほどリスニング力に焦点を当てた学習方法を取り入れる必要があります。
リスニング力向上を目的とした学習方法は多くありますが、その中でもオススメなのが「リピーティング」です。リピーティングによる効果は絶大で、独学でも学習可能です。今回の記事ではリピーティングの効果を最大化させるために、学習方法、教材選びから注意点までまとめました。
リピーティングとは
リピーティングとはその名の通り、「英語音声を聞いた後に同じ文章を発話するトレーニング方法」です。リピーティング自体は中学校・高校の英語教育でも積極的に取り入れられているため、体験したことがある方も多いのでないでしょうか?リピーティングによる英語能力向上は実証されており、同時通訳者の訓練プログラムの一環としても採用されているれっきとした英語学習方法です。リピーティングでもっとも向上する英語能力は「リスニング力」になります。
リスニング力向上をターゲットにしているトレーニングには、リピーティング以外にも「シャドーイング」や「オーバーラッピング」などがあります。
リピーティングの効果
1. 音声変化の理解によるリスニング力向上
リスニング力を向上させるためには「音声変化」を理解しなくてはいけません。音声変化には、主に4つの種類があります。
- 弱形・・・弱く発音される音
- 脱落・・・発音されない音
- 連結・・・2つの単語がつながる音
- 同化・・・2つの音がつながり生まれる新しい音
これら4つの音声変化に慣れなければ、実用的に英語を使うことは難しいでしょう。特に、自然に音声変化を身に着けているネイティブスピーカーと話すためには、音声変化に慣れておく必要があります。リスニング力を向上させるトレーニング方法の中でもじっくり時間をとりながら学習できるリピーティングは、音声変化を学ぶ上でもっともオススメです。
2. 英語特有のイントネーションへ慣れる
英語は日本語に比べてイントネーション豊かな言語です。日本語は抑揚をつけずに発話しますが、英語では単語に強弱をつけることが大切です。強いて言うなら、日本は「強」のみの言語です。そのため、文章全体をハッキリと発話する必要があります。しかし、英語は「強」と「弱」を使い分けしなければいけません。英語特有の強弱の付け方を学べば、圧倒的に相手に伝わりやすい英語に変わります。リピーティングでは強弱の付け方が、英語を正しく身につける最短ルートになります。
3. 英語特有のロジック・文法構造への理解が深まる
リピーティングは英語をロジカルに習得する上でも非常に有効な手段です。英語音声によるリピーティングを行うことによって、脳は自動的に英語音声の文章がどのように構築されているのか?と解析を始めます。最初は意識を集中させてリピーティングを行っていても、慣れてくると意識せずとも日本語訳の文章が浮かんでくるようになり、使われている文法を瞬時に認識することができます。
リピーティングの方法
リピーティングは、「一度聴いた英語音声と同じ文章をスピーキングしていく訓練方法」です。リピーティングで大切なことは「現時点でどれくらいのリスニング力を有しているか」によって、区切る文章の長さを工夫することです。初心者のうちは「数単語」で区切り、慣れてきたら「長い文章」で区切るのがいいでしょう。
では、リピーティングの具体的なステップをご紹介します。
- 英語音声を流す
- 英語音声を止める(復唱できる長さで区切る)
- 聴いた英語音声と同じ文章を正確に発話する
- どうしても聞き取れなかった単語があった場合はスクリプトを確認する
リピーティングの基本的な流れは以上の通りです。「リピーティングの方法」でも説明した通り、リピーティングに慣れていない間はまず「数単語」から開始するといいでしょう。また、リピーティングを続けていくと、「聞き取れない単語」に出会うことが多くなると思います。何度か繰り返し聞き直しても聞き取れない単語は、一度も学習したことがない単語の可能性が高いです。その際は、スクリプトを確認し、該当する部分にマーカーなどを引いて記憶に定着させましょう。
教材の選び方
リピーティングの効果を最大化させるためには「自分のリスニングレベルに合った教材選び」が重要なポイントになります。英語学習において欠かせないのが「継続性」です。そのためには背伸びをしてストレスを感じてしまうのはマイナスでしかありません。
教材の購入ルートには「書店」もしくは「ネットショッピング」の2つがあります。時間に余裕があれば「書店に足を運び、気になった教材の評価(レビュー)をインターネットで確認してみること」をオススメしたいところ。これから長く付き合うことになる教材です。妥協せずに選んでいきましょう。
リピーティングに取り組むときの注意点
リピーティングを行う上で注意すべき点は3つ。
1. スクリプトは極力確認しない
リピーティングの効果を高めるには、スクリプトをなるべく確認しないことです。リピーティングでは「英語音声を正確に聞き取れているのか」という部分に焦点が当てられています。そのため、最初からスクリプトありきでリピーティングを行うと、音に対する意識が薄まってしまいます。何度か聞いても認識できない単語がある場合のみ、スクリプトを確認しましょう。
2. 英語音声と同じ発音を強く意識する
流した英語音声を繰り返す際は、ネイティブスピーカーのように発話しましょう。文章の正確さを意識しすぎるあまり、カタカナ英語で確認するように繰り返していくのはオススメしません。英語音声を自分で再現する意識を持つことが大切です。
3. 複数の教材を利用しない
リピーティングを含む英語学習の基本は「ひとつの教材でじっくり何度も繰り返し学ぶこと」です。複数の教材を回しながら勉強するなど、次々と教材を変えていくスタイルでは効果を最大限に上げることができません。記憶に新しい知識を定着させるにはまとまった時間が必要だからです。そのため、教材選びには時間をかけましょう。
まとめ
リピーティングは独学で学習できる点が魅力だと思います。教材購入のために出費するお金に対して得られる効果は絶大で、コストパフォーマンス(費用対効果)はものすごく高いです。特に、「英語が全然聞き取れない」と悩んでいる方にはリピーティングを強くオススメしたいです。
今回ご紹介したように、英語には音声変化があります。日本の英語教育では音声変化に焦点を当てた学習が十分でなく、日本人が英語を聞き取れない大きな要因となっていると言えます。音声変化やイントネーションへの慣れなど、リピーティングは英語学習に立ちはだかる大きな壁を壊してくれるトレーニングになるでしょう。ぜひ、試してみてください。
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English Hub 編集部
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