「海外で活躍する日本人が語る、おすすめ英語学習法」
English Hub編集部オリジナルインタビュー企画「海外で活躍する日本人が語る、おすすめ英語学習法」は、英語を使って海外で活躍している日本人ビジネスマン・ビジネスウーマンの方から、これまでのリアルな体験に基づいておすすめの英語学習法やビジネスの現場で英語を使う際のポイントを教えてもらうコーナーです。プロの英語講師でもネイティブでもなく、皆さんと同じ日本人英語学習者の立場としてどのように英語と向き合い、乗り越えてきたのかを等身大の姿で語ってもらうことで、必ず今後の勉強に役立つヒントが見つかるはずです。ぜひインタビュー内容を参考にしながら英語学習のコツを掴みましょう。
今回のゲスト:川本 裕美さん
第6回目となる今回は、現在カナダのモントリオールに在住で、現地の会社でマーケティングアシスタントとして英語を武器に活躍されている川本さんにお話を伺いました。
名前 | 川本 裕美さん |
職業 | マーケティングアシスタント |
居住地 | カナダ・ケベック州・モントリオール |
主な学習法 | TV, YOU TUBE Video鑑賞 |
インタビュー
Q:現在の職業と仕事内容について教えてください。
アパレル系の会社にてマーケティングスタッフとして働いています。主な業務は新しい商品または既存製品のプロモーション、売上高、コストと価格のアナリシス、また姉妹会社との取引関係のコミュニケーションとなります。
Q:いつから本格的に英語を学び始めましたか?
19歳の時にカナダに渡航し、ELSにて英語の学習を致しました。大学直属のELSでしたので、その後そのまま大学へ入学しました。
Q:ある程度英語を使えるようになったと実感するまでにどのくらい期間がかかりましたか?または、どんなときにそう感じましたか?
3年ぐらい経ったときに、銀行や大学の窓口で問題なく自分の意思を伝えるようになったときです。
Q:英語を使えるようになっていったプロセス(どのように学んだか)を教えてください。
大学直属のELSに入ったときは一日6時間、リスニング、ライティング、グラマーなどのクラスに加えて、山ほど宿題があったので、毎日与えられた課題をこなすだけで精一杯でした。ただ時間の空いているときはラジオなどを聞いていました。
Q:英語をマスターする上で一番必要だと思うことは何ですか?
誰かに勧められた教材やクラスを利用するのではなく、自分に合った楽しい方法で毎日少しづつでも続けていくことが大切だと思います。語学習得は時間が掛かり、自分ではあまり上達に気づくことができないので、途中で投げ出すケースが多いのが理由です。
Q:海外で仕事を探している時に、どうやって求人を探していましたか?また、今の仕事はどうやって見つけましたか?
インターネット求人検索や友達の紹介などで仕事を探しました。現在の仕事は、インターネットでの求人広告をみて応募しました。
Q:海外で仕事を得る際に、努力したことや準備したことを教えてください。
海外では経験を重視している企業が多いので、実務で必要なExcel, Powerpointなどのスキルアップに力を入れました。また履歴書も過去の経験よりも、前の会社でどのように貢献してきたかを中心にまとめるようにしました。
Q:仕事の現場で英語を使うとき、どんなことを心がけていますか?
回りくどく説明せず、結論から伝え、メールではなるべく簡潔にまとめるようにしています。
Q:英語を使えるようになって一番よかったことは何ですか?
国籍、バックグラウンドに関わらず、何でも話せて、ジョークを言って笑いあえる友達ができたこと。また英語圏外の国に行ってもコミュニケーションが図れることです。
Q:異なる国の人々と接する際に、日本人とはここが違うなと思う点を教えてください。
あまり考えをまとめないで、思ったことをそのまま表現すること。日本人だとミスや間違った情報を与えないために、少しまとめてから意見を言う方が多いと思います。国柄にもよると思いますが、北米の方は言ったもの勝ちのような感じがあります。謙虚さはゼロです。
Q:英語力を維持・向上し続けるために心がけていることはありますか?
ニュースを見ているぐらいです。
Q:今までで一番効果的だと思った学習方法を教えてください。
スピーキングについて
ディスカッションのクラスに積極的に参加しました。討論の場では、自分の主張の正当性を的確に短時間で発言しなければならないので、全体的なスピーキングのスキルアップに繋がりました。
ライティングについて
読んだ記事または本のサマリー(概略)を書く練習は効果的です。
リスニングについて
テレビではなくラジオを聴くことです。TVはビジュアルで内容が把握できて、音楽や映像だけのシーンが多い。でもラジオは話していることをしっかり聞き取らないと内容が理解できません。ビジュアルの助けがないので、話し手も詳細をしっかりと述べるのでボキャブラリーも増えます。また当時はインターネットもまだそこまで普及していなかったので、たまに音楽に変えて息抜きがてら流行りの曲も知ることができるので、話の話題にもなりました。
リーディングについて
興味のある記事を何回も読みました。
発音について
友達と話しているときに、間違った発音やわかりにくい個所を指摘してもらうようにしました。
Q:最後に英語学習中の読者に向けてのアドバイスを一言お願いします。
グローバル化のせいか、今どこに行ってもいろいろな方が英語を話しています。カナダでも違った人種の方が違った発音また表現の仕方でコミュニケーションされているので、あまり発音やイントネーションばかり心配せず、どんどん積極的に会話に参加して、英語力をさらに伸ばしていってください。私はカナダに来た時に、間違えを恐れてあまりクラスでも意見をいわなかったので、交友の機会をたくさん逃したのを今でも後悔しています。楽しみながらこれからも英語学習に励んでください。
インタビュー後記
今回は、カナダでマーケティングアシスタントとして活躍中の川本さんへのインタビューでした。
川本さんがお話してくださった英語学習のポイントのなかでも効果的な学習法としてとても参考になるなと感じたのは、スピーキングの学習法として挙げられていた「ディスカッションのクラスに積極的に参加する」とリスニングの「テレビではなくラジオを聴く」です。
ディスカッションに関しては学校でなくても、英語を勉強している友人を誘って練習することも可能なのでぜひ試してみてほしい手法です。訓練を重ねることにより、飛躍的に会話能力が上達します。また、一人でも黙々と続けることができるのは、ラジオを聴くことです。「ビジュアルの助けがないので、話し手も詳細をしっかりと述べるのでボキャブラリーも増えます。」この点は、まさにその通りなのです。話しているトピックに対し、自分がどれくらいの割合で理解できるのかということも測れるので、自身のレベルを知る良い機会にもなります。
また川本さんのインタビューでとても印象的だった言葉は、「北米の方は言ったもの勝ちのような感じがあります。謙虚さはゼロです。」と「間違えを恐れてあまりクラスでも意見をいわなかったので、交友の機会をたくさん逃しました。」という言葉です。
海外では、言葉を発しない人はその場には居ない人のような存在になりがちです。英語に自信がなくて話ができない。という事情があったとしても、それを汲み取って話しかけてくれる、質問を投げかけてくれる人はなかなかいません。これは友人同士の集まりやビジネスの場など、あらゆる場面で同じことが言えます。
しかしそのぶん、つたなくても強いアクセントがあっても、とにかく頭に浮かんだことを言葉に乗せていくだけで、たくさんの出会いやチャンスの広がりを海外では作ることが可能となります。この投げたボールをすぐに投げ返すような、会話のテンポを繰り返すことにより英語の上達へと繋がっていくのです。
カナダで活躍されている川本さんからは、英語学習のヒントとなるアドバイスをたくさんいただきました。ご協力どうもありがとうございました!
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