「わからなくても笑ってごまかしたりしない。」海外で活躍する日本人インタビュー(第5回)

「海外で活躍する日本人が語る、おすすめ英語学習法」

English Hub編集部オリジナルインタビュー企画「海外で活躍する日本人が語る、おすすめ英語学習法」は、英語を使って海外で活躍している日本人ビジネスマン・ビジネスウーマンの方から、これまでのリアルな体験に基づいておすすめの英語学習法やビジネスの現場で英語を使う際のポイントを教えてもらうコーナーです。プロの英語講師でもネイティブでもなく、皆さんと同じ日本人英語学習者の立場としてどのように英語と向き合い、乗り越えてきたのかを等身大の姿で語ってもらうことで、必ず今後の勉強に役立つヒントが見つかるはずです。ぜひインタビュー内容を参考にしながら英語学習のコツを掴みましょう。

今回のゲスト:Freitas 真紀さん

第5回目となる今回は、カナダ・オンタリオ州西部のロンドン市で、Dental Lab Technician(歯科技工士)として活躍されているFreitas 真紀さんにお話を伺いました。

名前 Freitas 真紀さん
職業 Dental Lab Technician(歯科技工士)
居住地 カナダ・オンタリオ州・ロンドン市
Freitas 真紀

インタビュー

Q:現在の職業と仕事内容について教えてください。

義歯・義歯の土台

Dental Lab Technician(歯科技工士)です。現在、Flowterという役割で、その日によって、違い色んな部署の色々な仕事をこなしていきます。大体はCADデザインや手作業で患者さんの義歯や義歯の土台を作っています。

Q:いつから本格的に英語を学び始めましたか?

本格的に英語を習ってみたいと思ったのは32歳の時です。旅行に行って英語を話す機会があったのにあまり話せず、外国の人ともっとコミュニケーションを取れたら楽しいかなと思い、英会話教室に通いはじめました。

Q:ある程度英語を使えるようになったと実感するまでにどのくらい期間がかかりましたか?または、どんなときにそう感じましたか?

高校までの基礎があったおかげか、1、2年で意思の疎通は出来るようになりました。”なんとか英語を使っている”という感じではありましたが。『ああー英語が話せるようになったなあ・・』と実感したのは移住して4、5年経ったあたりからここ数年の間です。それまでは仕事での英語も簡単ではなく、会話が聞き取れないことも多かったです。話せずに悔しい思いをしたり、英語にはあまり自信がありませんでした。ここ数年で同僚や上司と意見を交わしたり、時には口論になったりして、それでも頭で考える事の大部分を話せるようになり、『ああ、とっさにでも英語でこれだけ言い返せるようになった・・』と実感しています。

Q:英語を使えるようになっていったプロセス(どのように学んだか)を教えてください。

まずは主人が英会話の先生をしていたので、文法や言い回しはその都度教えてくれ、しつこいくらい直されました。今でも直されます。それ以外では、毎日欠かさず海外ドラマ『FRIENDS』のDVDを、英語に日本語字幕・日本語に英語字幕で、5年間見続けていました。『FRIENDS』がとにかく好きで、気が付いたらそれだけの年月が経っていた・・という感じです。そこから日常会話の言い回し、返事、問いかけなど学んでいき、後は実践で覚えました。仕事での会話、他の人の言い方など『こういう時は、こう言うんだ!』と思ったら次に機会があった時に使ってみる。そういう感じで英語を勉強してきました。今もですけど。

Q:英語をマスターする上で一番必要だと思うことは何ですか?

とにかく英語に関して好奇心を持つこと、後は何より実践だと思います。ただ本で勉強して、書いたり、聞いたり、もいいですが、実際に会話してみて、『こんな言葉は使わないんだ?!』とか『こういう聞き方したら失礼なんだ?』など実践から学んだことがとても多いからです。

Q:海外で仕事を探している時に、どうやって求人を探していましたか?また、今の仕事はどうやって見つけましたか?

初めは主人の親戚のコネでホテルの部屋の掃除をしていましたが、今の仕事は新聞広告(当時はネットより広告が主流でした。)を見て、主人が勝手に応募してしまいました。トレーニングをしてくれるという条件があり実務経験不問でした。

Q:海外で仕事を得る際に、努力したことや準備したことを教えてください。

私がカナダに来た当時の英語力は、中学生程度。とても仕事に就けるレベルではありませんでしたので、肉体労働しかないと諦めホテルの掃除をしていました。資格も何もない私が、出来ない枠の制限を超え仕事を見つけるためには、なによりも英語力が必要だと実感しました。ESLスクールでネイティブレベルとまではいかなくとも、それに近いくらいの英語力を身につけようと、夜間学校へ通い始めました。移民のためのESLスクールでは、生活していくために必要な基本を全部教えてくれます。その上、英語レベルも上げてくれ無料で受講できました。でも結局は、学校へは二か月通ったところで今の仕事が見つかり、後は職場での実践英語がほとんどでした。

Q:仕事の現場で英語を使うとき、どんなことを心がけていますか?

わからなくても笑ってごまかしたりしない。どういう意味?どういう事?など、わかるまできちんと聞いて曖昧にしない。ほとんどのカナダ人は嫌がらず教えてくれます。アクセントのせいで伝わらなくても諦めない。伝える方法は、紙に書く、スペルを言うなど、いくらでもあります。曖昧にしたことでミスをしたり誤解を生んでしまい、時にはやり直しでは済まない事態になったりしますから。

それから、声のトーンをあげるとこちらではYELL(怒鳴る)と言われてしまうので、静かに丁寧にイラッとしても、落ち着いて話すように努力しています。なかなかできないのですが。

外国人はリアクションが大きいと思われがちですが、実際はリアクションは思ったよりも静かで、大げさでもなんでもありません。日本人の私の方が、リアクションも大きく、『大げさだよ、君は』などと言われることが多いです。そしてとても強く思ったことは、なるべくきちんとした英語をつねに話す努力をすることです。主にお願い事や許可を得るときは、Would you ,could you, if you don’t mind,などを使います。

移民の多いカナダでは、家族全員で移住して家ではほとんど母国語で生活している人も多くいます。そのためか、20年以上もカナダにいても簡単な会話しかできない人もいます。ただ、単語を並べるだけでも通じるよという人もいますが、それでは失礼になることもあるし、ある程度きちんとした英語を話せない人に、大事な仕事は任せてもらえないと思います。

Q:英語を使えるようになって一番よかったことは何ですか?

一つは言いたいことを言いたい時に言えるようになったことです。以前は、聞き取れても返す言葉が見つからず、誤解を受けたままという悔しい思いもしました。

もう一つは、いままで聞き流していた歌の歌詞などの意味がわかるようになったことです。10代の頃聞いた英語の歌の意味を改めて知って、今頃感動したり、『こういう歌だったのか?!』などと驚いたり、今すごく新鮮な気持ちで洋楽を聞いています。そして、なによりもたくさんの国の人と接する機会を得たことで、文化や考え方の違いを知ることができ、自分の考え方や世界が広がったことです。

Q:異なる国の人々と接する際に、日本人とはここが違うなと思う点を教えてください。

難しい。違うことだらけですよ。基本的に全部違うと思って接しないと。あ、同じなんだと思うことがあればラッキーという感じです。

あえていえば、日本人はどんなことにでもきちんとしている傾向があるけど、(例えば時間など)こちらは多種多様な人がいるのでほとんどの人がEasy goingです。日本で持っていた常識はこちらでは常識でない事も多いです。

Q:英語力を維持・向上し続けるために心がけていることはありますか?

とにかく実戦で使うこと。主人が日本語を話せない為、日常生活のほとんどは、英語ですが、それでもPCで動画を見たり、ブログを書いたり、本を読んだり娯楽は全部日本語です。日本人の友達と1日いると、とたんに英語がおかしいと主人に言われます。英語を使わないとあっという間に『日本語』に引っ張られてしまうようです。その日あったことを英語で話したり、ニュースについて意見を言ってみたり、聞いたり読んだり『毎日』英語を使うことです。

Q:今までで一番効果的だと思った学習方法を教えてください。

スピーキングについて

文字通り、話すことです。お喋りしてくれる人を持つとか、英語の歌を歌っているだけでもいいし口に出すことです。

ライティングについて

私はWritingが好きじゃないのですが、仕事では必要です。日常の小さな事を書く。私は毎週、主人にメモや手紙を書いていました。

リスニングについて

私に効果的だったのはDVDや音楽、ラジオです。ネイティブの言い回しや話す速さ、非日常の映画やDVDよりも、普通のドラマだと普段使う言葉がそのまま出てきます。慣れるのには効果があると思います。

リーディングについて

これもやはり、読むしかないですかね。私は実は英語で物を読むのが好きではないのですが、自分の好きな洋書の英語版と翻訳版、二冊持って読み比べる、というのは好きで時々やります。

発音について

私は、自然に話すための発音って物まねのようなものだと思っています。教材などの表示にとらわれず、ネイティブの人の言い方を真似する。洋楽の歌詞なんかを聞いているとよくわかります。今はYOUTUBEなどで歌詞を同時に見れますし、そういうものを耳で勉強して、まねをして話してみてもいいと思うんです。私の旦那の弁ですが、日本人で文法も完璧に話せる人は、勉強で習った発音にとらわれてロボットと話しているような感じの人が多いんだそうです。30歳を過ぎてから英語を話しだした私からアクセントが抜けることは決してないので、こだわりすぎず、伝わったかどうかに重きを持っています。

Q:おすすめの英語教材や参考書などがありましたら教えてください。

私はほとんど参考書など使いませんでした。本で勉強をするのが好きならば、原本と翻訳本を教材にしたりも良いかもしれません。私は、好きな海外ドラマのDVDや映画がメインでした。ご自分で、これ好きだなと思う英語の題材を見つけるのが一番良いと思います。Youtubeで料理や、手芸、歌の動画だっていいし、好きなものなら良い教材になると思います。

Q:最後に英語学習中の読者に向けてのアドバイスを一言お願いします。

英語圏に住む以上、日々話している英語に終わりはありませんから、いつも好奇心を持つことでしょうか。英語だとこういう言い方をするんだなど、毎日が勉強です。有名な歌手とか女優さんとかに興味を持って英語の雑誌を見たり、身近なネイティブの人自身の話すことを観察することも良い勉強だとおもいます。『この人の場合はこういう風に言うんだ・・あたしならこう言ってしまうけど』なんて、気づく場合もあります。 

生活のために仕方ないから勉強するのではなく、これは面白いかもと好奇心を持ったことを英語で初めてみたら、継続できますし、身につくのではないでしょうか。

インタビュー後記

今回は、カナダで歯科技工士として活躍中のフレイタスさんへのインタビューでした。

フレイタスさんのインタビューでとても印象的だった言葉は、「わからなくても笑ってごまかしたりしない。」という点です。英語で会話をする際に、相手が何を言っているのかわからないという場面は、どんなに英語が上達しても起こりうる状況です。社会人となりある程度人生経験を積んでいくと、分からないと素直に質問をすることはとても勇気のいる行為でもあります。しかし、その単語や一文を曖昧に理解することにより、その後、理解の行き違いや会話がかみ合わなくなるという事態に発展する恐れがあります。そして、新しい英語を実践で学べるという機会をも見逃してしまうことになるのです。

分からなかった部分はしっかりと聞く。その姿勢は、あなたがその仕事や相手との関係性を重要なものだと感じているからこそ、余すことなく理解したいという気持ちの表れにもなります。

カナダで活躍されているフレイタスさんからは、英語学習のヒントとなるアドバイスをたくさんいただきました。ご協力どうもありがとうございました!

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カナダ在住。各地図書館の本を読破することが楽しみの一つ。いわゆる本の虫。言葉や文字にとても惹かれ、現在は英・仏語を話し、国内外で語学講師の経験を持つ。移住を機にリモートワーカーとなり執筆、翻訳、通訳、取材、商品紹介のキャッチ等を手がける。述べ20カ国以上を旅した経験から世界は繋がっていると体感し、国も人種もボーダレスな人生を謳歌する一児のママ。(ブログ:https://sasaki.themedia.jp/