月に数日、痛みで動けない日がある。鎮痛剤が効かない日もある。毎月同じ時期に休むため、職場では「また休んだ」と見られている。言い訳のように聞こえるのが嫌で、理由を言えなくなっていく。
この記事では、子宮内膜症の症状で働き続けるのが難しいときに使える制度を、条文と公的資料にもとづいて整理します。先に書いておくと、生理日の就業が著しく困難な場合の休暇は労働基準法に定められた制度であり、会社の善意で与えられるものではありません。
記載内容は2026年10月時点で、末尾に挙げた公的機関の資料にもとづいています。治療や就業の可否は主治医の判断に従ってください。
結論:毎月の数日は法律上の休暇、長期の離脱は傷病手当金
- 生理日の就業が著しく困難な女性が請求した場合の休暇は、労働基準法第68条に定められている
- この休暇は、就業規則で日数を限定することができない
- 半日単位や時間単位での取得もできる
- 手術や長期の治療で就業できない期間は、健康保険の傷病手当金という仕組みがある
- 毎月の欠勤を理由に不利益な扱いを受けた場合、相談先がある
生理休暇の中身を正確に知る
厚生労働省の資料によれば、労働基準法第68条は生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならないと定めています。
ここで押さえるべき点が三つあります。
| 論点 | 内容 |
| 日数の上限 | 就業規則等で日数を限定することはできないとされている。「月2日まで」といった定めは置けない |
| 取得の単位 | 1日単位だけでなく、半日単位や時間単位での取得も可能とされている |
| 賃金の扱い | 有給か無給かは、就業規則など会社の定めによる |
一つ目を知らないまま、会社の規定にある日数で諦めている人がいます。日数を限定する定めは置けないため、症状が重い月に必要な日数を請求できます。
二つ目も実務的です。痛みが強いのが午前だけなら、午前だけ取って午後から出社する使い方ができます。丸一日休むより、職場の受け止めも変わります。
請求のときに診断書は必要か
就業が著しく困難であることの判断は本人の請求にもとづきます。とはいえ、繰り返し取得することへの職場の理解を得るうえで、診断を受けていることが分かると話が通りやすくなるのは事実です。
子宮内膜症の診断を受けているなら、「毎月の体調不良」ではなく「治療中の疾患によるもの」として説明できます。伝える範囲は本人が決めてよい部分ですが、診断名まで言わずとも「婦人科で治療を受けており、定期的に強い痛みが出る時期がある」と伝えるだけでも、受け止められ方が変わります。
毎月の数日をどう設計するか
休むこと自体より、予定できないことが職場では問題になります。そこを設計で潰します。
- 症状が出やすい時期を記録し、おおよその周期を把握する
- その時期に重要な会議や締切を置かない形を、上司と相談する
- 急に抜けても止まらないよう、業務の共有と引き継ぎの方法を決めておく
- 在宅勤務が可能なら、その時期だけ在宅にできないか相談する
- 半日や時間単位での取得を使い、丸一日の欠勤を減らす
2つ目が効きます。「休む」ではなく「この週に締切を置かない」という形にすると、職場の負担も減ります。周期には個人差と変動があるため、完全には読めませんが、目安があるだけで調整の余地が生まれます。
手術や長期の治療で離脱する場合
全国健康保険協会の案内によれば、傷病手当金は業務外の病気やけがで療養のため仕事を休んだ場合に支給されるもので、連続する3日間を含んで4日以上仕事に就けなかったときに、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。
- 1日あたりの額は、支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額の平均額を30で割った額の3分の2に相当する額
- 支給される期間は、支給開始日から通算して1年6か月
- 休んだ期間について給与の支払いがある場合は、支給が調整されることがある
- 申請書には医師が記入する欄がある。受診時に依頼する
「通算して1年6か月」である点が、この疾患の性質と噛み合います。手術で一度離脱し、復帰し、また治療で離脱するという経過でも、復帰していた期間は算入されません。
会社に相談できること
生理休暇のほかにも、働き方の調整で負担が下がる場合があります。
| 相談できること | どう頼むか |
| テレワーク | 症状が出やすい時期だけ在宅にできないか。「週に何日なら出社できる」という形で出す |
| 時差出勤 | 朝に痛みが強い場合、開始時刻をずらす |
| 所定外労働の削減 | 残業がなくなるだけで、翌日の状態が変わることがある |
| 通院時間の確保 | 定期通院が平日の昼に入る場合。時間単位の年次有給休暇が使えるか確認する |
| 業務の配分 | 立ち仕事や長時間の移動が続く業務を一時的に減らす |
不利益な扱いを受けた場合
生理休暇の請求や取得を理由とする不利益な取扱いは問題になります。相談先は都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。
- 請求した日と、会社の対応を記録しておく
- 断られた場合は、その理由を聞いて記録する
- 評価や配置に影響が出た場合、その時期と内容を書き残す
- 都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談する
働き方そのものを変える選択
月に数日の離脱が続くことを前提にするなら、時間と場所の自由度が高い働き方を検討する余地があります。
オンラインで完結しやすい仕事として、Webデザイン、ライティング、動画編集、Webマーケティング、オンラインアシスタントなどがあります。通勤がなく、作業の時間帯を自分で決められる形は、月に数日動けない日がある状態と噛み合います。体調のよい時期に作業を寄せることもできます。
学び始めてすぐに収入になるものではないため、まだ働けている時期に基礎を作っておくのが現実的です。学ぶ場としては、オンラインで複数の分野を横断して学べるスクールがあります。SHElikesは、Webデザインやライティング、マーケティングなどのコースを定額で受講できる形になっているため、どの方向が自分に合うか決めきれていない段階でも始めやすい設計です。
よくある質問
会社の規定では月2日までとなっています
厚生労働省の資料によれば、生理休暇は就業規則等で日数を限定することができないとされています。規定の日数を超えて必要な場合でも請求できます。
半日だけ休むことはできますか
1日単位だけでなく、半日単位や時間単位での取得も可能とされています。痛みが強いのが午前だけなら、午前だけ取って午後から出社する使い方ができます。
診断書は必要ですか
就業が著しく困難であることの判断は本人の請求にもとづきます。ただし、繰り返し取得する場合に職場の理解を得るうえでは、治療中であることが分かると話が通りやすくなります。診断名まで伝えるかは本人が決めてよい部分です。
手術で長く休むことになりました
傷病手当金の仕組みがあります。連続する3日間を含んで4日以上仕事に就けなかったときの4日目以降について、標準報酬月額の平均額を30で割った額の3分の2に相当する額が支給され、支給開始日から通算して1年6か月までです。
休みが多いことで評価を下げられました
生理休暇の請求や取得を理由とする不利益な取扱いは問題になります。時期と内容を記録し、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談してください。
まとめ
子宮内膜症で毎月の離脱が続くとき、まず知っておくべきは生理休暇の中身です。労働基準法第68条は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときに就業させてはならないと定めています。就業規則等で日数を限定することはできず、半日単位や時間単位での取得も可能です。
職場で問題になるのは休むことより予定できないことなので、症状が出やすい時期を把握し、その週に締切や重要な会議を置かない形を相談してください。在宅勤務や時差出勤が使えるなら、その時期だけの適用を提案する手もあります。
手術や長期の治療で離脱する場合は傷病手当金の仕組みがあり、支給は通算して1年6か月までです。復帰していた期間は算入されないため、離脱と復帰を繰り返す経過でも使えます。
不利益な扱いを受けた場合は、記録を残したうえで都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談してください。
この記事で参照した資料
English Hub 編集部
最新記事 by English Hub 編集部 (全て見る)
- 子宮内膜症で仕事が続けられないとき、日数を制限できない休暇の制度 - 2026年10月29日
- 妊娠悪阻で働けないとき、説明ではなく書面で措置を求める方法 - 2026年10月29日
- 切迫早産で退職を迫られたら、辞める前に確認する連絡カードと傷病手当金 - 2026年10月29日
- 更年期で仕事を辞めたいとき、重い時期に判断しないための選択肢 - 2026年10月28日
- 子どもの発達障害で仕事が続かないとき、2025年に広がった休暇と支援の窓口 - 2026年10月28日


















