英語学習に取り組む人の多くは、理想とする最終ゴールとして、自分が流暢に英会話をする姿を思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、実際に学習を始めようとすると、「どこから手をつければよいのかわからない」という壁にぶつかることがあります。
英会話力は、一つの単純なスキルではなく、さまざまな要素が組み合わさった複合的な能力です。そのため、効果的に英会話スキルを伸ばすには、これらの構成要素について理解し、どこに自分の強みと弱みがあるのかを把握することが欠かせません。
ここでは、英会話力を構成する4つの主な要素について詳しく解説します。それぞれのスキルを鍛えるための学習法も参考にしながら、自分がまずどの分野に重点的に取り組むべきかを考えてみてください。
英会話、何から勉強すれば良い?4つの観点から英語力を分析
1. リスニング力
リスニング力は、英会話の中で相手の発言を正確に捉え、その意図を適切に理解する上で不可欠です。自分の意見を英語で表現する以前に、会話相手の発言内容や質問を上手く聞き取れないという悩みを抱える学習者も少なくありません。
高いリスニング力を持つ人は、相手が言いたいことを的確に汲み取った上で、抽象的な会話トピックや深い対話にも対応できます。一方、リスニング力が十分でない場合は、英語の聞き取り自体に大きな負荷がかかっているので、自分がどんな言葉を返すべきかを考える思考プロセスに十分なリソースを割くことが難しくなります。
リスニング力を集中的に強化する際、「音そのものが聞き取れていない」「発音は頭に入ってきても意味とすぐに結びつかない」など、つまずきの原因によっても取るべきアプローチはさまざまです。
- 英語の音声変化に関する知識の習得
- シャドーイング:
聞き取った英語音声の発音・リズムなどを真似ながら発話を繰り返すトレーニング。 - ディクテーション:
英語音声を聞き、内容をそのまま書き取るトレーニング。
2. 意見形成力
相手の話をどれだけ正確に聞き取れていたとしても、そのトピックに対する自分の意見がなければ、会話を続けることは難しいでしょう。さまざまな分野に広く興味を持ち、自分なりの解釈を考える習慣が身についている人は意見形成力が高く、会話の中で相手に適切な反応を返すことができます。
英会話の練習をしていて思わず言葉に詰まることが多い方は、「自分の意見を上手く英語に変換できないのか」「そもそも言いたいことがないのか」を一度立ち止まって考えてみると、ボトルネックとなっているポイントが見つかるはずです。
- 英字新聞やニュースを通じて多様な話題に触れ、英語で自分の見解をまとめる
- オンライン英会話レッスンなどを活用し、特定のトピックに関するディスカッションに挑戦する
3. 語彙力・表現力
「こんなことを言いたい」という内容が頭に浮かんでいるにもかかわらず、それを適切に伝えるための英語表現が咄嗟に出てこなかった経験はありませんか?
英会話の中で自分の考えや感情を効果的に伝えるスキルは、語彙知識、文法力などの基礎をしっかりと身につけてはじめて発揮できるものです。中学レベルの英文法や単語知識が不足していると感じる場合は、まずは英語の基礎固めに集中しましょう。
基礎項目を一通りおさらいし、語彙力・表現力をさらに広げていく段階では、パラフレージングに取り組むのがおすすめです。パラフレージングとは、元の文の意味を大きく変えないまま、別の言葉を使って英語を書きかえるトレーニング方法です。
パラフレージングの練習をする中で、数多くの類義語に触れ、それぞれの使い分けのニュアンスを学ぶことができます。
- 中学レベルの英文法や単語が学べる教材を使用した基礎固め
- 元の意味を保ったまま英文を別の言葉で言い換えるパラフレージングを練習する
- 類義語も調べながら英単語をインプットする
4. 会話展開力
円滑な英語コミュニケーションのためには、相手から聞かれたことに答えるだけの受け身な姿勢ではなく、自ら会話を展開していく力が必要です。
仮に自分がまったく知らない分野の話題を持ちかけられたとしても、複数の異なる角度から質問をしたり、相手の説明に対する自分の理解・認識が正しいかを適宜問いかけたりすれば、英会話はスムーズに進みます。
英会話の最中に何を話すべきか少し考える時間欲しい時は、自然な範囲内でフィラーワード(Well…/I mean…/You know…など)を使って適切な間を取ると、会話の流れを維持しやすくなります。
英会話の機会をできるだけ多く確保し、英語を話すことに対して徐々に自信がついてくれば、相手とのコミュニケーションも積極的に楽しめるようになるはずです。
- オンライン英会話レッスンでのスピーキング練習
- ランゲージ・エクスチェンジ(言語交換)などを利用した実践的な英会話の機会の確保
まとめ
英会話力を効率良く鍛えるには、自分の苦手分野を分析し、何がボトルネックになっているのかを突き止めた上で対策に取り組むことが必要です。
英会話を多角的な視点から捉え、伸び悩みを打破するための学習方法を見つけるヒントとして、この記事で紹介したポイントを上手く活用してみてください。