第二言語取得研究に基づく英語学習法「PCPPモデル」とは?

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第二言語教育の現場では、学習者ができる限り効率的に第二言語を習得できるよう、第二言語習得理論に基づいて様々な教授法が開発されています。今回ご紹介するのは、第二言語習得研究の専門家である村野井仁氏(2006)が提唱している「PCPPモデル」という教授法です。

PCPPモデルとは?

PCPPモデルとは、Presentation(提示)→ Comprehension(理解)→ Practice(産出)→Production(産出)の流れでレッスンを行うことで効果的に言語習得に必要となる認知プロセスを促進するモデルのことを指します。

  1. Presentation(提示)
  2. Comprehension(理解)
  3. Practice(練習)
  4. Production(産出)

日本の英語教育の現場でも以前から広く浸透している教授法として、文法中心の学習アプローチであるPPPモデル(Presentation/Practice/Production)というものがあります。

PPPモデルの流れを具体的に説明すると、まずPresentationでは新たに学ぶ文法ルールや語彙などが含まれたダイアログやテキストなどを提示し、内容をインプットします。次のPracticeでは学んだルールや語彙を使用して並び替え作文や穴埋めなど様々な練習を行うことでパターンを記憶させ、最後のProductionでは学んだ内容を活かして自由に作文や会話をするなどアウトプットすることで定着させるという形になります。

このPPPモデルは日本に限らず世界中で広く受け入れられている教授法ですが、ここにPracticeの前に理解中心のプロセスであるC(Comprehension)を加えたのがPCPPモデルとなります。

PCPPモデルの具体的な流れ

ここでは、PCPPモデルプロセスの詳細について説明します。

1. Presentation(提示)

Presentation(提示)のプロセスは新たな文法ルールや語彙などその日に学ぶ題材内容に関する背景知識を活性化するための活動で、一般的には口頭説明によるイントロダクションとなります。この提示のフェーズでは学ぶ内容がいかに学習者と関わりがある内容なのかを示すことが第二言語習得の重要な成功要因の一つである「動機」を高めるうえで重要だとされています。

2. Comprehension(理解)

Comprehension(理解)のプロセスでは、学ぶ題材に対する理解を深めるためのリスニング・リーディングを行います。ここの段階ではリスニング・リーディングともに情報やメッセージを正確に理解する活動を組み込むことが重要だとされています。具体的には、語彙のまとまりを意識しながら読むスラッシュ・リーディングや特定の情報を探させるスキャニングなど、理解度を高めるための様々な活動が含まれます。

3. Practice(練習)

Practice(練習)は「理解」フェーズから「産出」フェーズへの橋渡しをするプロセスであり、言語運用能力を高めるうえで重要なプロセスとなります。具体的には、学んだ文法ルールや語彙を使用した様々なパターン・プラクティスを行います。リスニング力を高めるシャドーイングやリーディング力を高める音読、英文を読みながらフレーズごとに和訳していくサイトラ(サイト・トランスレーション)など多様な練習を粘り強く繰り返し行うことで、次の「産出」に必要となる基盤を身につけます。

4. Production(産出)

最後のProduction(産出)フェーズでは、題材に関する理解を深め、実際に練習を重ねたうえで、学んだルールや語彙を利用してライティングやスピーキングなどのアウトプットを行います。学んだ内容をベースに自ら表現を行うことで学習内容の内在化・統合を促します。

PCPPモデルに基づいて教材を開発しているレアジョブ

オンライン英会話最大手のレアジョブでは、ビジネス英語を学ぶ「ビジネス英会話コース」の教材において、実際にこのPCPPモデルに基づいて開発された教材を利用してレッスンを受けることができます。

レアジョブのビジネス英会話では、25分というレッスン時間の中で、まず冒頭ではその日のレッスンのゴールやビジネス場面設定を講師から明確に提示(Presentation)され、次に理解(Comprehension)を深めるためのロールプレイングなどを実施します。

ロールプレイングを通じて理解を深めたら、次は練習(Practice)フェーズとして、頭で理解した内容を自分が言葉として話せるよう繰り返し練習します。そして最後は産出(Production)として実際のビジネス現場において瞬発的に発言をできるようにするための練習を行います。

このPCPPモデルに基づくレッスンを繰り返すことで着実にビジネス英会話の頻出シーン表現を身につけていくのがレアジョブ英会話のスタイルとなっています。

まとめ

いかがでしょうか?PCPPモデルに基づいてトレーニングを重ねていけば、新たに学ぶ文法ルールや語彙についても効率的に身に着けていくことができるようになります。PCPPモデルをベースとする英会話レッスンを受けてみたいという方はぜひレアジョブ英会話を活用してみてはいかがでしょうか?

【参照記事】日本人英語学習者に適した英語教授法・指導法 - PCPP、AL、教材 -
【関連書籍】第二言語習得研究から見た効果的な英語学習法・指導法
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