英会話を習うなら、スクール?オンライン?英語学習の挫折を防ぐポイントも【座談会】

これから英語を学ぼうと考えている方の中には、英会話スクールで対面レッスンを受けようか、それともオンライン英会話を利用しようか、迷っている方もいるのではないでしょうか。

また、既に対面・オンライン、いずれかの形式で受講しているものの、学習期間が長くなるにつれ、少しずつ気になる部分が出てきたという方もいるかもしれません。

そこで今回English Hubでは、「英会話を習うなら、スクール?オンライン?」をテーマに、座談会を実施。英会話スクールとオンライン英会話、両方の受講経験がある編集者5名が、それぞれで感じたメリットとデメリットを本音で語りました。

受講形式を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

    <座談会の参加者>

  • 天野:1984年生まれ、東京大学教育学部卒業。英会話スクールの受講経験は、大手スクール2校とオンライン英会話3社。
  • 菊池:フィリピン・セブ島への2ヶ月間の留学と、英会話スクール、オンライン英会話、英語コーチングスクールの受講経験あり。
  • A・S:学生時代に英会話スクールを受講。業務での英語使用歴10年以上。現在はオンライン英会話を利用中。
  • 佐藤:英日翻訳の経験あり。ライティング対策、スピーキング練習など、目的別にオンライン英会話を使い分ける。
  • 山本(進行役):出社前の時間帯に、オンライン英会話を受講中。

目次

英会話スクールとオンライン英会話、両方を受講した感想

山本:天野さんは、3年くらい前に英会話スクールに通われていましたよね。当時、オンライン英会話も既に普及していた中で、英会話スクールを選択された理由は何でしたか?

天野:オンライン英会話も既に3社ほど体験した後だったんですが、どれも長続きしていなかったんです。

最初の頃は、朝早くからオンラインレッスンを受けていたんですが、予約をとるのがだんだん面倒になってきて。受講を習慣化できなかったんですよね。

料金が(月に数千円程度と)安いこともあって、レッスンを受けられなくても「まあ、いっか」と、流してしまっていました。

山本:じゃあ、スクールにされたのは、あえて高めの金額を払うことで強制力をつくろうと?

天野:その面はありますね。それと、担当者がついてくれることも加味して、英会話スクールの「Gaba」にしました。

月8~10回くらいのレッスンペースで半年ほど通って、最終的には忙しくてやめてしまいましたが、講師の質は高いなっていう印象でした。

ビジネス経験のある講師がビジネス英会話をしてくれるので、普通にビジネスで使えるような話題で、踏み込んだ会話ができる。英語で自分のビジネスについて説明したり、相手と意見交換したりと、色々やってましたね。

ビジネス経験がある講師と話せるという点では、(過去に受けたオンライン英会話の)「ビズメイツ(Bizmates)」も良かったです。

英会話スクールのメリットとデメリット

マンツーマンorグループ

山本:マンツーマンのスクールを選ばれた理由はありますか?

天野:新卒の時にも1回、英会話スクールに通っていたことがあったんですが、その時はグループレッスンで。受講生6人くらいで40分、みたいな。1回のレッスンで、5分くらいしか喋れない。話す時間が少ないと上達しなさそうだと思って、マンツーマンにしました。

A・S:私も学生の時、グループレッスンに1年半くらい通っていましたよ。その時は、周りの人がいることによって楽しい、という気持ちもあったし、あとは、英語が上手な他の生徒を見て「ああいう風になれるんだ!」みたいな。ロールモデルと一緒に学んでいるような感じ。

ネイティブの先生が英語が上手いのは当たり前ですけど、一緒に学んでいる生徒がだんだん上達していくのを目にすると、「自分もあんな風に上手になろう」っていうモチベーションに繋がりました。

山本:グループで、「英語を沢山喋れない」というフラストレーションはなかったですか?

A・S:当時の英語力では、1回のレッスンの間に3回くらい発言の機会が回ってくるくらいが、自分にとってちょうど良い負荷でした(笑)。

菊池:僕は、数年前に、マンツーマンの「MeRISE(ミライズ)英会話」(通学当時の名称は「START-UP ENGLISH」)に通っていました。

僕の例はちょっと特殊かもしれないんですが、もともと2016年にフィリピンに2ヶ月留学をしていて。その時に現地で通っていた語学学校(ミライズ留学)の姉妹校として、ミライズ英会話が日本にできたんですよ。現地の学校の、特に成績優秀な先生たちが日本にやって来る形で。

フィリピンで教えてもらっていた先生たちと再会できたので、留学の延長線上のような雰囲気で、楽しく通えていましたね。「久しぶりー!」「来月は、○○先生も日本に来るよ!」みたいな。

山本:海外の雰囲気をそのまま感じられそうですね。

菊池:そうですね。懐かしいというか、留学していた当時を思い出す感じで。

英会話スクールの注意点:「料金」と「校舎の場所」

山本:逆に、スクールを体験した際の不満点や、不便に感じた点はありますか?

佐藤:数年前、IELTS(アイエルツ)を初めて受けようと思ったときに、専門対策をしている通学型のスクールの無料体験レッスンに行ったんですが、IELTS対策のスクールとなると、けっこう料金が高くて。

予算内に収まらなかったので、オンラインで受講できるサービスを探すか、独学中心でやろうかなと思いました。

山本:料金の差は、大きいですよね。

天野:あとは、スクールの場合、校舎の場所も大事ですね。僕の場合、家からも職場からも通える立地で選んだんですけど、実際に通ってみると、どっちからも微妙な距離でした。家からは地下鉄3駅分で20分くらい、職場からも電車に乗ってから着くまでが20分くらいかかって。家と職場との間にある校舎を選べば、仕事帰りにも通いやすかったなと思います(※)。

※現在、Gabaではレッスンごとに受講する校舎を自由に選択できます。平日は会社の近く、休日は自宅の近くの校舎でといった通い方も可能です。

山本:生活スタイルを少しでも変えなくちゃいけないとなると、継続が難しくなるかもしれませんね。

菊池:僕の場合も、天野さんと同じですね。出かけていたら、ついでに寄れる場所に校舎があったんですが、レッスン以外の用事がない日に自宅から通うとなると、ちょっと面倒くさくて。そうなると、曜日が限られてくる。

あとは、僕自身が担任制というか、1人か2人くらいの同じ先生からずっと習っていたので、そうすると、希望の時間に予約が取れない、という場合もありましたね。

「この日の、この時間に受けたいけれど、あ、もうそこはいっぱいか・・・」みたいな。天野さんは、毎回同じ先生から習っていましたか?

天野:同じ人を選べる仕組みはあったんですが、僕は毎回違う人のレッスンを受けていました。誰とでも会話できた方がいいかなと思って。人によって、英語のイントネーションが違ったり、話すスピードが違ったりするので。

オンライン英会話のメリットとデメリット

山本:次に、オンライン英会話についても話していきたいと思います。まず、オンライン英会話のメリットはなんだと思いますか?

手頃な料金で、幅広い時間帯にレッスンを受けられる

佐藤:予約できる時間帯ですね。今だと、24時間やっているサービスもたくさんあるので。通学型だと、なかなか夜10時以降とか、早朝には受講が難しいので。

A・S: 私はいつも、寝る直前の深夜にオンラインレッスンを受けています。

佐藤:自分が空いた時間に、しかも開始5分前とか、もしくは今すぐとかっていうタイミングでもレッスンを受けられるフレキシブルさは、オンライン英会話にしかないですよね。

ただ、気軽にできる反面、上手く活用しないと、ちょっともったいないと思うこともあります。オンライン英会話の場合、スクールに比べて料金が安いので、つい、「この料金なら、とりあえず、毎日受けられるプランにしておこうかな」と思いがちですが、自分の場合、それでフル活用できた例が無い(笑)。「どれくらいのペースで受講できそうかをもっと現実的に考えて、ちゃんと計画を立てれば良かった」と思ったことはありますね。

「料金が安いから、多少レッスンを受けられなくてもいいや」という考え方も1つだとは思いますが。

オンライン英会話の注意点:「通信環境」と「受講場所」

天野:オンラインの場合、通信環境も大事ですよね。数秒でも通信が途切れたら、どこまで聞こえていたかお互いに確認が必要になるので。講師の側と自分の側、両方の通信環境が良くないと、けっこうストレスだと思います。

菊池:あとは、受ける場所ですよね。僕、(オンライン英会話を受講していた)当時は、実家に住んでたので結構やりづらかったです。英会話レッスンを受けている声を、家族にあんまり聞かれたくなくて(笑)。「レッスン何時までだから、ちょっと向こう行ってて」みたいな(笑)。受講する時間帯とか、受ける場所は気にしてましたね。

英会話スクールとオンライン英会話、それぞれどんな人に向いている?

山本:英会話スクールとオンライン英会話、それぞれの長所・短所を踏まえて、スクールでの受講はどんな人に向いていると思いますか?

英会話初心者には、対面でのグループレッスンがおすすめ

A・S:実体験から考えると、自分が初心者だった時は、マンツーマンよりもグループレッスンの方が良くて、かつ、対面で受けられるスクールの方が良かった。

でも、ある程度英語を話せるようになったら、講師を独り占めして、自分が話せる時間が増えるマンツーマンの方が良いと思うようになりました。オンライン英会話なら、マンツーマンレッスンを無理のない予算で毎日でも受講できます。

山本:スクールでのマンツーマンと、オンラインでのマンツーマンの違いは何だと思いますか?

天野:対面で話すと、緊張感や情報量が違う感じはしますね。

A・S:いい意味で?

天野:対面だと、ボディランゲージや視線などからも意図を読み取ったり伝えたりしやすい点が良かったです。また、オンライン英会話のときは自宅で受講していたんですが、レッスン中にインターホンが鳴ったり、PCに通知が表示されたりして集中力が途切れてしまうこともあったので、会話に集中するという面ではスクールに通う価値はあったなと思います。

英語学習の継続には、学習目的や学習目標が大切

天野:僕は、対面、オンラインの受講形式を問わず、英会話を学ぶ上で大事なのは学習目的だと思っていて。

振り返ってみると、学習を継続する上で、「日々の中に英語を使う機会や必要としているシーンがあるかないか」「どこまで英語力を高めたいか」っていう点が重要だったんじゃないかと思います。

自分の場合、当時、英語を仕事で日常的に使うシーンが特にありませんでした。英語学習が必須ではなかったので、他に優先事項が増えてしまうと、つい後回しになってしまったように思います。対面・オンラインを問わず、通う期間が長くなればなるほど、そういう挫折のタイミングは訪れるんじゃないでしょうか。

山本:スクールでもオンラインでも、活用するためには学習目的が必要になってくると。

天野:3ヶ月ぐらいまでは何とかモチベーション維持できるんですけど、半年くらいたってくると、学習目的がないと厳しい。「このまま勉強を続けてて、上達して・・それでどうなるの?」みたいな。

A・S:スクール自体が楽しかったら、明確な学習目的がなくても、ある程度続くのかな、という気もするけれど。

天野:でも、入会して半年くらいたつと、季節も変わるじゃないですか。通い始めは夏だったのが冬になると、「寒い・・・」みたいな(笑)。雨の日とか雪の日とか、通いたくない日も出てくる。

A・S:それは、スクールの大きなデメリットですね。暑さ寒さに負ける。

天野:負けちゃいますね(笑)。学習目的や目標への意欲が薄いと、どうしても足が遠のいてしまう瞬間は出てくると思います。

山本:今は、「ベルリッツ」や「Gaba」のように、レッスンごとに対面・オンラインを選べるスクールも増えてきましたね。(※Gabaでは、2020年8月よりオンラインレッスンの提供を開始)

自分に合った英会話スクール・オンライン英会話を選ぶためのポイント

山本:最後に、自分に合ったスクールやサービスを選ぶためのコツや、意識したいポイントは何かありますか?

天野:当時の自分にアドバイスをするなら、「学び始める前に、具体的な目標設定をしたほうがいいよ」ということですね。TOEICで何点を目指すとか、こういうことができるようになりたい、とか。そうすれば、「自分の目標を達成するために、1番適したサービスはどこか?」「どれくらいやればいいか?」という視点で、探せると思います。

もし、自分で目標を設定できない時は、相談すればいいと思います。スクールやオンライン英会話の無料体験レッスンで、「どういう目標を設定すればいいのかわからない」っていう相談からまずは始めて、色んな人の目標設定の仕方を聞いたりして、そこから動き出せばいいのかなと。

菊池:たしかに、スクールの中でも特に、短期集中の英語コーチングスクールだと、最初のカウンセリングで学習の目標設定をしっかり行いますよね。学習の目標と期間が決まれば、ここまでの間に、この目標を達成するためにはどんなスクールがあるかな、という感じで、探しやすくなりますね。

A・S:対面、オンラインのどちらも、きっと想像と違う部分もあると思うので、両方、体験レッスンを受けてみると良いんじゃないかなと思います。


「英会話を習うなら、スクール?それともオンライン?」をテーマに行った、今回の座談会。対面・オンライン、それぞれで感じたメリット・デメリットとともに、いずれの受講形式であっても、学習に挫折しないためには目標設定が大切という意見が出ました。

英会話スクールやサービスを検討している方は、予算や生活スタイルに加えて、英語を学ぶ目的や目標についても、改めて考えてみてはいかがでしょうか。

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