英検1級&TOEIC満点コーチに聞く、英検とTOEICで身につく英語力の違いとは?

「英検とTOEIC、受けるならどっちが良いのだろう?」と迷う英語学習者は少なくありません。一方で、社会人の方の中には「TOEICは受けたことがあるものの、英検は馴染みが薄い」と感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、英検1級とTOEIC L&R990点(満点)をともに取得されている英語コーチ・星名亜紀さんに、英検対策で身につく英語力について教えていただきました。

勉強のモチベーションを維持するコツや、星名さん自身が英検1級突破のために取り組んだ具体的な学習内容もお聞きしたので、既に英検1級合格を目指して勉強中の方も、ぜひ参考にしてみてください。

話し手:星名 亜紀氏(英語コーチ/TOEIC講師)

TOEIC L&Rテスト990点。英検1級。大学卒業後は全日本空輸株式会社で客室乗務員として勤めたのち、外資系企業にて外国人役員秘書を経験。現在は完全マンツーマンの英語コーチのほか、専門学校のエアライン科や企業研修でTOEIC講師として活動中。大学・企業研修講師の濱崎潤之輔氏とともに、オンラインサロン「濱崎TOEIC研究所」も運営。

インタビュー目次

英検1級を受験した理由

Q:英検1級を受験された理由を教えてください

私は英検1級のほかTOEIC L&Rテスト満点も取得していますが、それらの資格やスコアを取得すること自体が学習の目的だったわけではありません。私にとって、資格やスコアは、あくまで英語力を磨く上での道標的なものでした。

私はもともと英語に対して、「英語はコミュニケーションツールの1つなのだから、間違えてもいい!想いを伝えることが大事!」という考えを持っています。なので、完璧な英語を話せるようになることよりも、相手の文化や考え方を理解し、より良いコミュニケーションを取れるようになることに興味があります。

それでも、明確な目標を設定せずに漠然と英語学習を続けるのは、モチベーションのキープが難しいですよね。TOEIC L&Rテストで990点を取得後、学習のモチベーションを落とさないために、「今度は英検にも挑戦してみよう」という軽い気持ちで1級を目指し始めました。

また、英語コーチとして指導している生徒さんの中には、TOEICだけでなく英検に向けて学習されている方もいらっしゃいます。「私自身が英検のことをもっと知らなくてはいけない」という想いもありました。

Q:英検1級を目指している時は、どのようにモチベーションを維持していましたか?

私は、英語コーチとしてインスタグラムなどのSNSで発信も行っているのですが、SNSで「英検1級に挑戦します!」と宣言したことはモチベーション維持に寄与したと感じています。

正直、最初に英検1級の単語帳を開いたときは、これまでに出会ったこともないような難しい単語のオンパレードで圧倒されました。中には、日本語訳の意味すら理解できない単語もあり、国語辞書を引くこともあったほどです。

もし、一人でこっそりと勉強を始めていたら、おそらく途中で諦めていたと思います。SNSで英検1級への挑戦を宣言して、後には引けない状況に自分を追い込むことができたのは良かったと思っています。

英検とTOEIC L&Rの違いとは

Q:英検とTOEIC L&Rを比較した場合、身につく英語力の違いを教えてください

私がTOEIC990点を目標としていた時、特に課題だったのは、Part5(短文穴埋め問題)で問われる語彙語法に関して、曖昧な知識を1つずつ潰し、知識を確実なものにしていくことでした。

TOEIC L&R対策に取り組んだおかげで、例えば、以前は意味だけを覚えていた単語も、それが自動詞か他動詞かなどといった細かな部分まで意識できるようになったと感じています。

一方で、英検対策、特に英検1級の対策を通して得られるメリットは、英語力だけでなく、様々な時事問題に対する知識を身につけられることだと思います。

英検1級の試験では、様々な社会問題に対して、自分の考えを英語で述べる力が問われます。実際に私も英検1級対策の一環として、環境問題やジェンダーの問題、貧困問題等について、インターネットで調べたり動画を観たりして、試験に出るテーマの背景知識を深めました。おかげで、SDGsなど、これまで恥ずかしながらあまり知識がなかったことにも、興味を持つようになりました。

また、TOEIC L&Rで測定されるスキルはリスニングとリーディングの2つですが、英検ではライティングとスピーキングの力も問われます。(※スピーキング問題は全ての級で、ライティング問題は3級以上から出題されます。)英語を書いたり話したりする力をつけたいと考えている方に、英検対策はおすすめです。

英検1級に合格した勉強法【一次試験対策編】

Q:一次試験(リーディング・ライティング・リスニング)に向けて取り組んだ学習内容を教えてください

語彙対策(単語学習)

まずは、単語学習からスタートしました。

TOEIC L&Rテストで満点が取れていても、英検1級に出てくる単語は、まるで未知の世界のものでした。「英検1級の問題ってどんな感じだろう?」と、初めて解いてみた過去問の語彙問題では、正解できたのは25問中4問程度。長文でも、知らない単語があまりにも多く登場するため、初めは文章の意味を取ることが難しく、真っ白な霧の中にいるようでした。

そこで、単語帳『英検1級でる順パス単(以下、『パス単』)』を使って、「出る度(ど)」がAとBの英単語を覚えることにしました。

実は、英語学習のなかで私が唯一苦手なことが、単語帳を使って単語を覚えることです。でも、ここは絶対に避けては通れないと感じたので、覚悟を決めました。英検1級の語彙問題を解いたり、「CNN10」や「TED」のスピーチを聞いたりする中でも、知らない単語に出会うたびに『パス単』の索引を辞書のように使って、該当の単語が掲載されているか確認するようにしていましたね。

色々な角度から単語に触れることによって記憶への定着度がアップしましたし、「実際にニュースで使われているんだ!」と気づくことで、苦手な単語学習も継続できました。単語学習を進めていくうちに、真っ白だった霧がだんだん晴れていくかのように、明らかに長文の理解度と正答数が上がっていきました。

長文対策

長文問題に関しては、前述した単語以外でつまずいたのが、難しい構文の解釈です。

構文解釈の課題をクリアするために、1つ1つの文章をとにかく丁寧に読む学習を取り入れました。長文問題をただ沢山こなすのではなく、1日1題と決めて、その文章を徹底的に精読・音読します。知らない単語があれば『パス単』の索引で必ずチェックするようにしていましたね。

2019年の12月頃に『パス単』を使った学習をスタートして単語をインプットした後、翌年2月頃の寒い時期にこの精読を始めました。お風呂に浸かって温まりながら、テキストが濡れないようにタオルを巻いて音読をしていたものです。

最終的に、2020年5月に受けた本番の試験では、大問1の語彙問題は25問中21問正解。長文は大問2と3を合わせて、16問中13問正解できるまで成長することができました。

リスニング対策

英検対策をスタートする直前の2~3年間は、移動中の時間などを使って、TOEICリスニングセクションPart3・4のシャドーイング(※英語音声のすぐ後に続き、発音や抑揚などを真似てリピートするトレーニング)を毎日行っていました。

その甲斐あってリスニングの基盤は既にできていたようで、英検特有の単語をマスターした後には、1級のリスニング過去問を解いても、合格を狙える点数が取れるように。TOEICと英検とでは音声の題材は異なるものの、これまでTOEIC対策として行ってきたシャドーイングが英検1級対策にもつながったと感じています。

また、2020年1月頃からは、英検に特化したリスニング対策として、過去問などの教材に加え、月刊英語学習誌『CNN English Express(以下、『CNN EE』)』付属の英語音声を使ったシャドーイングも毎日の生活に取り入れました。

実は、『CNN EE』はこれまでにも何度か定期購読したことがあったのですが、続けられたことがなかったんです。内容が充実しすぎていて1ヶ月ではやり切れず、「また次号が来るまでに終わらなかった・・・」と自己嫌悪に陥ることも。

「英検1級合格のために、『CNN EE』を継続する!毎日の生活に取り入れる!」と決め、計画的に取り組むようになってからは、完璧とまではいかずともなんとか毎月こなせるようになりました。

TOEICの題材を使ってもリスニング力はアップしますが、政治・経済・社会といった幅広い分野のニュースを扱っている点において、より英検の内容に近い『CNN EE』を使ってのシャドーイングは効果的だったと感じています。


今回は、英語コーチの星名亜紀さんが英検1級にチャレンジし、一次試験対策としてどのような学習を行ったかについてお聞きしました。英検1級の受験を視野に入れている方にとって、実際に英検1級に合格した星名さんの学習法は、参考になる部分も多かったのではないでしょうか。また、「単語帳だけを使って、単語を暗記するのが苦手」という方は、ぜひ星名さんが行った語彙学習の方法を試してみてください。

次回の記事(「英語コーチに聞く、社会人が英検を受けるメリットとは?英検1級二次試験の勉強法も」)では、星名さんが英検1級の二次試験に合格するために行った対策について、お話を伺います。

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佐藤 千嘉

佐藤 千嘉

中学2年時にニュージーランドの現地校へ1年間留学。高校進学後、オーストラリアへ交換留学で再び1年間留学。高校在学中に英検1級、TOEIC965点、TOEFL iBT106点を取得。早稲田大学国際教養学部に現役合格。英会話講師やTOEICコーチの経験を経て、現在はフリーライターとして活動している。

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