英検2級のレベル・試験内容・合格点・対策法を解説【2024年度版】

1963年から60年以上にわたって開催されてきた実績があり、日本国内で特に高い知名度を持つ英検(実用英語技能検定)。

履歴書などに英語関連資格を記載するなら、英検2級以上のレベルが一つの目安になるといわれています。さらに英検は、一部の私立中高や大学の入試で優遇・加点措置を受けるための条件にもなっており、2級以上の取得が有利に働くケースが多数存在します。

この記事では、取得によってさまざまな可能性が広がる英検2級の試験内容やレベル、合格点など、受験前の準備に欠かせない情報を解説します。

目次

※この記事は、2024年6月時点の調査内容をもとに作成しています。最新情報については、英検のウェブサイト等をご確認ください。

英検2級のレベルと合格基準点

高校卒業程度の英語力が目安

英検2級の取得には、高校卒業程度の英語力が必要です。より具体的には、「社会生活に必要なレベルの英語を理解・使用できること」が目安とされています。

また、6つに分かれたレベルで言語運用能力を表す国際指標「CEFR(セファール)」に当てはめた場合、英検2級合格者の英語力はB1レベルに分類されます。

CEFR B1:自立した言語使用者

仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。

※出典:ブリティッシュ・カウンシル|CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)

入試での活用や履歴書への記載など、英検2級合格後の資格の使い道は多岐にわたります。

英検2級の合格基準スコア

英検を受けた後、受験者は該当級に対する合格・不合格の判定に加え、英検CSEスコアとよばれる点数での評価を受け取ります。

英検CSEスコアとは、7つの級に分かれた英検の評価システム全体で使われる0~4000点までの評価指標で、級ごとに合格基準点と満点が決まっています。英検2級の合格点は、下記の通りです。

【英検2級の合格に必要なCSEスコア】

  • 一次試験(リーディング・リスニング・ライティング):1520点
  • 二次試験(スピーキング):460点
  • 4技能合計:1980点/2600点満点中

英検CSEスコアは、より広い視野で捉えた自らの英語力の現在地や、次に取得を目指す級との距離感を把握するために使える便利な指標です。

たとえば、仮に2級受験時に準1級の合格点を上回るCSEスコアを取得できていれば、次の準1級試験でも合格を狙えるほどのしっかりとした実力がついていると考えられます。

級がレベルアップするごとに試験の難易度も上がるため、単純比較できない部分もありますが、CSEスコアは英検全体の評価システムにおける自分の英語力の立ち位置をつかむ際に役立ちます。

英検2級の試験内容

一次試験の出題内容

英検2級の一次試験では、リーディング・ライティング(85分)、リスニング(約25分)の3科目が行われ、試験時間は合計でおよそ110分です。

測定技能 課題と問題数
リーディング ・短文の空所補充(17問)
・長文の空所補充(6問)
・長文の内容一致選択(8問)
ライティング ・英文要約(1問)
・指定のトピックに関する意見の英作文(1問)
リスニング ・会話の内容一致選択(15問)
・物語文、説明文などの内容一致選択(15問)

2024年度の試験内容リニューアルでの変更点

英検では、2024年度第1回検定(コンピューター版の英検S-CBTは2024年5月実施分)より、試験内容が一部リニューアルされました。

英検2級では、リーディングセクションの問題数を38問から31問に削減。その一方で、ライティングセクションに要約形式の英作文が1題プラスされ、出題タスクが合計2題となりました。

なお、リーディング・ライティングの試験時間は、従来通りの85分のまま変更されていません。

二次試験の出題内容

英検2級の一次試験を通過した受験者は、スピーキング力を試す面接形式の二次試験へと進みます。二次試験では、面接官と1対1で対話を行う形式で、所要時間は約7分です。

測定技能 課題と問題数
スピーキング ・60語程度のパッセージの音読(1問)
・音読したパッセージの内容に関する質問への応答(1問)
・イラストの展開(3コマ)の説明(1問)
・カードのトピックに関連した、受験者自身の意見を答える問題(1問)
・受験者自身や日常生活の身近な事柄についての質問への応答(1問)

英検S-CBT(コンピューター版)の試験時間

英検2級は、従来型の筆記形式試験に加え、コンピューター版である英検S-CBTの対象級となっています。英検S-CBTは、4技能の試験すべてが一日で完了するほか、試験日程の選択肢が多い分、スケジュールを合わせて受験しやすいなどのメリットがあります。

英検S-CBTで2級を受ける際の流れと試験時間は下記の通りです。

英検S-CBTの試験時間(2級)

  1. スピーキング:15分
  2. リスニング:25分
  3. ライティング・リーディング:85分
  4. 4技能合計:125分

英検2級対策のコツ・合格のための勉強方法

リーディング対策

英検2級のリーディングセクションでは、準2級と比べて長文問題の出題が増え、スピーディーかつ正確に英文を読みこなすことが求められます。

【英検2級と準2級の長文問題数比較】

問題種別 2級 準2級
長文の空所補充 6問 2問
長文の内容一致選択 8問 7問
長文問題合計 14問 9問

リーディング問題を解く際のスピードに大きな影響を与える要素の一つが、語彙に関する知識です。知らない単語が多いほど、長文を読んでいる途中でつまずいてしまったり、文脈から意味を推測しようとしたりして余分な時間がかかりがちです。

英検対策に特化した市販の単語帳の中には、過去に試験で出題された単語・語句を分析し、優先度の高い順番に語彙を掲載しているものなどもあるので、効率良く重要単語を押さえるために上手く活用するとよいでしょう。

また、英文一語一語を頭の中で訳していくのではなく、複数語の意味のかたまり(チャンク)ごとに意味を取れるようになるとリーディングのスピードアップにつながります。学習に取り組む際は、内容を読み進めながら意味を成す数語ごとに英文にスラッシュを書き入れるなどして、瞬時に意味を取れるチャンクを徐々に大きくしていく練習をするのがおすすめです。

リスニング対策

英検2級では、すべてのリスニング音声が一度のみ流れます。2級のリスニングセクションは、会話と文の内容一致選択問題がそれぞれ15問ずつで構成されています。
 
問題音声1題あたりの発話量が増える中で使えるのが、解答の選択肢の先読みです。

たとえば、選択肢の文がすべて“He”から始まっている場合、複数人の会話でも男性の話者に関わる事柄を問われると予想できます。ほかにも、“To make…”、“To buy…”などの選択肢が並んでいるのであれば、会話中の何らかの行動に対する理由・目的を聞き取ることが正答を見出す鍵となるでしょう。

特に2級以上の受験級では、聞き取った内容を取捨選択し、必要な情報から効率良く解答を導く出すスキルがより一層シビアに求められます。選択肢の先読みによって「どんな点に注意しながら耳を傾けるべきか」を考える癖をつけておくと、情報量の多いインプットを処理する際に役立つはずです。

ライティング対策

英検2級のライティングセクションでは、二つのタスクが出題されます。

  1. 英文を読んだ上で内容を要約(目安:45~55語)
  2. 特定のトピックに関する自らの意見の論述(目安:80~100語)

いずれのタスクでも、「要約文が元の英文の内容とずれている」「指定されたトピックに対する意見論述になっていない」と判断された場合は、0点となるケースがあります。文法や語彙を正しく使うことに加え、自分が書いた意見に矛盾がないかなど、内容面でも注意が必要です。

意見の論述問題で特に気を付けたいのは、はじめに示した自らの主張と一貫した内容が書けているかという点です。

たとえば、「電気自動車の活用を促進すべきか?」というトピックに対し、「Yes(活用を促進すべき)」の立場で意見を書くとします。本来は「活用を促進すべき理由」を示さなければならないにもかかわらず、“However, using an electric vehicle has disadvantages, such as…”などと反対のスタンスからの意見も含めてしまうと、主張が矛盾していると判断される可能性があります。

トピックに関連することを思いつくままに書いていこうとすると、このような主張の矛盾に陥りがちです。まずは下記の構成を参考に書きたい内容を整理し、一貫した主張となっているかを確認してから解答を書き始めるのがおすすめです。

  1. 意見・主張
  2. 理由1
  3. 理由2
  4. 結論

スピーキング対策

英検2級の二次試験では、面接形式のスピーキングテストが行われます(※)。

2級の場合、一文で解答するだけでなく、イラストを見て複数の人物の行動を描写する問題もあるため、3級のスピーキングテストと比べて必然的に発話量が増えます。

英語を話すことに慣れるには、独り言をつぶやくように普段から身の回りの状況を英語で説明してみる練習方法が有効です。また、自分の発話を録音した上で、適切な語彙と文法が使えているかを確認したり、他の言い方ができないかを改めて考えたりすることで、正確性と応用力が着実に身についていきます。

試験本番と同様の流れを再現し、緊張感のある環境でスピーキング練習をしたいのであれば、英検の二次面接対策に対応したオンライン英会話サービスなども適宜活用しましょう。

※英検S-CBT(コンピューター版)のスピーキングテストは、ヘッドセットを着用してマイクに解答を吹き込む録音式です。

まとめ

今回は、英検2級の受験時に役立つ、各科目の試験内容や対策方法を紹介しました。

英検2級の取得は、入試の英語科目で優遇措置を受けるための条件として設定されているケースも多く見受けられます。さまざまな可能性を開く2級の合格を目標に、試験対策を通じてさらなる英語力アップを目指しましょう。

【参照サイト】公益財団法人 日本英語検定協会|英検(実用英語技能検定)
【参照サイト】公益財団法人 日本英語検定協会|英検S-CBT

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