「海外で活躍する日本人が語る、おすすめ英語学習法」
English Hub編集部オリジナルインタビュー企画「海外で活躍する日本人が語る、おすすめ英語学習法」は、英語を使って海外で活躍している日本人ビジネスマン・ビジネスウーマンの方から、これまでのリアルな体験に基づいておすすめの英語学習法やビジネスの現場で英語を使う際のポイントを教えてもらうコーナーです。プロの英語講師でもネイティブでもなく、皆さんと同じ日本人英語学習者の立場としてどのように英語と向き合い、乗り越えてきたのかを等身大の姿で語ってもらうことで、必ず今後の勉強に役立つヒントが見つかるはずです。ぜひインタビュー内容を参考にしながら英語学習のコツを掴みましょう。
今回のゲスト:尾形 絵美さん
第7回目となる今回は、現在ドイツのベルリンに在住で、現地の会社でアナリストとして活躍されている尾形さんにお話を伺いました。
名前 | 尾形 絵美さん |
職業 | アナリスト |
居住地 | ドイツ・ベルリン |
主な学習法 | 本、ネット記事、映画、youtube |
インタビュー
Q:現在の職業と仕事内容について教えてください。
現在はドイツ企業で、アナリストとして働いています。コンサルタント会社のアウトソーシングで、主に私はエキスパートのリクルート・ヘッドハンティングをしています。マーケティングやプライシングについてコンサルできる人をクライアントに紹介する仕事です。
Q:いつから本格的に英語を学び始めましたか?
真剣に取り組んだのは23歳以降です。ただ、それ以前は話せなかったかと言えばそうではなく、その頃までは「楽しむ」という感覚を大事にし、映画や音楽などで単語や言い回しを覚え、友達にメールを書いたり、会話をしたりしていました。23歳くらいの時に、その方法で英語力を伸ばすことに限界を感じ、本やTOEICなどで「勉強」をするようになりました。
Q:ある程度英語を使えるようになったと実感するまでにどのくらい期間がかかりましたか?または、どんなときにそう感じましたか?
「英語が使えるようになった」と感じたのは、友達と1日中英語で会話して、疲れなくなった時ですね。外国で生活して、数か月間でこのレベルには到達できたと思います。また、英語での生活がメインになってから1年ほどが経った頃、苦手だった電話での会話が苦痛ではなくなり、きちんと説明できるようになった時に生活に困らないなと感じました。
Q:英語を使えるようになっていったプロセス(どのように学んだか)を教えてください。
中学・高校で英語の基礎的な知識は身に着けていましたが、その時点で会話力はまったくついていませんでした。大学時代の長期休暇の度に海外へ出かけ、そこでできた友達と話したり、メールを書くことで語彙力や会話力は伸びたと感じます。
Q:英語をマスターする上で一番必要だと思うことは何ですか?
やはり「続けること」。例えば1日だけ猛勉強したとしても語学はけっして上達しません。ですが、語学はやった分、絶対に結果が出る分野ですので、いやになってやめてしまうよりは、短時間でもよいのでこつこつと継続してやり続けることが大切だと思います。
そのためには、楽しみながらやることも大事です。私は映画が好きだったので、会話はほとんど映画から学びましたが、同じ映画を何度も何度も見ていました。一度目は日本語で、二度目は英語で字幕をつけて、わからない言い回しや単語をメモしながら、そして3度目は復習として見ていました。
Q:海外で仕事を探している時に、どうやって求人を探していましたか?また、今の仕事はどうやって見つけましたか?
今の仕事は、Indeedというウェブサイトで見つけました。各国にサイトがありますので、勤務したい場所、キーワードで探します。
Q:海外で仕事を得る際に、努力したことや準備したことを教えてください。
履歴書の書き方は国によって異なるので、まずその国の履歴書の傾向をつかむのが大事なことだと思います。私の場合、履歴書は英語で書いていますが、ドイツ企業に応募する場合の履歴書は、「タイムライン風に、とにかくシンプルに、一目でポイントがつかめるように」工夫しました。
また、面接前はとにかくリサーチをしまくります。会社の事業内容、どうやって競合利益を得ているか、課題、競合相手などリサーチし、質問とともにノートに書き込みます。それを見ながら面接をすることで、緊張していても聞きたいことが聞けるし、やる気のアピールにもなります。
Q:仕事の現場で英語を使うとき、どんなことを心がけていますか?
とにかく、要点をわかりやすく説明することを心がけています。日本人同士だと察する力が非常に高いので、ニュアンスで伝わりますが、ドイツだと伝わらないことが多いので。
Q:英語を使えるようになって一番よかったことは何ですか?
やはり世界中の人と話せること!異なる文化やバックグラウンドを持った人のそれぞれのストーリーが聞けることが、本当に幸せだなと感じます。
Q:異なる国の人々と接する際に、日本人とはここが違うなと思う点を教えてください。
「理解してもらえるまで説明すること」「納得するまで議論すること」。バックグラウンドや文化が違う人々の集まりの中では説明せずに理解してもらえることなんて皆無です。「わかってもらえない」とあきらめると、彼らに理解してもらえる日は永久にやってきません。理解してもらいたかったらきちんと説明すること。理解したかったら、質問し、議論することです。これは日本人とは違うなと感じるポイントですし、日本人が弱いポイントかもしれません。
Q:英語力を維持・向上し続けるために心がけていることはありますか?
毎日の課題にはしていませんが、気が向いた時に英語で本を読んでいます。
Q:今までで一番効果的だと思った学習方法を教えてください。
スピーキングについて
趣味の合う友達と話すこと。趣味の合わない人とは同じ会話を繰り返すだけになるので、あまり言語は上達しない気がします。
ライティングについて
英語があまりできない時期は辞書を見ながら日記を書いていました。でもある程度英語ができるようになると、知っている単語のみで日記を書く癖がついてしまい、単語力がまったく伸びないので、日記を日本語で書き、それを忠実に英語で翻訳するというややこしいことをしていました(笑)。表現にこだわるし単語も調べて書くので、よい勉強になります!
リスニングについて
映画とYoutubeが使えます。初心者のうちは字幕付きで映画を見る。また好きなアーティストなどのインタビューを聞くのがおすすめです。好きな人がどんなことを話しているのかわかるようになりたい!というのは、大きなモチベーションになりますし、いつまでも聞いていられるからです(笑)。
リーディングについて
本だとモチベーションが続かないので、ネットの記事などがよいと思います。1ページくらいの分量なので、モチベーションが低くなる前に読み終えられます。またスピーキングをする際のネタとしてもよいのではないかと思います。
発音について
これもyoutubeや映画などで、ネイティブの発音を聞いて真似をしていました。ただ、私はスペリングがわからないと発音ができないので、正しいスペリングを学ぶことは正しい発音につながるのかなとも思います。
Q:最後に英語学習中の読者に向けてのアドバイスを一言お願いします。
実は、私ももう一度英語を勉強したいと思っているところなので、あまり偉そうなことは言えませんが、どのレベルになりたいかはビジョンを持っていたほうがいいのかなとは思います。それにより勉強方法も異なると思います。
ただ、日常生活レベルができるようになればいい。と目標を低く設定すると、結局日常生活レベルすらままならない英語力に落ち着いてしまう可能性が大ですので、一段階上級レベルを目指すと、ちょうどよい具合に自分が望むところに着地できるのではないかと思います。
インタビュー後記
今回は、ドイツでアナリストとして活躍中の尾形さんへのインタビューでした。
尾形さんがお話してくださった英語学習のポイントのなかでも、とてもユニークな学習法として効果的だなと感じたのは、「日記を日本語で書き、それを忠実に英語で翻訳する」というライティングの学習法でした。
英文で日記やエッセイを書きましょう!という学習法は、基本中の基本です。しかし、指導者がそばにいない独学の場合、ある程度英語が使えるようになると、その後の発展が望めないのがネックです。
また、「母国語での言葉の表現力をもってそれをどれだけ英語で言い換えることができるのか」というトレーニングは、ライティング効果はもちろんのことスピーキングにも役立つ学習法なのではと思いました。
そしてもうひとつとても良いポイントだなと感じたのは、リーディングの学習法でお話されていた「インターネットの記事を読む」という学習法です。「モチベーションが低くなる前に読み終えるのがポイント、そして会話のネタにもなる」ということでしたが、これはまさにその通りです。私もその昔、洋書本を張り切って買い、途中でギブアップしてしまったという経験を持っています。
英語に慣れるまでは、リーディングの勉強は苦痛なことかもしれません。しかし、興味のあることや知りたいことの情報収集をメインに英語の記事を読むことは、継続するうえでとても有効的なのではと感じました。
ドイツで活躍されている尾形さんからは、英語学習のヒントとなるアドバイスをたくさんいただきました。ご協力どうもありがとうございました!
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