国際教育事業のリーディングカンパニーであるイー・エフ・エデュケーション・ファースト(※)が、2019年版「EF EPI 英語能力指数」を11月8日に発表しました。EF EPI英語能力指数は、2011年より毎年発表されている英語能力ランキング。指数の基盤となるのは、EFがオンラインで無料提供している英語テスト「EFSET」の結果です。2019年度には、世界100ヶ国・地域の230万人がEFSETを受験しました。
今回日本は、一昨年の37位、昨年の49位からさらに順位を下げ、100ヶ国中53位という結果に。各国・地域の英語能力レベルは「非常に高い」から「非常に低い」までの5段階に分類されていますが、日本の英語力は下から2番目にあたる「低い」となっています。
1965年にスウェーデンで設立され、現在、世界各地に500を超える事業拠点と50校の直営語学学校を擁する国際教育事業のリーディングカンパニー。留学プログラムなど、多数の教育プログラムをグローバルに展開。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のオフィシャルパートナー(語学トレーニング)。
2019年版「EF EPI 英語能力指数」結果について
国・地域別ランキング
ランキングのトップに立ったのは、オランダ。2位~4位は、スウェーデン、ノルウェー、デンマークと北欧諸国が続き、5位にはシンガポールがランクインしました。1位から14位のクロアチアまでの国々が、「非常に高い」英語力を有していると評されています。EFSETの基準が定める「非常に高い」英語力とは、具体的には「ネイティブスピーカーと英語で交渉ができる」といったレベルの英語力を示しています。
アジア地域での順位をみてみると、トップのシンガポールに続くのは、20位のフィリピン、27位のマレーシア。英語レベルはともに「高い」と評されています。「高い」英語力とは、「仕事で英語プレゼンテーションを行うことができる」といったレベルを示しているため、相当のレベルであることが分かります。一方、日本が分類されている「低い」英語力とは、「同僚とスモールトークができる」といった程度と規定されています。
日本の近隣諸国では、33位が香港、37位・韓国、38位・台湾、40位・中国と、いずれも日本の順位を上回る結果となっています。特に中国の台頭はめざましく、学校教育システムの改革や、教師のレベル向上を目指した取り組みなどが成果として表れていると、イー・エフ・コーポレートソリューションズ・アカデミックアフェア・エグゼクティブVPのクリストファー・マコーミック氏は述べています。
日本の英語力における課題
マコーミック氏は、年齢別の英語力を示したグラフ結果から、日本が抱える2つの課題を指摘します。
1つ目は、他国では「18歳から20歳」「21歳から25歳」「26歳から30歳」と年齢が上がるにつれ、英語力も伸びる傾向があるのに対し、日本では上昇がほとんど見られないということです。仕事で実際に英語を使う機会の差が、両者間の違いを生んでいるとマコーミック氏は分析します。
また、2つ目の課題は、日本では「31歳から40歳」での英語力の落ち込みが、他国に比べて顕著であるということです。マコーミック氏は、低い英語力は様々な機会損失につながるものだと警鐘を鳴らします。
英語力を磨き、国際社会での活躍の場を広げよう
2011年の調査開始以来、日本は9年連続で順位を下げるという結果になりました。参加国・地域が年々増え続け、順位の母数が増えているということも一因としてありますが、それを考慮しても、決して悠長には構えていられない状況であることが分かります。
マコーミック氏は、日本と他国のビジネスパーソンの英語力を比較し、「同僚とスモールトークができるレベルに甘んじていてもよいのか、それとも交渉ができる英語力を目指すべきなのか」と問いかけます。
今はまだ仕事で英語を使う機会は少ないという人も、グローバル化がますます進む中、今後訪れるであろうチャンスを無駄にしないためには、英語力を高める努力を怠らないことが大切だと言えます。
【参照サイト】EF EPI 2019 – EF 英語能力指数
English Hub 編集部
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