はじめてTOEFL iBTを受ける人におすすめの学習法4選

TOEFLは、アメリカの非営利団体であるETS(Educational Testing Service)が開発した試験です。リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4セクションで構成されており、総合的な英語の運用能力が試されます。

海外大学・大学院の多くが、留学生の受け入れ時に英語力の証明としてTOEFLのスコアを基準にしているほか、近年では日本の入試でも活用が広がっています。

特にTOEFLを初めて受験する際は、どんな試験対策をすべきか頭を悩ませてしまう方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、TOEFL初心者の方に向けておすすめの勉強法を紹介します。

はじめてのTOEFL受験時におすすめの勉強法

1. 公式問題集を解く

ETSから「The Official Guide to the TOEFL Test」という公式問題集が出ています。試験を作っているETSが出版していることもあり、この公式本は実際の試験にかなり近い内容となっています。TOEFl iBTを受けたことがない人は、試験でどんな問題が出てくるのかを知るために、まずは一度公式問題集を解いてみることをおすすめします。

なお、問題を解く際には本番と同じように時間を計り、自身の苦手なセクションや課題を把握するようにしましょう。ライティングのトピックもたくさん掲載されていますので、初めの一冊として持っておいて損はありません。

2. スピーキングとライティングのテンプレートを習得する

英語の4技能の中でも、日本人学習者が苦手意識を抱きやすいといわれているのはスピーキングセクションです。しかし、TOEFLのスピーキングセクションで出される問題は、ライティングセクションで問われる問題と類似しています。

そのため、解答時間の長さは異なるものの、スピーキングセクションはライティングセクションの口頭バージョンと考えることができ、ライティングとほぼ同じ要領で対策に取り組むことができます。

スピーキングとライティングの両セクションに共通して行える準備が、それぞれのテンプレートを持っておくということです。使うと決めているテンプレートを持っていることで、迷いなく書きはじめたり、自信を持って発話を始めたりすることができます。基本の枠組みや使う単語が少なからず決まっていると、スムーズに進みますし、文の内容を濃くすることに集中することができます。

普段の英会話などでテンプレートを使用することについては様々な意見がありますが、TOEFLのような試験でスコアを獲得したい場合、やみくもに書いたり話したりするのではなく、テンプレートに沿ったシンプルな構成を守り、採点者にとって読みやすくクリアな文を作ることが賢明な策となります。普段の学習からスピーキングやライティングの問題では作ったテンプレートを使って回答するトレーニングを行っておくとよいでしょう。

3. TOEFL iBTに必要な語彙を身につける

TOEFLに限ったことではありませんが、まずは単語を学習することが大事です。TOEFL iBTでは英検準1級レベルの単語がほぼ基礎レベルの単語として求められます。

TOEICがビジネスに関する内容が中心となっているのに対し、TOEFL iBTは留学生が留学先で授業を英語で受けることを想定して作られたアカデミックな内容となっています。そのため、人類学、考古学、美術史、アメリカ史、言語学、地質学などの授業で使われる単語が大量に使われます。マニアックな単語まで全てを網羅する必要がありませんが、頻出度別に分けられている単語帳などを使用して、頻出度の高い単語はしっかりと身につけておく必要があります。

4. コンピューター上での英文の読み書きに慣れる

皆さんはコンピューターを使って行う試験に挑戦したことがあるでしょうか?TOEFL iBTでは、スピーキングも含め、すべての科目をコンピューター上で受験します。

ペーパーベースのテキストに書いてある長文はスラスラと読めても、コンピューターの画面上の英文となると、視線や文面との距離感などの条件がいつもと違い、読むスピードが普段より遅くなってしまう人も少なくありません。ただでさえ初めてのTOEFL受験で緊張しているなかで、そのような慣れない条件下で問題を解かなければいけないとなると、実力が十分に発揮しきれない可能性が少なからずあります。

また、TOEFL iBTでは、ライティングの際にもキーボードで英文をタイピングしなければなりません。普段から英文でのタイピングに慣れていない人は、想定以上に時間がかかる可能性もあるので注意が必要です。

TOEFLの学習をする際、特にリーディング、ライティングの学習をする時は、なるべくコンピューター上で行うようにし、本番で普段と違う環境に戸惑わないよう慣れておきましょう。最初にご紹介した公式本にはCD-ROMが付属しており、コンピューター上で本番に近い形で問題を解くことができるため、積極的に活用するのがおすすめです。

まとめ

いかがでしたか?今回はTOEFL iBTを初めて受ける人におすすめの学習法を4つご紹介しました。上記で挙げているものは、今まで一度もTOEFL iBTを受けたことのない場合に必要最低限行っておくとよいものです。TOEFL iBTは難易度の高い試験ですので、高いスコアを取るためにはたくさんの学習が必要です。試験までにあまり時間がない方や、初めての受験で不安な方は、ぜひ参考にしてみてください!

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佐藤 千嘉

中学2年時にニュージーランドの現地校へ1年間留学。高校進学後、オーストラリアへ交換留学で再び1年間留学。高校在学中に英検1級、TOEIC965点、TOEFL iBT106点を取得。早稲田大学国際教養学部に現役合格。英会話講師やTOEICコーチの経験を経て、現在はフリーライターとして活動している。