グローバリゼーションが進み、日本でも、英語を母国語としない他のアジア諸国でも、世界で通じる言語としての英語を学ぶ重要性が唱えられるようになりました。そんな中、中国語を公用語とする台湾の立法院において、William Lai行政院長が英語の第二公用語化推進のための調査および委員会の設置について言及したと各紙が報じています。
ASEAN、南アジア、ニュージーランド、オーストラリアなどの対象国との関係を深める「新南向政策」を進める台湾では、国民の英語力を向上させる方策に関心が集まっています。小学校での英語教育は2001年に必修化され、2002年に取りまとめられた国家発展計画には、交通標識やウェブサイトにおける英語併記、公務員の英語力の向上、英語と国際文化学習の推進などの目標が掲げられています。
では、台湾国民の現状の英語力はどの程度の水準なのでしょうか。非営利テスト開発機関ETS(Educational Testing Service)がTOEIC受験者について発表した「2016 Report on Test Takers Worldwide: The TOEIC® Listening and Reading Test」によれば、母国別受験者の平均スコアは台湾が534点で、日本の516点を若干上回っています。
実は台湾メディアでは、第二公用語化が実現した場合に発生する実務や費用の負担を推し量り、施策の是非を疑問視する声も上がっています。日本で楽天が英語の社内公用語化を公表した折、国際化するビジネスに必須であるとする肯定派や、業務の効率性を損なうとする慎重派がネット上で意見し、多くの論議を呼んだことを想い起こさせます。
英語力の向上とそのための対策というテーマに、日本でも台湾でも多くの人が関心を寄せていることは確かです。共通の課題を持つ英語非ネイティブ国の国民として、今後の台湾政府の取り組みとその成果に学ぶことは多そうです。
【参照ページ】Education Ministry should consider English as second official language: Taiwan Premier | Taiwan News
【参照ページ】MOE to promote English as official language: Lai – Taipei Times
【参照ページ】台湾における小学校英語教育の現状と課題
【参照ページ】2016 Report on Test Takers Worldwide: The TOEIC® Listening and Reading Test
English Hub 編集部
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