2015年9月、国連サミットで採択された「SDGs」。2030年までに持続可能でよりよい世界を実現することを目標に掲げ、17のゴールで構成されています。国連は「国際的なパートナーシップと協調無くしてSDGsの実現は不可能」と明言しており、そのためには国を超えたコミュニケーションと情報共有が不可欠です。このことからも、国連の公用語の1つであり、世界に10億人以上の話者を抱える英語を学ぶことは、SDGsを推進する上で大いに役立つといえます。
そこで、English Hubは日本国内のソーシャルグッドな取り組みを英語で世界発信するメディア「Zenbird」とのコラボレーション企画「SDGs Compendium(コンペンディアム)-英語xSDGs」を始動。「Compendium」とは「包括的解説、概要、大要」を意味し、SDGsにまつわる重要なトピックについて、英語で分かりやすく解説する動画コンテンツをお届けします。
ナビゲーターはZenbird編集長のロジャー。シンガポール出身の日英中トリリンガルで、自らを「地球市民」と称し、日本のソーシャルグッドな活動を世界に伝えるべく、全国を旅しながら地域の人や取り組みの取材を続ける、SDGsのエキスパートです。SDGsで英語を学び、英語で社会課題について理解を深め、議論する力を身に付けませんか?
目次
エピソード4「Carbon Footprint(カーボンフットプリント)」
エピソード3「 Global Warming(地球温暖化)」に続き、エピソード4のトピックは「Carbon Footprint(カーボンフットプリント)」です。
Carbon Footprint(カーボンフットプリント)とは
商品やサービスの原材料調達から製造、輸送、消費後の廃棄、リサイクルに至るまでのライフサイクル全体で排出された温室効果ガスをCO2排出量に換算して「見える化」し、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組みのことである。この数値が大きければ大きいほど、環境への負担が大きいということになる。
【参照元】カーボンフットプリントとは?(IDEAS FOR GOOD)
SDGsトリビアクイズ「True or False?」
本題に入る前に、Carbon Footprintに関係する、クイズに挑戦してみてください。次の説明を読んで、真実かそうでないかを当ててみましょう。
- In the US, a jewelry company makes diamonds out of carbon in the air.(アメリカには空気中の炭素からダイヤモンドを作っているジュエリー会社がある)
答えは本記事末尾にて!
Carbon Footprint(カーボンフットプリント)への理解が深まる3つの動画を公開!
今回のCompendium では、以下の3つの問いに答える形で動画を公開し、Carbon Footprintの定義やその重要性のみならず、私たちの生活にどう関わってくるのかまで説明されており、理解が深まる内容になっています。
- What is the importance of a carbon footprint?(カーボンフットプリントの重要性とは何か?)
- How bad are CO2 emissions produced by airplanes?(飛行機によって排出されるCO2にはどれほど環境負荷があるのか?)
- How can cities move forward with decarbonization?(どうすれば都市は脱炭素化へと進むことができるのか?)
本記事では「How can cities move forward with decarbonization?」をピックアップ。まずは以下の動画をご覧ください。
SDGsについて英語で話す時に役立つボキャブラリー&フレーズ
Pick Up!① お役立ちボキャブラリー
今回の動画内で使用されている、SDGsボキャブラリーをピックアップしました。気候変動などの環境問題について語られる際、出てくる可能性が高い言葉です。この機会に覚えて、今後の理解に役立ててください。
- decarbonization(脱炭素化)
- stakeholder(出資者、利害関係者)
- subsidy(補助金、助成金)
- measure(対策、基準)
- installation(設置、導入)
- enterprise(企業、会社)
- deployment(配置、展開)
- idle(仕事をしていない、動いていない)
- lot(土地、敷地)
Pick Up!② お役立ちフレーズ:energy generation
“energy generation”
ロジャーは浜松市(静岡県)について、以下のように話しています。
この“energy generation”は「エネルギー生成、エネルギー発電」を意味します。solar energy generation(太陽エネルギー発電)の他にも、renewable energy generation(再生可能エネルギー発電)など、エネルギーや環境の分野でよく使われます。
Switching to renewable energy generation is necessary for actualizing decarbonization.(脱炭素化を実現するためには再生可能エネルギー発電への切り替えが必要です。)
Zenbirdの記事で復習してみよう!
本動画の内容はZenbirdの記事がベースになっています。今回、学んだ内容を復習する教材として最適なので、是非とも目を通してみてください。
- How can cities move forward with decarbonization?
都市が脱炭素化へと進むためには、数多くのステークホルダーたちを巻き込む必要があります。静岡県浜松市は、太陽光などの再生可能エネルギー使用の手本を示しています。1年間に2,460時間以上もの日照時間に恵まれた同市は、日本で晴れの日が最も多い都市の1つです。2014年、同市はソーラーパネルを市民のために設置するだけでなく、企業によるソーラーパネルへの投資を増やし、その設置を促進するために、数多くの助成金と対策に着手しました。その結果、浜松市は未使用の土地と学校の屋上を活用した、大規模なソーラーパネルの設置に成功しました。
日本のソーシャルグッドを世界に伝える「Zenbird」とは?
Zenbirdは、日本中のソーシャルグッドなアイデアや取り組みを英語で配信しているウェブマガジンです。社会課題の解決に挑むスタートアップやNPOの事業、地方創生のユニークな取り組み、日本文化に根付いているサステナブルなライフスタイルの知恵などを海外に発信しています。
Zenbirdの「Zen」は「善」(社会にとってよいこと)を意味しています。日本中の「善」が、「Bird」(鳥)のように世界へと羽ばたき、世界中の人々が日本の魅力を発見するきっかけを作りたい。Zenbirdという名前には、そんな想いが込められています。
まとめ:ソーラーパネルが抱える課題とは?
日本では、2012年から再生可能エネルギーの固定買取価格制度が開始されました。これは再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間、買い取ることを国が約束する制度で、ソーラーパネル(太陽光パネル)が大量に導入されました。しかし、ソーラーパネルは製品寿命が約25〜30年と言われており、2040年には大量の廃棄物の処理が課題となります。廃棄されたパネルの一部にはセレンやヒ素、鉛など微量の有害物質が含まれていることがあるため、リサイクルが困難です。その根本的な原因は、廃棄後の処理方法まで考慮して設計されていなかったことにあります。今後はソーラーパネルの設計・製造段階から使い終わった後のリサイクルなどを視野に入れ、リサイクル業者なども巻き込みながらの改善が求められています。
SDGsトリビアクイズの答え
【答え】True
アメリカのジュエリー会社、Aetherは空気中の炭素からダイヤモンドを作る取り組みを行っています。ダイヤモンドの産出量は2040年までに現在の半分ほどにまで減少すると言われている一方で、その需要は衰えておらず、AetherのCEOであるRyan Shearman氏は従来の製法で生産を続けることに警鐘を鳴らしています。空気中の炭素からダイヤモンドを作ることで、脱炭素に貢献するだけでなく、従来のダイヤモンドの生産が抱えていた化石燃料の使用や労働者搾取、森林破壊、水質汚染といったさまざまな問題の解決が期待できます。
【参照元】宝石も脱炭素化。「空気」生まれのダイヤモンド(IDEAS FOR GOOD)
【参照元】Aether – Diamonds Made from Air
【関連ページ】【英語学習xSDGs】Carbon Footprint(カーボンフットプリント)の重要性とは?)
【関連ページ】SDGsを英語で学ぶ「SDGs Compendium-英語xSDGs」がスタート!【Zenbird x English Hub】
【関連ページ】SDGs Compendium-英語xSDGs
【参照サイト】ソーラーパネルの廃棄・リサイクル問題(IDEAS FOR GOOD)
English Hub 編集部
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