日本点字図書館は、1940年に全盲の本間一夫氏によって創立された、民間の福祉施設です。日本点字図書館では、点字図書や録音図書、録音雑誌等を自ら制作。全国および海外の視覚障害者の方へ郵送し、無料で貸し出しを行っています。
今回は、そんな日本点字図書館で人気の海外ミステリー作品を伺いました!
※視覚障害者の方が利用する図書の形態には点字図書と録音図書があり、図書データはインターネット上の図書館からダウンロードもできます。本ランキングは録音図書を対象としたもので、2023年度の貸し出し回数に基づきます。
日本点字図書館で人気の海外ミステリー作品10選
- 真夜中の密室/ジェフリー・ディーヴァー著 池田真紀子訳
- 貧乏お嬢さまの困った招待状(英国王妃の事件ファイル 15)/リース・ボウエン著 田辺千幸訳
- アガサ・レーズンと毒入りジャム(英国ちいさな村の謎 19)/M.C.ビートン著 羽田詩津子訳
- 天使と嘘 (上・下)/マイケル・ロボサム著 越前敏弥訳
- 天使の傷(上・下)/マイケル・ロボサム著 越前敏弥訳
- 娘を呑んだ道/スティーナ・ジャクソン著 田口俊樹訳
- ギャンブラーが多すぎる /ドナルド・E.ウェストレイク著 木村二郎訳
- マーロー 殺人クラブ/ロバート・ソログッド著 髙山祥子訳
- 木曜殺人クラブ 二度死んだ男/リチャード・オスマン著 羽田詩津子訳
- キュレーターの殺人/M.W.クレイヴン著 東野さやか訳
真夜中の密室/ジェフリー・ディーヴァー著 池田真紀子訳
映画化もされた『ボーン・コレクター(The Bone Collector)』に始まる、名探偵リンカーン・ライム シリーズの第15作。
自らを「The Locksmith(解鍵師)」と名乗り、真夜中に鍵のかかった部屋に侵入するも、新聞紙にメッセージだけを残して去る犯人の目的とは?現代のニューヨークを舞台に繰り広げられる、怪人と探偵の頭脳戦。
- 書籍名:真夜中の密室
- 著者 :ジェフリー・ディーヴァー
- 訳者 :池田真紀子
- 出版社:文藝春秋
貧乏お嬢さまの困った招待状(英国王妃の事件ファイル 15)/リース・ボウエン著 田辺千幸訳
1930年代のイギリスを舞台とした歴史ミステリー「英国王妃の事件ファイル(THE ROYAL SPYNESS)」シリーズの第15作です。タイトル中の「貧乏お嬢さま」こと主人公のレディ・ジョージアナ(ジョージー)は、王位継承権者であるものの、その順位は34番目。シリーズ1作目では、身分を隠して仕事もしています。本作では、クリスマスの準備に奔走するジョージーのもとに1通の招待状が届き、事件へと発展していきます。
- 書籍名:貧乏お嬢さまの困った招待状(英国王妃の事件ファイル 15)
- 著者 :リース・ボウエン
- 訳者 :田辺千幸
- 出版社:原書房
アガサ・レーズンと毒入りジャム(英国ちいさな村の謎 19)/M.C.ビートン著 羽田詩津子訳
イギリス・コッツウォルズの村を舞台とした「英国ちいさな村の謎」シリーズ。20巻を超える人気を誇り、イギリスではテレビドラマ化もされています。
主人公のアガサ・レーズンは、以前はロンドンでPR会社を経営しており、現在(本作時点)はコッツウォルズの村で2匹の猫と暮らしています。アガサが広報を担当した村祭りイベントは、大成功を収めたかのように思えたものの、手作りジャムのコンテスト中に事件が発生し・・・。
- 書籍名:アガサ・レーズンと毒入りジャム(英国ちいさな村の謎 19)
- 著者 :M.C.ビートン
- 訳者 :羽田詩津子
- 出版社:原書房
天使と嘘 (上・下)/マイケル・ロボサム著 越前敏弥訳
2020年、英国推理作家協会賞の最優秀長篇賞であるゴールド・ダガーを受賞した『天使と嘘』。著者のマイケル・ロボサムは、2015年にも『生か、死か』で同賞を受賞しています。
臨床心理士のサイラスと、嘘を見破る特殊能力を持つ少女・イーヴィが、女子フィギュアスケートチャンピオン殺人事件の真相を追求します。「サイラス&イーヴィ」シリーズ第1弾。
- 書籍名:天使と嘘 (上・下)
- 著者 :マイケル・ロボサム
- 訳者 :越前敏弥
- 出版社:早川書房
天使の傷(上・下)/マイケル・ロボサム著 越前敏弥訳
『天使と嘘』に続く、「サイラス&イーヴィ」シリーズ第2弾『天使の傷』。前作に続き、英国推理作家協会賞を受賞しています。(本作は、スリラー小説を対象としたイアン・フレミング・スティール・ダガー賞を受賞。)
死体で発見された元警視は、なぜ、犯人が既に逮捕されている児童連続誘拐殺害事件を追い続けていたのか?サイラスとイーヴィ、それぞれの視点からストーリーが展開していきます。
- 書籍名:天使の傷(上・下)
- 著者 :マイケル・ロボサム
- 訳者 :越前敏弥
- 出版社:早川書房
娘を呑んだ道/スティーナ・ジャクソン著 田口俊樹訳
スウェーデン北部の村で起きた、17歳少女の失踪事件をテーマとした小説。著者のスティーナ・ジャクソン自身もスウェーデン北部生まれで、本作がデビュー作となります。
スウェーデン語の原題は『Silvervägen』で、英訳されたタイトルは『The Silver Road(シルヴァーロード)』。少女の父親・レレは、事件から3年が経った今も、国道95号線(通称「シルヴァーロード」)を行き来しながら娘を探し続けています。北欧ミステリーの最高賞「ガラスの鍵」賞受賞作品。
- 書籍名:娘を呑んだ道
- 著者 :スティーナ・ジャクソン
- 訳者 :田口俊樹
- 出版社:小学館
ギャンブラーが多すぎる /ドナルド・E.ウェストレイク著 木村二郎訳
1960年代のニューヨーク。ギャンブル好きのタクシー運転手・チェットはある日、偶然乗せた客からチップの代わりとして競馬の裏情報を入手します。ノミ屋のトミーに金を借り、客に言われた馬に賭けると、ずばり的中。喜び勇んで配当金を受け取りに訪れると、トミーは何者かに殺されていました。チェットは容疑者とされ、さらに犯罪組織から命を狙われることに・・・!原題は『Somebody Owes Me Money』。
- 書籍名:ギャンブラーが多すぎる
- 著者 :ドナルド・E.ウェストレイク
- 訳者 :木村二郎
- 出版社: 新潮社
マーロー 殺人クラブ/ロバート・ソログッド著 髙山祥子訳
ロンドン郊外の町・マーローで暮らす主人公のジュディスは、77歳。クロスワード・パズルを自ら製作したり、毎晩ウィスキーをたしなんだりと、平穏で幸せな日々を過ごしています。ある晩、ジュディスがテムズ川を泳いでいると、隣家から叫び声と銃声が。警察に取り合ってもらえないと感じたジュディスは、殺人事件の捜査に乗り出すことを決意します。
- 書籍名:マーロー 殺人クラブ
- 著者 :ロバート・ソログッド
- 訳者 :髙山祥子
- 出版社:アストラハウス
木曜殺人クラブ 二度死んだ男/リチャード・オスマン著 羽田詩津子訳
全世界累計600万部突破の人気シリーズ「木曜殺人クラブ」第2作。著者のリチャード・オスマンは、BBCのクイズ番組司会者などとして活躍し、2020年に『木曜殺人クラブ』で小説家デビュー。全英図書賞の年間最優秀著者賞を受賞しています。
老人探偵グループ「木曜殺人クラブ」メンバーで、元諜報員のエリザベスはある日、1通の手紙を受け取ります。しかし、差出人は既に死んでいるはずの男で・・・。
- 書籍名:木曜殺人クラブ 二度死んだ男
- 著者 :リチャード・オスマン
- 訳者 :羽田詩津子
- 出版社:早川書房
キュレーターの殺人/M.W.クレイヴン著 東野さやか訳
英国推理作家協会賞の最優秀長篇賞 ゴールド・ダガーを受賞した『ストーンサークルの殺人』に始まる、刑事ワシントン・ポー シリーズの第3作。
クリスマスイブのイギリス。プレゼント交換で箱を開けると、中に入っていたのは、用意されたはずの指輪ではなく・・・。各現場に残された「#BSC6」という謎の文字列が意味するものとは。
- 書籍名:キュレーターの殺人
- 著者 :M.W.クレイヴン
- 訳者 :東野さやか
- 出版社:早川書房
ストーリーに没頭しながら、各国の歴史や文化にも触れられる海外ミステリー作品。今回ご紹介した中で気になる作品があった方は、ぜひ手にとってみてはいかがでしょうか。
日本点字図書館の「ワンブック・プレゼント運動」
日本で1年間に出版される活字図書は、約7万数千タイトル(参照:日本点字図書館 – 視覚障害者と読書 – )にのぼります。一方、日本点字図書館が保有する全蔵書は、点字図書・録音図書がそれぞれ2万数千タイトルと、読書環境の差は小さくないのが現状です。
日本点字図書館では、視覚障害者の方がもっと自由に読書できる環境を目指し、「1冊でも多くの図書を作りたい。」という考えのもと、運営が行われています。
「ワンブック・プレゼント運動」は、点字図書・録音図書の製作費として、企業や個人が日本点字図書館へ寄付できる活動です。English Hub編集部を運営するハーチ株式会社では、これまでに3冊の録音図書を寄贈しています。
また、ワンブック・プレゼント運動以外にも、ボランティア活動をはじめ、様々な形での支援が可能です。
日本点字図書館で提供されているサービス
日本点字図書館では、図書の製作・貸し出し以外にも複数のサービスが提供されています。
歩行やスマホなどの訓練
日本点字図書館では、目が見えない方・見えにくい方のQOL(生活の質)向上を目指し、自立訓練(生活訓練)が提供されています。
白杖を使った歩行訓練や、点字の読み書きの訓練のほか、パソコンやスマホ、タブレットの活用方法を学ぶICT訓練、日常生活を安全に過ごすための訓練、レクリエーションなどを行えます。利用の流れ・必要な手続きについては、日本点字図書館のホームページをご確認ください。
用具の開発・販売
日本点字図書館では、目が見えない方・見えにくい方に役立つ商品の開発・販売が行われています。
白杖や時計といった日常生活に欠かせないアイテムに加え、点字付きのトランプや、触れて分かるオセロ、ルービックキューブなどのおもちゃも取り揃えられています。
- 住所:〒169‐8586 東京都新宿区高田馬場1-23-4
- 電話:03‐3209‐0241(代表) FAX:03‐3204‐5641
- 開館日時:火曜日~土曜日 9時~17時(用具事業課 わくわく用具ショップは9時~16時)
※日曜日・月曜日・祝日・年末年始は休館
※各種お問い合わせ先は、日本点字図書館のホームページ – お問い合わせ先一覧 –をご確認ください。
※上記は、2024年8月時点の情報に基づきます。最新情報は、日本点字図書館のホームページをご確認ください。
【参照サイト】日本点字図書館
English Hub 編集部
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