文部科学省は3月14日、全国の小学校で2020年度から、中学校で2021年度から実施する次期学習指導要領の改定案を公表した。
今回の改定案では、「グローバル化への対応」を目指し、現在小学校5年、6年に導入している成績評価のない外国語活動を3年、4年に前倒しし、5、6年では英語を教科化することが盛り込まれた。また、中学では英語の授業は英語で行うことを基本とする。
小学校3、4年の外国語活動では英語を聞いたり話したりして英語に慣れ親しむことに重点を置く。5、6年では教科書を使って英語の読み書きにも取り組み、成績評価を行い、中学ではコミュニケーション能力を重視し、学習する単語は現行の約1200語から、1600~1800語と増やす。
文科省は3月15日まで改定案へのパブリックコメントを募集し、年度内に指導要領を告示する。
グローバル化への対応を考えれば日本人の英語力向上は欠かせないテーマだ。一方で、指導要領に基づいて質の高い英語教育を実践できる教師の育成も急務だ。
京都府教育委員会が今月9日に公表したところによれば、京都市を除く中学校の英語科教員で、本年度にTOEICを受験した74名のうち、府教委が目標として課していた英検準1級に相当する730点以上を獲得したのは16人とわずか約2割にとどまったという。最低点は280点で、500点未満も14人いたとのことだ。
教師の英語指導力が十分でなければ、当然ながら子供の英語力が伸びることは期待できない。むしろ、正しい知識を持たない教師が実践とは程遠い間違った英語を指導してしまうことが、その後の子供の英語力に悪影響を及ぼす可能性すらあるだろう。
ただし、英語が使えないまま大人になった多くの社会人にとって、この学習指導要領の改定は大きな意味を持つことは間違いない。10~15年後には日本の若者がしっかりとした英語力を身につけて社会に出てくることを考えると、年齢など関係ないビジネスの現場では英語すら使えない中年社員は若者に対して大きなビハインドを負う可能性がある。
英語を使えない現在の20代、30代の社会人は、今こそ改めて英語を学び直すときだと言えるかもしれない。
(English Hubニュース編集部)
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