英検準1級(2次試験)に最短で合格するためにやるべき5つのこと

前回の記事では、英検準1級の1次試験に最短で合格するためにやるべきことをご紹介しました。今回は、2次試験の対策についてご説明したいと思います。2次試験は面接官と対面での英会話試験となります。ポイントを押さえた学習で一発合格が可能です。今回は2次試験の合格のためのポイントを紹介します。

英検準1級(2次試験)合格のための5つのポイント

英検準1級の2次試験合格のために知っておくべきポイントは下記の5つです。

  1. 準1級では、はじめに自由英会話がある
  2. 4コマ漫画のナレーション
  3. ナレーションで押さえるポイント
  4. 4コマ漫画に関するQ&A
  5. Q&Aで気を付けるポイント

準1級では、はじめに自由英会話がある

2級までは試験開始前に “Hello, how are you today?” 程度のあいさつがありました。準1級で聞かれるのは以下のような内容です。

  • Could you tell me a little bit about yourself?
  • What do you like to do in your free time?
  • What are your hobbies?
  • Do you have any plans for the summer?

これらの質問の回答は得点にはなりません。受験者をリラックスさせるため、英語に慣れさせるためのものですので、肩の力を抜いて答えればよいでしょう。

4コマ漫画のナレーション

1問目は4コマ漫画のナレーションです。カードを渡されてから1分間、準備の時間が与えられ、その後にナレーションをします。制限時間は2分間です。この問題のポイントは以下の3つです。

  • Coherency & Contents (首尾一貫性と内容)
  • Pronunciation & Intonation(発音と抑揚)
  • Vocabulary & Grammar(語彙と文法)

それぞれが5点満点、合わせて15点という配点です。2次試験の満点は38点ですから、約4割がここでの得点です。最も重要なポイントと言えます。

ナレーションで押さえるポイント

ナレーションで押さえるべきポイントは、以下の3つです。

  • 1つのコマに付き、2つの文をつくる
  • 時制は過去形と過去進行形を使う
  • シンプルな文を心がける

英検のホームページで取り上げられている問題を例にすると、ナレーションは以下のようになります。(参考URL: http://www.eiken.or.jp/eiken/exam/virtual/grade_p1/pdf/grade_p1.pdf

  1. 駅から歩いていると、タバコを持った男が前にいた。タバコの火が彼女のジャケットに当たってしまった。
  2. 次週、路上喫煙のキャンペーンに参加した。署名をお願いした。
  3. 半年後、喫煙エリアが設けられた。路上喫煙者には罰金が科せられるようになった。
  4. 数日後、喫煙エリアは人でいっぱいになっていた。そこを通る人々は煙で咳こんでいた。

できるだけシンプルな英語にするために、まずは日本語をシンプルにします。たとえば「路上喫煙者」は、「歩きながらタバコを吸う人」、「罰金が科せられる」は「お金を支払わなければならない」と解釈すると、前者は people who smoke while walking、後者は They have to pay a fine. とできます。

2次試験も、1次試験の英作文と同じです。できるだけ優しい日本語にして、それを英語にしていくことが大事です。

4コマ漫画に関するQ&A

ナレーションが終わるとQ&Aが始まります。Q&Aは4問でそれぞれ5点満点です。1問目のQ&Aは、4コマ漫画からの出題です。

出題内容は毎回決まっており、漫画の4コマ目を指定して、「あなたが彼(彼女)の立場だったら、何を思うか」という質問です。”Please look at the fourth picture. If you were the woman(man), what would you be thinking?”と聞かれます。

4コマ漫画の展開は起承転結になっており、「思うようにいかなかった」「新たな問題が生まれた」という終わり方が多いです。新たな提案をする、うまくいかなかったことを悔やむ、という答え方が良いでしょう。

ここでのポイントは、以下の2点です。

  • 仮定法過去を使うこと
  • 3つの文(節)をつくること

仮定法で聞かれた質問には、仮定法で答えます。Q&A問題では、答えに3つの文、または3か所の節(主語と動詞のあるかたまり)が無いと減点です。

Q&Aで気を付けるポイント

最大のポイントは、3つの文をつくることです。以下の例題で考えてみましょう。

Q: Do you think that the crime rate in Japan will increase in the future?
(将来、日本では犯罪率が上がると思うか?)

A: No, people are well aware of the dangers of crime, and they are involved in efforts such as volunteer patrols to prevent it. These measures should help keep the crime rate down.
(いいえ、人々は犯罪の危険を良く知っています。そしてこれを防ぐためにボランティアのパトロールなどをしています。こうした対策が、犯罪率を防ぐのに役立ちます。)
(英文は http://www.eiken.or.jp/eiken/exam/virtual/grade_p1/pdf/grade_p1.pdf より引用。)

文(節)が3つあり、文法などのミスがなければ満点の5点。文(節)が2つ以下だと3点になってしまいます。2点の差は大きいです。

まとめ

2次試験は、1次試験以上に決まった形があり、注意すべきポイントがはっきりしています。英検の2次試験問題は、過去に出題されたものが繰り返し使われることが多いです。模擬問題集を手に入れ何度も復習することが合格への近道です。

4コマ問題のナレーションが15点、Q&Aが4題で20点、アティチュードと呼ばれる態度点が3点の合計38点中、おおよそ22点が合格ラインです。全ての問題で5点満点中3点以上を重ねれば合格に到達できます。

1次試験が終わったら、早速2次試験対策に取り掛かりましょう。資格取得にフライングはありません。これを読んだ皆さんが合格証を手にすることを願っています。

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中野 靖之

東京大学などの難関大学進学を目指す高校生に英語を教えています。「自分の目で、世界を見たい」と、20代は青年海外協力隊や世界青年の船などに参加し、多くの海外青年達と交流しました。英語は、世界につながるツール。自分の思い描く未来へと、羽ばたいて欲しいです。慶應義塾大学文学部卒業、英検1級、TOEIC910点。