どっちがいいの?英検とTOEFLを徹底比較!

英語を学ぶ目的は人によって様々ですが、英語学習において資格試験をひとつの目標にすることは、モチベーションを保ち、毎日の学習を続けるのに役立つでしょう。

今回は、代表的な英語試験の英検とTOEFLについて、それぞれの特徴を挙げ、目的に応じてどちらの試験を目標にすべきかがわかるポイントをご紹介します。

幅広い英語レベルの学習者におすすめできる「英検」

年間志願者数が400万人を超える英検は、日本国内でもっともポピュラーな英語資格です。5級から1級まで、7段階のレベルに分かれています。小学生や中学生など、英語を学び始めた初心者から、専門に英語を学び、英字新聞や英語論文を読みこなすような方まで、幅広い英語レベルの学習者のニーズをカバーしている試験です。

英検は、英語力そのものを測るだけでなく、社会問題について考え、自分の意見を述べるスキルも問われます。たとえば、準1級のスピーキングテスト(二次試験)では、過去に以下のような質問がありました。

  • 公立の美術館は全ての人に無料で利用されるべきか
  • 現在の教育システムは、生徒に競争を奨励しすぎてはいないか
  • 大学は社会人に学びの機会を与えるべきか
  • 個人の努力が、地球温暖化を救うと考えるか
  • 日本は外国人観光客をもっと増やす努力をすべきか

こうした質問に答えるには、英語力はもちろんのこと、日頃から幅広い社会問題について考えておく必要があります。英検は教養ある社会人として必要な知識を求める試験であるといえます。

英検取得で得られるメリット

近年では、英検を入試に採用する大学も増えてきており、一定レベル以上の級の取得によって、英語試験の免除や加点などさまざまなメリットを享受できるようになっています。

大学入試での優遇措置の適用や、入学後の英語関連科目の単位認定には、2級~準1級レベルの取得を求められるケースが一般的です。

英語教員として教壇に立ちたいと考えている方にも、英検はおすすめです。英検準1級以上を取得していれば、採用試験の際にアピールすることができます。さらに、英検1級取得を科目試験の免除条件として定めている自治体も多くあります。

また、全国通訳案内士試験において、英検1級取得者は筆記(一次)試験の外国語(英語)科目の受験が免除されます。

海外留学を目指す人向けの「TOEFL」

TOEFLは、主に英語圏の大学や大学院など高等教育機関への入学を希望する方の英語力を判定するために用いられる試験です。アメリカ、カナダ、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランドでは、大学・大学院への出願に際し、TOEFL iBTのテストスコア提出が認められています(※)。

※試験会場で受験したテストが対象。

TOEFLは、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングそれぞれ30点満点、計120点満点の試験です。留学先の大学で想定される状況(寮生活、買い物、サークル活動など)を反映した問題や大学の授業で展開されるような学術的な内容が多く含まれます。

アカデミックな場でのディスカッションやライティングを念頭に置いているため、試験で扱われるテーマに慣れていない方にとっては特に難易度が高く感じられるでしょう。

TOEFLスコアの取得によってできること

海外留学を目指す方にとって、TOEFLは必須の試験ともいえます。最低でも65点、多くの大学で70~80点以上の英語力が要求されます。

TOEFLスコアが役立つのは、海外進学・留学の出願時だけではありません。スピーキングとライティングが必須であるTOEFLは、アウトプット力も含めた総合的な英語スキルを測ることができます。また、TOEFLは世界規模で広く認知され、信頼度も高い資格ですから、たとえば外資系の企業に就職を希望する場合や海外部署への異動を考えている方には、アピール材料になってくるでしょう。

まとめ

英語検定もTOEFLも、英語だけでなく広く社会問題や学術的内容が試験に含まれており、教養を深めるという側面でも意味のある試験です。資格としては国内向けのメリットが大きいのが英検、海外向けのメリットが大きいのがTOEFLであるといえます。また、TOEICですでにハイスコアを取得している人が、さらに上のレベルを目指す試験として、4技能試験の英検やTOEFLを受験するという使い方もできそうです。

モチベーションを保ち、毎日の学習を続けるためにも、英検やTOEFLといった資格試験を活用してみてはいかがでしょうか。

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中野 靖之

東京大学などの難関大学進学を目指す高校生に英語を教えています。「自分の目で、世界を見たい」と、20代は青年海外協力隊や世界青年の船などに参加し、多くの海外青年達と交流しました。英語は、世界につながるツール。自分の思い描く未来へと、羽ばたいて欲しいです。慶應義塾大学文学部卒業、英検1級、TOEIC910点。