英検準1級(1次試験)に最短で合格するためにやるべき6つのこと

英検準1級は2017年に配点変更があり、対策を立てれば多くの方が合格可能な試験になりました。今回は1次試験の合格のためのポイントを紹介します。

英検準1級(1次試験)合格のための6つのポイント

  1. 各セクションの問題数と配点を確認する
  2. 正答数とスコアの関係を確認する
  3. ライティングの書き方
  4. ライティングで高得点を狙う
  5. リーディングの学習方法
  6. リスニングの学習方法

各セクションの配点を確認する

リーディングは語彙と長文読解が、リスニングは会話形式とモノローグ形式の問題が4択で出題されます。ライティングはテーマに対する120から150語の英文エッセイです。それぞれの問題数と配点は下記のようになっています。

  • リーディング:問題数41問(語彙25問、長文16問) 配点 750
  • リスニング:問題数29問(会話12問、モノローグ17問) 配点 750
  • ライティング:問題数1問(120~150語の英文エッセイ) 配点 750
  • 合計:71問 2250点

合格に必要なスコアは1792点ですので、得点率として80%が必要ですが、問題数に対して7割を得点できれば合格できます。また、ライティングで高得点を取ることが合格への最短の道です。

正答数とスコアの関係を確認する

2017年度第3回試験の、それぞれのセクションの正答数とスコアの関係を表にまとめました。

英検準1級 正答数とスコア(推定値含む)
Reading正答数 スコア Listening正答数 スコア Writing 得点 スコア
41(満点) 750 30 29(満点) 750 38 16(満点) 750 70
40 720 20 28 712 21 15 680 35
39 798 16 27 691 18 14 645 30
38 682 14 26 673 16 13 615 26
37 668 12 25 657 16 12 589 24
36 656 10 24 641 14 11 565 21
35 646 8 23 617 9 10 544 16
34 638 8 22 608 9 9 528 13
33 630 6 21 599 9 8 515 10
32 624 6 20 590 7 7 505
31 618 5 19 583 8 6
30 613 5 18 575 7 5
29 608 5 17 568 7 4
28 602 5 16 561 7 3
27 597 15 554 2

合格に必要なスコアは1792点ですから、各セクションで600点ずつとれば合格です。リーディングでは41問中28問(正答率68%)、リスニングでは21問(正答率72%)、ライティングでは13点を取れば合格できます。

表から、正答率が上がるにつれて、1問あたりの点数が大きくなっていることがわかります。特にライティングでは、満点(16点)と15点の差が70点です。英検準1級合格のカギは、ライティングで高得点を取ることです。

ライティングの書き方

英検のライティングは、いわゆる英文エッセイの形で書くことを求めています。英文エッセイとは、質問に対して下記の構成で書かれた文章です。

  • 自分の立場(賛成か、反対か)
  • その理由①
  • 理由に対する説明
  • その理由②
  • 理由に対する説明
  • 結論(自分の立場をもう一度述べる)

2017年第3回の問題は「Will humans live on other planet someday?(将来人類は他の惑星に住むだろうか)」でした。英検協会が公開している模範解答では、下記の展開となっています。英文エッセイの型で文章を構成することが重要となります。

  • (自分の立場)将来、人類は他の惑星に住むようになる。
  • (理由①)技術の進歩がなされているから。
  • (理由①の説明1)再利用可能なロケットで人や物資を送ることができる。
  • (理由①の説明2)技術革新によってコスト削減も期待できる。
  • (理由②)温暖化や核兵器などの脅威から逃れるため。
  • (理由②の説明1)地球上の人類存在が脅かされている。
  • (理由②の説明2)地球外移住への関心が高まっている。
  • (結論)クリアすべきハードルは大きいが、技術発展により、移住は可能となる。

ライティングで高得点を狙う

準1級だからといって難しい語彙や高度な構文を使う必要はありません。英作文のポイントは、自分の知っている語で、誰が読んでもわかるような、シンプルな構成を心がけることです。

英作文が苦手な人の多くが、難しい日本語の文章を作ってからそれを訳そうとします。そうではなく、誰が読んでもわかるようなやさしい内容の文章を、自分が知っている範囲の英文に仕上げることが大事です。ミスなく、内容が整った英文が書ければ、16点満点取得ができます。

リーディングの学習方法

語彙問題は繰り返し出題されるものが多いので、英検専用の単語集を使って語彙力を高めることが高得点への近道となります。長文問題は難関大学の入試問題レベルですが、細かい部分ではなく、全体の内容が把握できていれば解ける問題が多いです。問題形式で多くの英文に触れ、答えとなるポイントをつかむ練習をするのがいいでしょう。

長文問題のトピックは広範囲にわたります。2017年第2回では、下記の内容が取り上げられました。多くの分野に興味を持ち、背景知識を得ておくと、読解の助けとなります。

  • タスマニア島を例とした、離島における文化継承について
  • 医療逆転(それまで良しとされていた医療が180度転換すること)について
  • クマムシが、過酷な環境下で生き延びることができる要因について
  • エスサルバトルとホンジュラスの国境にある村の課題とその解決策について
  • ペリシテ人について

リスニングの学習方法

英文が読めなければ、聞くことはできません。まずは読解力を鍛えることが大事です。そのうえで、耳を英語に慣れさせていきます。リスニングは通勤通学などの細切れの時間を使って取り組むことができます。英検の過去問題はホームページでダウンロードできますので、スマホや音楽プレイヤーに取り込んで聞くとよいでしょう。

漫然と聞くのではなく、小声でシャドーイングしたり、頭の中でアルファベットを全て思い浮かべたりするなど、集中して聞くことで学習効果を高めることができます。

まとめ

英検準1級合格のキーポイントは、ライティングでの高得点です。ライティングは練習すればするほど上達しますから、コツコツ取り組んで満点を狙いましょう。リーディングやリスニングも地道な努力が必要です。英語は、コツコツ取り組めば必ず上達できます。毎日の努力が大きな成果となって返ってくる日を思い浮かべ、英検合格に向けて、動き出しましょう。

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中野 靖之

東京大学などの難関大学進学を目指す高校生に英語を教えています。「自分の目で、世界を見たい」と、20代は青年海外協力隊や世界青年の船などに参加し、多くの海外青年達と交流しました。英語は、世界につながるツール。自分の思い描く未来へと、羽ばたいて欲しいです。慶應義塾大学文学部卒業、英検1級、TOEIC910点。