橋本病で仕事がつらいとき、見た目に出ない不調を職場に伝える手順

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だるさが抜けない。頭が働かず、同じ作業に前の倍の時間がかかる。寒がりになり、体重も増えた。検査を受けるまでは、自分の努力が足りないのだと思っていた。

この記事では、橋本病(慢性甲状腺炎)による甲状腺機能の低下で働きづらさが出ているときに、職場との間で何をどう整えるかを、公的資料にもとづいて整理します。先に書いておくと、治療と仕事の両立を支援するための国の指針があり、主治医と職場をつなぐための様式例まで用意されています。

記載内容は2026年10月時点で、末尾に挙げた公的機関の資料にもとづいています。診断や治療、就業の可否については主治医の判断に従ってください。

結論:主治医と職場をつなぐ様式がある。そこを使う

  1. 治療と就業の両立支援について、国の指針(令和8年厚生労働省告示第28号)がある
  2. 指針には、勤務情報を主治医に提供する様式例や、就業継続の可否について主治医の意見を求める様式例が示されている
  3. つまり「体調が悪い」という訴えではなく、書面で往復する手順が用意されている
  4. 就業が難しい期間が続く場合、健康保険の傷病手当金という仕組みがある
  5. 症状が非特異的なぶん、記録と検査の結果が説明の材料になる

この病気で職場の話がこじれやすい理由

だるさ、集中力の低下、寒がり、体重の変化。どれも「誰にでもあること」として扱われやすい症状です。見た目にも分かりにくい。そのため、本人が説明しても主観の訴えとして聞かれがちになります。

ここを変える方法は二つあります。一つは医師の書面に変えること、もう一つは業務への影響を数字にすることです。

国の両立支援の枠組みを使う

厚生労働省の案内によれば、2026年2月10日に「治療と就業の両立支援指針(令和8年厚生労働省告示第28号)」が定められています。指針には別添として、次のような様式例が示されています。

様式例 役割
勤務情報を主治医に提供する際の様式例 どんな業務をしているかを主治医に伝える。これがないと医師は判断しにくい
治療の状況や就業継続の可否等について主治医の意見を求める際の様式例 続けられるか、続けるなら何が必要かを医師の意見として受け取る
職場復帰の可否等について主治医の意見を求める際の様式例 休業から戻るときに使う
治療と仕事の両立支援カード 支援の状況を整理するためのもの
両立支援プラン/職場復帰支援プランの作成例 いつまでに何をするかを計画の形にする

この流れの要点は、最初に「勤務情報を主治医に提供する」ステップがあることです。医師は職場の実態を知りません。どんな業務を、どのくらいの時間、どんな環境でしているかを伝えてはじめて、就業についての意見が書けます。

  1. 自分の業務内容、勤務時間、残業の有無、通勤時間などを書き出す
  2. それを主治医に渡し、就業継続の可否と必要な配慮について意見をもらう
  3. その意見を会社に提出し、就業上の措置を決めてもらう
  4. 決まった内容を書面で受け取り、見直しの時期を決める

様式例は厚生労働省のサイトから入手できます。会社にこの枠組みの存在を知らせること自体が、話を進める材料になります。

業務への影響を数字にする

医師の意見と並行して、自分の側でも材料を作ってください。

  • 同じ作業にかかる時間が、以前と比べてどのくらい変わったか
  • 一日のうち、集中が続く時間帯はいつか。崩れるのは何時ごろか
  • 会議や打ち合わせで、どの長さを超えると持たないか
  • 通勤そのものにどのくらい消耗しているか
  • 服薬や受診の予定が、どの曜日・時間帯に入るか

2つ目が実務的です。「調子が悪い」ではなく「午後2時以降は細かい作業の精度が落ちる」と言えると、業務の配分を変える相談になります。

会社に相談できること

相談できること どう頼むか
勤務時間の短縮 収入が下がるため、どのくらいの期間で戻す見込みかを一緒に出す
時差出勤 朝が特につらい場合。開始時刻をずらす
テレワーク 通勤の消耗が大きい場合。「週に何日なら出社できる」という形で出す
所定外労働の削減 残業がなくなるだけで、翌日の状態が変わることがある
業務の配分 集中が続く時間帯に負荷の高い業務を寄せる
執務環境の調整 空調の当たり方、座席の位置。寒さが強い場合は実際に効く
通院時間の確保 定期通院が平日の昼に入る場合。時間単位の年次有給休暇が使えるか確認する

産業医や保健師が置かれている職場なら、そちらを入口にする方法もあります。医療職を経由すると、診断名を職場全体に広げずに、必要な配慮だけを人事に伝えてもらえる場合があります。

就業が難しい期間が続く場合

全国健康保険協会の案内によれば、傷病手当金は業務外の病気やけがで療養のため仕事を休んだ場合に支給されるもので、連続する3日間を含んで4日以上仕事に就けなかったときに、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。

  • 1日あたりの額は、支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額の平均額を30で割った額の3分の2に相当する額
  • 支給される期間は、支給開始日から通算して1年6か月
  • 休んだ期間について給与の支払いがある場合は、支給が調整されることがある
  • 申請書には医師が記入する欄がある。受診時に依頼する

「通算して1年6か月」という点が効きます。治療の調整中に休み、安定したら復帰し、また調整で休むという経過でも、復帰していた期間は算入されません。

妊娠を考えている場合

甲状腺の機能は妊娠と関わるため、妊娠を希望する時期や妊娠が分かった時点で、必ず主治医に伝えてください。治療の方針や検査の頻度が変わることがあります。

妊娠が成立した場合、使える仕組みも変わります。厚生労働省が案内している母性健康管理指導事項連絡カードは、主治医等が記入し本人が事業主に提出することで、事業主が記載内容に応じた措置を講じる必要があるという仕組みです。

働き方そのものを変える選択

調子に波がある状態が続くなら、時間と場所の自由度が高い働き方を検討する余地があります。

オンラインで完結しやすい仕事として、Webデザイン、ライティング、動画編集、Webマーケティング、オンラインアシスタントなどがあります。集中が続く時間帯に作業を寄せられる点が、日内の変動がある状態と噛み合います。通勤の消耗もなくなります。

学び始めてすぐに収入になるものではないため、まだ働けている時期に基礎を作っておくのが現実的です。学ぶ場としては、オンラインで複数の分野を横断して学べるスクールがあります。SHElikesは、Webデザインやライティング、マーケティングなどのコースを定額で受講できる形になっているため、どの方向が自分に合うか決めきれていない段階でも始めやすい設計です。

よくある質問

見た目に分からないため、職場に理解されません

治療と就業の両立支援指針に、勤務情報を主治医に提供する様式例と、就業継続の可否について主治医の意見を求める様式例が示されています。主観の訴えではなく、書面で往復する形に切り替えてください。

主治医に何を伝えればよいですか

業務内容、勤務時間、残業の有無、通勤時間、作業の環境です。指針の別添にある「勤務情報を主治医に提供する際の様式例」がそのまま使えます。これがないと、医師は就業についての意見を書きにくくなります。

診断名を会社に伝えたくありません

産業医や保健師が置かれている職場なら、そちらを入口にしてください。医療職を経由すると、必要な配慮だけを人事に伝えてもらえる場合があります。

休んだら収入はどうなりますか

傷病手当金の仕組みがあります。標準報酬月額の平均額を30で割った額の3分の2に相当する額が、支給開始日から通算して1年6か月まで支給されます。復帰していた期間は算入されません。

妊娠を考えています

甲状腺の機能は妊娠と関わるため、希望する時期や妊娠が分かった時点で必ず主治医に伝えてください。治療の方針や検査の頻度が変わることがあります。

まとめ

橋本病による甲状腺機能の低下で働きづらさが出ているとき、職場の話がこじれるのは症状が見えにくいからです。これを変えるには、医師の書面にすることと、業務への影響を数字にすることの二つを使ってください。

治療と就業の両立支援指針(令和8年厚生労働省告示第28号)には、勤務情報を主治医に提供する様式例、就業継続の可否について主治医の意見を求める様式例、職場復帰の可否についての様式例、両立支援プランの作成例などが示されています。最初に勤務情報を主治医に渡すステップがある点が重要です。

自分の側では、同じ作業にかかる時間の変化、集中が続く時間帯、持たなくなる会議の長さ、通勤の消耗を書き出してください。「午後2時以降は精度が落ちる」と言えると、業務の配分を変える相談になります。

就業が難しい期間が続く場合は傷病手当金の仕組みがあり、支給は通算して1年6か月までです。妊娠を希望する場合は、必ず主治医に伝えてください。

この記事で参照した資料

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English Hub 編集部

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