産後うつで復職が不安なとき、休職を延ばす方法と確認できる制度

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育休の終わりが近づいている。保育園は決まったのに、気持ちが戻ってこない。夜も眠れず、涙が出る。復帰の話をするたびに息が浅くなる。

この記事では、産後の心身の状態が整わないまま復職の時期が来たときに使える仕組みを、公的資料にもとづいて整理します。先に書いておくと、出産後1年を経過していない女性労働者については、医師等の指導を申し出た場合に事業主が措置を講じる必要があるという枠組みがあります。育休が終わったら自力で戻るしかない、という話ではありません。

記載内容は2026年10月時点で、末尾に挙げた公的機関の資料にもとづいています。心身の状態や就業の可否については主治医に相談してください。つらさが続いている場合は、復職の手続きより先に受診してください。

結論:復帰日を動かす手段と、戻り方を緩める手段がある

  1. 出産後1年を経過していない女性労働者は、医師等の指導を申し出た場合に措置の対象になる
  2. 措置には作業の制限、勤務時間の短縮、休業が含まれる。母性健康管理指導事項連絡カードで伝える
  3. 就業が難しい期間が続く場合、健康保険の傷病手当金という仕組みがある
  4. 治療と就業の両立支援指針に、職場復帰の可否について主治医の意見を求める様式例がある
  5. 段階的に戻す形を、プランとして作れる

まず受診する

制度を使うにも、復帰の時期を調整するにも、医師の判断が起点になります。そして何より、産後の気分の落ち込みや不眠は、治療やサポートの対象になります。

  • 出産した医療機関、産婦人科、または心療内科・精神科
  • 市区町村の母子保健の窓口。産後の相談を受け付けている
  • 保健センターの保健師による相談や訪問
  • 自治体の産後ケア事業。宿泊型や日帰り型の支援がある場合がある

ひとりで抱えないでください。「復帰できるかどうか」を自分で判断しようとするより、受診して判断材料をもらうほうが早く進みます。

出産後1年以内に使える枠組み

厚生労働省の案内によれば、妊娠中および出産後の女性労働者に関する措置として、次のものがあります。

措置 内容と根拠
症状等に対応する措置 妊娠中および出産後1年を経過していない女性労働者が、健診等の結果に基づく医師等の指導を申し出た場合、作業の制限、勤務時間の短縮、休業等の措置を講じる必要がある(男女雇用機会均等法第13条関係)
指導事項を守るための措置 医師等から指導を受けた場合、勤務時間の変更や勤務の軽減などを行う必要がある
時間外・休日・深夜業の制限 妊産婦が請求した場合、時間外労働、休日労働、深夜業をさせることはできない(労働基準法第66条第2項、第3項)。深夜業は午後10時から午前5時まで
変形労働時間制の適用制限 妊産婦が請求した場合、1日および1週間の法定労働時間を超えて労働させることはできない(労働基準法第66条第1項)

一つ目が、この局面で効く枠組みです。出産後1年を経過していなければ、医師等の指導を申し出ることで、作業の制限・勤務時間の短縮・休業等の措置の対象になります。

伝える手段として、厚生労働省が案内している母性健康管理指導事項連絡カードがあります。主治医等が記入し本人が事業主に提出することで、事業主は記載内容に応じた措置を講じる必要があります。連絡カードの提出がなくても、申出の内容が明らかであれば措置を講じる必要があるとされています。

出産後1年を過ぎている場合

この枠組みは出産後1年を経過していない女性労働者が対象です。1年を過ぎている場合は、別の枠組みを使うことになります。具体的には、治療と就業の両立支援の仕組みと、会社の休職制度、傷病手当金です。

復帰の形を設計する

厚生労働省の案内によれば、2026年2月10日に「治療と就業の両立支援指針(令和8年厚生労働省告示第28号)」が定められています。指針には別添として、職場復帰の可否等について主治医の意見を求める際の様式例や、両立支援プラン/職場復帰支援プランの作成例が示されています。

この流れで押さえるべき点は、最初に「勤務情報を主治医に提供する」ステップがあることです。医師は職場の実態を知りません。

  1. 業務内容、勤務時間、残業の有無、通勤時間、会議や対人業務の量を書き出す
  2. それを主治医に渡し、職場復帰の可否と必要な配慮について意見をもらう
  3. その意見を会社に提出する
  4. 職場復帰支援プランを作る。段階的に戻す形を含めて検討する
  5. 決まった内容を書面で受け取り、見直しの時期を決める
段階 内容の例
第1段階 短時間勤務から始める。通勤の負担が大きければ在宅を併用する
第2段階 勤務時間を延ばす。対人業務や会議を少しずつ戻す
第3段階 通常勤務に戻す。残業の扱いを個別に決める

体調が崩れた場合に戻すルールも、同時に決めておいてください。下げる方向の合意がないと、無理を続けることになります。

復帰を延ばす場合の収入

全国健康保険協会の案内によれば、傷病手当金は業務外の病気やけがで療養のため仕事を休んだ場合に支給されるもので、連続する3日間を含んで4日以上仕事に就けなかったときに、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。

  • 1日あたりの額は、支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額の平均額を30で割った額の3分の2に相当する額
  • 支給される期間は、支給開始日から通算して1年6か月
  • 休んだ期間について給与の支払いがある場合は、支給が調整されることがある
  • 申請書には医師が記入する欄がある。受診時に依頼する

育児休業給付と傷病手当金は別の制度で、窓口も異なります(前者はハローワーク、後者は健康保険)。切り替えの手続きと時期については、会社の担当に確認してください。

子どもの側の支援も使う

自分の回復に時間を使うには、子どもを見てもらえる時間が必要です。

  • 市区町村の産後ケア事業。宿泊型、日帰り型、訪問型がある場合がある
  • 一時保育、保育園の利用。復職前から利用できる枠がある自治体がある
  • ファミリー・サポート・センター
  • 保健センターの保健師による訪問

2つ目を確認してください。「復職するまで預けられない」と思い込んでいる人が多いのですが、自治体によっては保護者の体調を理由とした利用ができる場合があります。母子保健または保育の窓口で聞いてみてください。

働き方そのものを見直す場合

復帰の形そのものを変える選択もあります。時間と場所の自由度が高い働き方なら、通勤と固定の勤務時間という二つの負荷がなくなります。

オンラインで完結しやすい仕事として、Webデザイン、ライティング、動画編集、Webマーケティング、オンラインアシスタントなどがあります。子どもの体調で予定が崩れる状況とも噛み合います。

ただし、心身の状態が整わない時期に新しいことを始めるものではありません。まず受診と休養が先です。回復してから、選択肢の一つとして考えてください。学ぶ場としては、オンラインで複数の分野を横断して学べるスクールがあります。SHElikesは、Webデザインやライティング、マーケティングなどのコースを定額で受講できる形になっているため、どの方向が自分に合うか決めきれていない段階でも始めやすい設計です。

よくある質問

育休が終わるのに、復帰できる状態ではありません

出産後1年を経過していない女性労働者は、医師等の指導を申し出た場合に、作業の制限・勤務時間の短縮・休業等の措置の対象になります。母性健康管理指導事項連絡カードを主治医に書いてもらい、事業主に提出してください。

出産から1年を過ぎています

その枠組みは使えませんが、治療と就業の両立支援の仕組み、会社の休職制度、傷病手当金があります。主治医に相談したうえで、会社の人事または産業医に相談してください。

収入がなくなるのが不安です

傷病手当金の仕組みがあります。標準報酬月額の平均額を30で割った額の3分の2に相当する額が、支給開始日から通算して1年6か月まで支給されます。育児休業給付とは別の制度で窓口も異なるため、切り替えの手続きを会社の担当に確認してください。

段階的に戻すことはできますか

治療と就業の両立支援指針に、職場復帰の可否について主治医の意見を求める様式例と、職場復帰支援プランの作成例が示されています。各段階の期間と、次に進む判断の基準、体調が崩れた場合に戻すルールまで決めてください。

復職前でも子どもを預けられますか

自治体によっては、保護者の体調を理由とした一時保育や産後ケア事業の利用ができる場合があります。市区町村の母子保健または保育の窓口で確認してください。

まとめ

産後の状態が整わないまま復職の時期が来たとき、まず受診してください。制度を使うにも復帰時期を調整するにも、医師の判断が起点になります。

出産後1年を経過していない女性労働者は、医師等の指導を申し出た場合に、作業の制限・勤務時間の短縮・休業等の措置の対象になります。伝える手段は母性健康管理指導事項連絡カードで、提出があれば事業主は記載内容に応じた措置を講じる必要があります。

復帰の形は段階を踏めます。治療と就業の両立支援指針に、職場復帰の可否についての様式例と職場復帰支援プランの作成例が示されています。最初に勤務情報を主治医に渡すステップを飛ばさないでください。体調が崩れた場合に戻すルールも同時に決めてください。

収入には傷病手当金の仕組みがあります。あわせて、自治体の産後ケア事業や一時保育など、子どもを見てもらえる時間を確保する手段も確認してください。復職前でも利用できる場合があります。

この記事で参照した資料

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English Hub 編集部

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