英語学習情報サイト「EnglishHub」(運営:GRAS Group株式会社)は、全国の400名を対象に、AIが作ったコンテンツへの受け止め方に関する調査を実施しました。AIが作ったものでも気にならなくなる条件として最も多く選ばれたのは「最初から『AIが作った』と表示されていた」で54.8%。一方、AI活用を説明する際によく使われる「人が最後に確認・調整している」は12.0%、「値段が安い、または無料である」は4.8%にとどまりました。ただし、その開示についても、実際の購買の場面では効いていないことがわかりました。
調査結果サマリー
- AIが作ったものでも気にならなくなる条件の1位は「最初からAIと表示されていた」54.8%。「人が最後に確認・調整している」12.0%、「値段が安い、または無料である」4.8%
- この傾向に属性差はなく、年代・性別・生成AIの利用頻度・創作経験のいずれでも有意な差は出なかった
- 「どれにも当てはまらない」=どんな条件でも受け入れられないと答えたのは7.5%のみ
- ただし「最初から表示されていれば気にならない」と答えた219名のうち44.7%は、AIと公表済みのインフルエンサーが薦める商品には「買いたい気持ちが下がる」と回答
- AI製だと知ってやめると思うものの1位は「通販サイトのレビュー」で利用者の70.7%。最下位は「ゲームやアニメのBGM」16.9%で、4.2倍の開きがあった
AIを受け入れる条件は、実質「開示」しかなかった
「AIが作ったものでも、次のどれかに当てはまれば気にならないと思いますか」と尋ねたところ、最も多く選ばれたのは「最初から『AIが作った』と表示されていた」で54.8%でした。

注目すべきは下位2つです。AI活用を説明する際によく使われる「人が最後に確認・調整している」は12.0%、「値段が安い、または無料である」は4.8%。この2つを合わせても16.8%にしかなりません。
AIを導入する企業は、品質面の不安には「最終的に人がチェックしています」と説明し、価格面では「その分お求めやすく」と訴えてきました。今回の調査では、そのどちらもほとんど支持されていません。求められていたのは品質保証でも値引きでもなく、単に最初に言うことでした。
この結果に属性差はない
年代、性別、生成AIの利用頻度、創作経験のいずれで分けても、回答の構成はほとんど変わりませんでした。

年代 p=0.65、性別 p=0.55、生成AIの利用頻度 p=0.54、創作経験の有無 p=0.45。いずれもカイ二乗検定で有意差はありません。生成AIをほぼ毎日使っている139名に限っても、「人が最後に確認・調整している」を選んだのは10.1%でした。
なお「どれにも当てはまらない」、つまりどんな条件でもAIが作ったものは受け入れられないと答えたのは7.5%(30名)にとどまりました。9割以上は、条件次第で受け入れる余地があると答えています。拒否されているのはAIという技術そのものではなく、条件が満たされていない状態のほうだと言えます。
ただし、開示すれば済むわけでもない
では、AIだと最初に表示すれば問題は解決するのでしょうか。そうとも言えない結果が出ました。
「はじめから『AIです』と公表されているインフルエンサーが商品を薦めていた場合、買いたい気持ちは人間のインフルエンサーと比べてどうなりますか」という問いに対し、全体の44.2%が「買いたい気持ちが下がる」と回答しています。
さらに、条件として「最初からAIと表示されていた」を選んだ219名だけを取り出しても、この割合は44.7%でした。全体と変わりません。

自分で「これなら気にならない」と挙げた条件が満たされていても、購買の場面では判断が変わっています。開示は最も支持された条件でありながら、それだけでは購買行動をつなぎとめられていません。
参考として、テレビCMの出演者が実在しないAIタレントだと後から知ったケースでは、41.0%が「買いたい気持ちが下がる」と回答しました。事前に公表されている場合(44.2%)と比べて、下がる人が減っているわけではありません。
AIが最も許されなかったのは「通販サイトのレビュー」
「好きだった、または頼りにしていたものが『実はAIが作ったものだった』と知ったとき、利用や応援をやめると思うもの」を16項目で尋ねました。以下は、それぞれの分野を普段利用している人だけを分母にした割合です。

1位は「通販サイトのレビュー」で70.7%。2位の「インフルエンサーの発信内容」52.0%を18.7ポイント引き離しています。3位は「写真」51.5%でした。
最下位は「ゲームやアニメのBGM」の16.9%。1位との差は4.2倍です。同じ「AIが作った」でも、どこで使われるかによって受け止め方はまったく違います。
拒否されたのは「信じて使っているもの」だった
上位に並んだ3つには共通点があります。レビューは商品がどうだったかの報告として、インフルエンサーの発信はその人が実際に感じたこととして、写真は現実に何があったかの記録として、いずれも内容を信用して受け取っているものです。
一方、下位に並ぶ絵・ストーリー・脚本・BGMは、作り話として楽しんでいるものです。この2つのまとまりで集計を分けると、明確な差が出ました。

両方を利用している343名で比べると、信じて使っているものの拒否率は平均53.2%、楽しむために見ているものは29.3%でした(Wilcoxon検定 p<0.0001)。信じているもののほうが厳しい人が209名、逆が88名です。
同じ要素でも、ジャンルによって拒否率が違った
作り話として楽しんでいるものの中では、要素の種類による差は出ませんでした。漫画の絵38.2%とストーリー37.3%に差はなく(p=0.90)、小説の筋書き44.5%と文章39.6%にも差はありません(p=0.20)。
差が出たのはジャンルのほうでした。同じ「ストーリー」でも、同じ「絵」でも、どのジャンルのものかによって拒否率が変わっています。

同じ人の中で比べても差は残りました。漫画とゲーム・アニメの両方を利用している220名では、漫画の絵42.3%に対しゲームやアニメの絵は29.5%(p<0.0001)。小説とゲーム・アニメの両方を利用している133名では、小説の筋書き47.4%に対しゲームやアニメのストーリーは31.6%でした(p=0.0003)。
ここまでが、今回のデータで確認できたことです。
なぜジャンルによって差が出るのかは、この調査からは特定できません。小説や漫画のように作者ひとりの名前が前面に出るジャンルほど拒否率が高く、集団で制作されるゲームやアニメほど低い、という並びには見えます。ただし今回は「そのジャンルの作り手の名前を知っているか」を尋ねていないため、これは仮説にとどまります。ジャンルごとの利用の深さや作品への思い入れの強さなど、別の要因が働いている可能性も残ります。
なお、16項目の中で最も許容されたのはゲームやアニメのBGMで16.9%でした。
同じ映画の中でも、線は引かれている
この構造は、ひとつの作品の内側にも現れます。

映画を利用している271名のうち、脚本がAI製だと知ったらやめると答えたのは31.7%。一方、出演者の顔がAIに置き換えられていた場合は42.8%でした。出演者だけを選んだ人が57名、脚本だけを選んだ人が27名で、有意な差があります(p=0.0014)。
同じ一本の映画の中でも、脚本と出演者では受け止め方が違っていました。作品全体を作り話として受け入れている人でも、そこに映る人物については別の基準を持っている、と見ることができます。
自由記述で最も多く挙がった場所は「YouTube」
「これはAIが作ったものだった」と後から知ってがっかりした経験を自由記述で尋ねたところ、400名全員が回答しました(平均72.8文字)。「がっかり」「残念」「裏切られた」「騙された」に類する表現は37.2%(149件)に含まれていました。
具体的な場所として最も多く言及されたのはYouTubeで19.2%(77件)。選択肢には一度も出していない語です。内容の多くは、感動を狙ったショート動画でした。
「動物が人を助ける動画を見たときに感動したけれど、それがAIが作ったものだったと知った時はがっかりした」
「AIだと知っていたら、感動ストーリーなんて最も見ていなかったジャンルだと思うので、騙された気分になったし、人の善意を搾取されたような気持ちになった」
「YouTubeで、少し懐かしいシティポップ系の新曲が流れていたので気に入っていたのですが、あとからAIが作成していたことを知ってがっかりしました。もし人間の歌手が歌っていたら購入しようと思っていたのですが、結局、購入を見送りました」
イラストや小説をめぐってAIの是非が議論される一方で、実際にがっかりした経験が語られた場所は、レビューとショート動画でした。
まとめ
AIが作ったものを受け入れてもらうために企業が用意してきた説明は、消費者にはほとんど届いていませんでした。「人が最後に確認しています」は12.0%、「安く提供できます」は4.8%。支持されたのは開示だけです。
ただし開示も万能ではありません。開示を条件に挙げた人でも、実際に開示されているAIインフルエンサーの推薦には44.7%が購買意欲を下げています。
そして、AIが特に強く拒否されたのは創作の領域ではなく、レビューや写真といった、内容を信用して受け取っているもののほうでした。作品の中でも、映画の出演者のように実在の人に関わる部分だけが同じ水準まで上がっています。
AIをどこまで使えるかは、技術の水準ではなく、その情報を受け手がどう扱っているかによって変わる。今回の調査からはそう読み取れます。ただし、なぜそこで線が引かれるのかまでは、この調査では明らかにできていません。
調査概要
調査名:AIが作ったコンテンツへの受け止め方に関する調査
調査主体:EnglishHub(GRAS Group株式会社)
調査方法:インターネットによるアンケート調査(ランサーズ)
調査対象:全国の10代~60代の男女
有効回答数:400名
調査時期:2026年9月
回答者の内訳:男性59.5%/女性39.0%/上記以外・回答したくない1.5%。年代は40代35.2%、50代26.2%、30代22.2%、60代9.0%、10・20代7.2%
※構成比は小数第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
※「利用や応援をやめると思うもの」の設問は、各項目とも、その分野を普段利用していると回答した人のみを分母として集計しています。
※「気にならなくなる条件」の設問は、最も近いものを1つ選ぶ形式で集計しています。
※占い、悩み相談・カウンセリング、マッチングアプリの3分野は、利用者数が少なく安定した推計ができないため、集計から除外しています。
EnglishHubについて
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(例)出典:EnglishHub「AIが作ったコンテンツへの受け止め方に関する調査」
English Hub 編集部
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