AIに日本旅行を相談すると、日本語では東京、英語では京都が1位に。韓国語では福岡も候補に

「初めて日本を旅行するなら、どの都市がおすすめ?」。同じ条件でも、AIに何語で聞くかによって、答えは変わるのでしょうか。

16言語で調べたところ、日本語では東京、英語では京都が1位になりやすいという違いが見られました。また、英語では候補に入らなかった福岡が、韓国語では半数の回答に登場しました。

たまたま出た答えではないかを確かめるため、同じ調査をもう一度実施。この2つの違いは、新しい回答でも確認できました。

どんな質問をした?

初めての日本旅行。時期は10月、期間は7日間。予算は中程度で、移動は公共交通機関。この条件で、おすすめの都市を5つ、順番に挙げてもらいました。

旅行者の国籍や、好きなものは伝えていません。「質問の言語から国籍や好みを推測しないでください」とも指示しています。

日本語なら東京、英語なら京都。1位が入れ替わった

もう一度行った調査では、日本語で質問した20回のうち、東京が1位になったのは18回。英語では、京都が18回で1位でした。

日本語では東京、英語では京都が、それぞれ20回答中18回で1位。
図1:1位に選ばれた回数。再確認した日本語・英語各20回答を集計。

最初の調査も、どちらも18回でした。さらに、同じ意味の2通りの質問文に分けて確認しても、日本語では東京、英語では京都が多く1位になっています。

ただし、英語では東京が勧められない、ということではありません。東京も京都も、日英どちらの回答にも毎回登場しました。違ったのは、どちらを先に勧めるかです。

韓国語では福岡が登場。英語では一度も出なかった

言語によって変わったのは、順番だけではありません。「おすすめの5都市に入るかどうか」にも違いがありました。

分かりやすい例が福岡です。英語では20回中0回でしたが、韓国語では10回。最初の調査でも、同じく0回と10回でした。

福岡が5候補に入った回数は、英語0回、韓国語10回。各20回答。
図2:福岡が上位5都市に含まれた回数。順位点ではなく、登場回数を比較。

20回答をまとめたランキングでも、韓国語では福岡が5位になりました。日本語と英語の5位は金沢です。

順位 日本語 英語 韓国語
1位 東京 京都 東京
2位 京都 東京 京都
3位 大阪 大阪 大阪
4位 広島 広島 広島
5位 金沢 金沢 福岡

再確認した各言語20回答の集計順位。回答ごとに1位5点、2位4点、3位3点、4位2点、5位1点を付け、合計点が高い順に並べました。選ばれなかった都市は0点です。

これは「韓国語なら、いつも福岡が5番目に出る」という意味ではありません。福岡が出ない回答もあり、質問の言い回しによって登場回数も変わりました。それでも、2通りの質問文のどちらでも、英語より韓国語のほうが福岡を多く挙げました。

変わらなかったことも。東京・京都・大阪は16言語すべてでトップ3

一方で、質問する言語を変えると、おすすめがまるごと変わるわけではありません。

東京・京都・大阪は、どの言語でも毎回、5都市の中に入りました。集計ランキングでも、この3都市が全16言語のトップ3を占めています。大阪はすべての言語で総合3位でした。

今回見えたのは、「共通する定番」と「言語ごとの違い」

東京・京都・大阪は共通して強い。その中で東京と京都の順番が変わったり、その次の候補に福岡が入ったりする——そんな違いが見られました。

前回と今回を比べると、16言語中12言語で、総合トップ5の都市と順位が同じでした。

一度出た違いが、そのまま続くとは限らない

再確認で弱まった違いもあります。中国語の回答では、札幌の登場が20回中10回から5回に減り、集計順位も同率5位から7位に下がりました。

そのため、「中国語では札幌が上位になる」とは言い切れません。AIの答えには揺れがあるので、目立つ答えが一度出ただけで結論を出さないことが大切です。

「何語で聞くか」も、AIの答えを見るポイントに

今回の調査では、旅行条件をそろえても、質問言語によって、おすすめの順番や候補都市に違いが見られました。

ただし、これは日本人や韓国人の旅行の好みを調べた結果ではありません。調べたのは、AIが日本語・英語・韓国語などの質問にどう答えたかです。なぜ違いが出たのかも、今回の結果だけでは分かりません。

AIに旅行先を相談するときは、答えを一つの候補として受け取り、自分の興味や行きたい場所も伝えてみる。今回の結果は、AIのおすすめを読む際に、質問の条件と言語にも目を向けるきっかけになりそうです。

調査方法

2026年10月20日、OpenAIのAIモデル「gpt-5.6-luna」を、プログラムから質問を送る仕組み(API)で利用しました。ChatGPTの画面を使った調査ではありません。

16言語それぞれに、同じ意味を目指して作った2通りの質問文を用意し、各10回ずつ質問しました。1回の調査は16言語×20回答=320回答。最初の調査と再確認を合わせると640回答です。この記事の図とランキングは、再確認の320回答を使っています。

モデルと旅行条件は共通で、インターネット検索や、それまでの会話履歴は使っていません。1本の旅行日程ではなく、旅行先候補となる5都市を聞きました。

再確認も同じ日に行っています。別の日や別のAIでも同じ結果になるかは未確認です。また、各言語の翻訳を母語話者が独立して確認する作業は行っていません。言語の違いと、翻訳・言い回しの違いを完全に分けることはできません。

全16言語のランキングを見る
質問言語 1位 2位 3位 4位 5位
日本語 東京 京都 大阪 広島 金沢
英語 京都 東京 大阪 広島 金沢
中国語 東京 京都 大阪 広島 奈良
韓国語 東京 京都 大阪 広島 福岡
スペイン語 東京 京都 大阪 広島 金沢
フランス語 東京 京都 大阪 広島 金沢
ドイツ語 京都 東京 大阪 広島 金沢
アラビア語 東京 京都 大阪 広島 金沢
ポルトガル語 東京 京都 大阪 広島 金沢
イタリア語 東京 京都 大阪 広島 金沢
ロシア語 東京 京都 大阪 広島 金沢
ヒンディー語 東京 京都 大阪 広島 金沢
インドネシア語 東京 京都 大阪 広島 金沢
タイ語 東京 京都 大阪 広島 金沢
ベトナム語 東京 京都 大阪 広島 金沢
トルコ語 東京 京都 大阪 広島 札幌・金沢

同点は同順位。トルコ語は金沢・札幌が同率5位です。順位は各言語20回答を点数にしてまとめたもので、すべての回答がこの順番だったわけではありません。

 

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