英検(実用英語技能検定)は、1963年の創設以来の累計受験者数が1億人以上を超える、名の知れた英語検定試験です。
受験級が7段階に分かれた試験の設計上、英検では受ける級によって問題の難易度や出題傾向が異なります。そのため、最短ルートで合格を目指すには、目標級に応じた試験対策を行うことが重要です。
この記事では、英検4級の試験内容やレベル、合格点など、試験対策に役立つ情報を解説します。
目次
※この記事は、2024年6月時点の調査内容をもとに作成しています。最新情報については、英検のウェブサイト等をご確認ください。
英検4級のレベルと合格点
中学中級程度の英語力が目安
英検4級は、7つある受験級のうち、最も初歩的な5級から一段階進んだレベルで、英語力の目安は中学中級程度です。
5級に引き続き、英語の運用能力向上に欠かせない基礎知識とスキルが試されます。
英検4級の合格基準点
英検の試験結果では、受験級に対する合格/不合格の判定に加え、英検CSEスコアが算出されます。
英検CSEスコアとは、全受験級共通の評価スケール(0~4000点)で、級ごとに合格基準点と満点が決まっています。
英検4級では、リーディング・リスニングの2科目の英検CSEスコアに基づいて合否を判定します。5級の試験と同様、ライティングタスクの出題はなく、スピーキングはオンラインテスト(任意受験)が用意されています。
英検4級のスピーキングテストは、リーディング・リスニング試験の結果に基づく合否が発表された後に受験可能となります。合格・不合格にかかわらず申込者全員が受験できるテストで、スピーキング試験の成績がすでに発表されている合否結果に影響を与えることはありません。
- 一次試験(リーディング・リスニング):622点/1000点満点中
※オンラインで任意受験できるスピーキングテストのスコアを合わせた場合の3技能の満点は1500点です。
英検4級のワンランク上の3級からは、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4科目すべての結果に基づいて合否判定が行われます。
そもそもの試験科目数が違うため、英検CSEスコアを一概に比較することはできませんが、4級の受験時にスピーキングテストを含む3科目で3級の合格点により近いスコアを取得できていれば、その後3級を目指す際にもスムーズに合格を狙えるだけの実力が備わりつつあるといえるでしょう。
英検4級の試験内容
一次試験の出題内容
英検4級の一次試験は、リーディング(35分)・リスニング(約30分)の2科目で、ライティングタスクの出題はありません。試験時間は合計約65分です。
測定技能 | 課題と問題数 |
リーディング |
・短文の空所補充(15問) ・会話文の空所補充(5問) ・日本語訳の付いた短い英文の並び替え(5問) ・長文の内容一致選択(10問) |
リスニング |
・会話の応答文選択(10問) ・会話の内容一致選択(10問) ・物語文や説明文の内容一致選択(10問) |
スピーキングテストの出題内容
英検4級では、一次試験(リーディング・リスニング)の結果発表後、オンライン上でスピーキングテストを受験できます。一次試験での合否にかかわらず全員が受けられるテスト(任意受験)で、所要時間は約4分です。
測定技能 | 課題と問題数 |
スピーキング |
・25語程度のパッセージの音読(1問) ・音読したパッセージの内容に関する質問への応答(2問) ・イラスト中の人物の行動や物の状況についての質問(1問) ・受験者自身や日常生活の身近な事柄についての質問への応答(1問) |
英検4級対策のコツ・合格のための勉強方法
リーディング対策
英検4級の試験では、5級にはなかった長文読解の問題が新たに加わります。長文パートで出題されるパッセージは、下記の3種類です。
-
【英検4級 長文問題で出題されるパッセージの種類】
- 掲示・案内(ポスターなど)
- Eメール(手紙文)
- 説明文(特定の人物や出来事に関する説明など)
長文タスクを解く際におすすめなのは、問題の質問文に目を通してからパッセージを読む方法です。
はじめにタイトル(Eメール・手紙文の場合は件名や書き出し)を読んで全体のトピックを把握し、その後問題文をざっと一読してから本文の読解に移ると、「解答のためにはどんな情報が必要か」を頭に入れた上で内容を読み進めることができます。
また、計10問の長文読解タスクを含めたすべての問題を解き終わるには、全体の時間配分に気を付けながら解答のペースをつかんでおくことも重要です。過去問や模擬試験は、毎回時間を計りながら試験本番を意識した環境で取り組むとよいでしょう。
リスニング対策
英検4級のリスニング問題は第1部~第3部まであり、すべてのパートで音声が二回ずつ流れます。英文が読み上げられるスピードも比較的ゆっくりなため、はじめに聞き逃してしまった分があっても、落ち着いて対応すれば二回目の音声で挽回が可能です。
物語や説明文を聞く第3部は、他のパートと比べて問題音声がやや長いこともあり、慣れないうちは難しいと感じるかもしれません。また、一題の音声で二人以上の人物について触れるケースが多く、「誰が」「いつ」「何を」など、話されている内容を複数の観点から正しく理解する必要があります。
問題音声の中の名詞や動詞を単語単位で聞き取るだけでは正答を導き出せない可能性もあるので、音声を聞きながら全体の情報を整理できるように繰り返しリスニング練習をしておきましょう。
スピーキング対策
英検4級では、5級と同じくオンラインでのスピーキングテストが提供されています。このスピーキングテストは、級認定には影響しない独立した試験となっており、リーディング・リスニング試験の結果に基づく合否発表が行われた後に受験可能となります。
スピーキングテストの受験は任意ですが、3級以上の試験で課される二次面接試験を見据えた練習としてもぴったりです。
スピーキングテスト出題される、聞き取りやすい発音を意識した音読、イラストやパッセージの情報を参照しながら短い質問に答えるタスクなどは、自らの英語のアウトプットスキルの弱み・強みを改めて意識するきっかけとなります。ぜひ積極的に活用し、さらなるスキルアップのために役立ててください。
まとめ
英語の基礎力をさらに伸ばしていく段階の英検4級は、初中級レベルへのスムーズな移行に欠かせないステップです。
適切な試験対策をした上で合格をつかみ取り、その後のレベルへと進んでいく自信を身につけましょう。
【参照サイト】公益財団法人 日本英語検定協会|英検(実用英語技能検定)
【参照サイト】公益財団法人 日本英語検定協会|英検S-CBT
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English Hub 編集部
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