イギリス留学あるいは旅行を計画している人へ、今回は現地の支払い事情に関するお話です。イギリスに長期滞在する場合、食品などの買い物からフラットの家賃、ガスや電気料金、携帯、インターネット接続料金など、日常生活の中で様々な支払いが生じてきます。通貨の違う国へ渡航する際、現地の支払い事情は非常に気になるところ。イギリスでの決済方法には多数の選択肢がありますが、多くのイギリス人は支払い目的によって決済方法を使い分けています。ここではまずどのような支払い方法があり、それらがどのように使われているかに触れてから、日本からの留学生や旅行者にとってより便利だと思われる決済方法をご紹介します。
イギリス国内での主な支払い方法
イギリス国内での支払い方法には、以下のようなものがあります。
デビットカード
イギリス国内で普及率も利用度も一番高いのが、デビットカードです。デビットカードでの支払いはクレジットカード決済と異なり、直結している銀行口座から即時引き落としされます。クレジットカードのような審査がなく、手軽に入手できることも人気の理由の一つです。イギリスで使われる主要なデビットカードには、マエストロ(Maestro)、デビットマスターカード(Debit Mastercard)、ビザデビット(Visa Debit)、ビザエレクトロン(Visa Electron)などがあります。
クレジットカード
イギリス国内のクレジッドカード利用率は、以前はそれほど高いとは言えませんでした。この背景には、クレジットカード支払いの場合に決済金額の最低額を設定している店舗が多数あったことや、デビットカード決済が広く普及していたことなどがあります。クレジットカードを使える店舗自体も、デビットカードと比較すると少ないのが現状でした。
しかしながら、最近ではクレジットカードと紐付いた電子マネーの普及や、コンタクトレスチップを搭載したカードの普及により利便さが向上。クレジットカード利用の際の最低額を設ける店も少なくなったことなどから、クレジットカード決済の利用率も上昇をたどっています。イギリスのクレジッドカードは、ビザ(Visa)、マスターカード(Mastercard)、アメリカンエクスプレス(American Express)などが主流です。最も普及率が高いのがビザカードで、アメリカンエクスプレスは、ビザやマスターと比較すると普及率が多少低くなります。
コンタクトレス決済
コンタクトレス決済とは、カードやスマートフォンなどを端末にかざすだけでスピーディーに支払いを済ますことができる決済方法です。たとえばコンタクトレス機能の付いたクレジットカードの場合には、サインは不要です。またPIN(暗証番号)の入力も、ほとんどの場合一定の金額までは不要です。(PINの入力の有無については認証システムによって異なる場合あり)
近年のイギリスでは、コンタクトレス対応カードによる決済の利用が年々上昇しています。コンタクトレス決済は、対応マークの付いている加盟店ならどこでも行うことができます。特にロンドン市内では、小売店を中心にコンタクトレス決済用の端末設置が普及し、現金やりとりの必要がない利便さが、業者にも消費者にも大変人気です。コンタクトレス決済では「レシートレス」を採用する店舗も多数あるなど、レシートの電子化も進んでいます。イギリス国内でコンタクトレス決済が最も頻繁に利用される場所の一つは、スーパーマーケットです。
小切手
日本では、個人消費者にとって馴染みの薄い小切手ですが、イギリスでは長期に渡って主要な決済方法でした。しかし、即時決済が可能なデビットカードが誕生し、小規模の小売店を含む隅々にまで普及したことや、近年のコンタクトレス決済の広まりにより、小切手の利用は年々減少。現在小切手を利用する層は、カードやコンタクトレス決済へのアクセスを持たない年配、特に高齢者世代に留まる傾向にあるようです。
小切手を持つにはイギリスの銀行へ口座を開設する必要があるため、旅行者や短期滞在の外国人には通常縁がないものです。小切手の他にはDirect Debit(口座引き落とし)、Standing Orders(自動振替)などの決済方法が存在し、公共料金その他の定期的な支払いをする際に頻繁に利用されています。利用には小切手と同様、イギリスの銀行に口座を持っている必要があります。
現金
イギリスでは昔から、前述のように小切手による支払いが普及していました。そのため、カードが普及する以前も、現金による支払いが主流というわけではありませんでした。カード決済の普及とともに、イギリスはますますキャッシュレス社会になりつつあります。
日本人旅行者&留学生にとって便利な支払い方法は?
これまでイギリス国内の支払い事情についてお話しましたが、日本からの旅行者や留学生にとって一番安全かつ便利なのは、カードによる決済でしょう。イギリスは欧州各国の中でもコンタクトレス決済が非常に発達しているので、渡航の際にコンタクトレス機能付きのクレジットカードやデビットカードを準備しておくことをおすすめします。
カードを一枚だけ用意する場合は、イギリス国内で普及率の一番高いビザがおすすめ。また、イギリスではペイパルやアップルペイ、グーグルペイなど電子マネー決済の普及も加速しているので、これらの口座を開設しておくのもよいでしょう。
現地通貨への両替は、通常最もレートが悪く、手数料も高額な場合が多いため、現金の持参はなるべく最小限にするのが賢明です。また、イギリスの銀行と提携している日本の銀行のキャッシュカードがあれば、イギリス国内でも自分の口座から現金を引き出すことが可能です。
まとめ
イギリスでの決済方法、いかがでしたか?小切手での決済など、日本とは勝手が違うものもありますが、カードによる決済は日本と全く同じ要領。ビザ、マスター、アメリカンエクスプレスなど日本でもお馴染みのカードがあれば、イギリスでも問題なく使えます。コンタクトレス決済の普及で特に便利になった点は、ジュース一本などの少額の買い物や、地下鉄やバスの運賃をカードで支払うことができるようになったことです。コンタクトレス決済の普及に伴い、面倒でレートの悪い現金の両替を最小限に留めることが可能になりました。決済の電子化により、通貨にも国境がなくなりつつあります。
【関連ページ】イギリス語学留学
【参照サイト】Contactless payments continue to grow in the UK
【参照サイト】London taxi cabs required to accept card and contactless payments
【参照サイト】Different types of mobile payments explained
【参照サイト】Payment Methods in the UK(InterNations GO!)
【参照サイト】Contactless Mobile Card Payment Readers:7 UK Options Compared Which Is Cheapest?
【参照サイト】UK Payment Markets Summary
Yukari
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