英語講師に聞く、日本人学習者が間違いやすい5つの英語表現

英会話をしている際、自分の言いたいことが相手に上手く伝わらなかった経験はありませんか?このようなつまずきは、日本語と英語の概念の違いによって起きる間違いが一因になっていると考えられます。また、文法としては正しくても、ネイティブには少し不自然に聞こえる表現もあるでしょう。

今回は、英語講師である筆者の経験をもとに、日本人学習者が間違いやすい英語表現の例を5つご紹介します。

日本人学習者が間違いやすい5つの英語表現

1. sorryの使い方

感謝の気持ちは“Thank you.”で表す

日本語では、お礼を言う場面でも「すみません」と表現することがあります。そのため、贈り物をもらった時や人に何かをしてもらった時、日本人は「こんなことまでしていただいてすみません」という気持ちをそのまま英語に訳し、“Sorry for this.”などと言ってしまいがちです。しかし、お礼を述べる際にsorryを使うと、相手の行為を「残念に思っている」ようにも捉えられかねません。英語では、シンプルに“Thank you.”と言って感謝を表すと、誤解なく気持ちが伝わります。

店員を呼ぶ際のマナー

アメリカのとあるレストランで、日本人客が“Sorry, sorry!”と大声で店員を呼んでいるのを耳にし、何が起こったのかと驚いたことがあります。その方は単に注文をしたかったようですが、欧米諸国において大きな声で店員を呼ぶことはマナー違反にあたります。注文が決まったら、メニュー表を閉じて合図をする、店員に目線を送るなどして、相手が気付くのを待つのが一般的です。何か必要なことがあれば、店員がテーブルの近くを通った際に“Excuse me.”と声をかけましょう。

イギリスでは謝罪以外にもsorryを多く使う傾向がある

イギリスでは、sorryという言葉が「生活の中の潤滑油」のような存在になっており、比較的よく使用される傾向があります。時には、“Sorry to bother you.(お邪魔してすみません)”などと相手を気遣ったり、近くにいる人を呼び止める際に「ちょっとすみません」という意味でsorryを使ったりする場合も。ただし、イギリスでも、前述の例のように遠くにいる店員を大声で“Sorry!”と呼ぶことはありません。海外に行った際は、言葉の使い方だけでなく現地でのマナーにも気を配るとより快適に過ごせるでしょう。

2. 否定疑問文への答え方

英語の否定疑問文への答え方は、多くの日本人学習者が苦戦する場面の一つです。

  • Don’t you like baseball?(野球は好きではないのですか?)

【よくある間違い】
 ー Yes, I don’t like it.
 ー No, I like it.
【正しい答え方】
 ー Yes, I like it.(野球が好きな場合)
 ー No, I don’t like it.(野球が好きではない場合)

日本語では相手の質問そのものに対して「はい」か「いいえ」で答えるのに対し、英語では自分自身の答えの内容が「肯定」か「否定」かをYes/Noで表します。このような違いがあるにもかかわらず、英語でも日本語と同じような答え方をすると、好きなのか嫌いなのかがはっきりせず、相手を混乱させてしまうのです。

筆者が英語を教えていた受講生の中にも、この違いでつまずき、否定疑問文への答え方の集中特訓を行った方がいます。「通常の疑問文でも否定疑問文でも、質問の種類に関係なく、自分の意見が肯定なのか否定なのかを考えて答えましょう」とアドバイスをした上で練習を重ねたところ、英語でも正しく答えられるようになりました。

3. goとcomeの使い分け

友達と待ち合わせをしていて、あなたが少し遅れてしまったとします。そんな状況で「今行くよ!」と伝えたい場合、英語ではどのように表現したらよいでしょうか?日本人学習者の中には、「行く」という日本語につられて、“I’m going now!”と言いたくなる方も多いかと思いますが、正しくは“I’m coming now!”です。goは話の中心となっているポイントから離れていく動作を表すのに対し、comeはその中心に近付いていくイメージを持ちます。

一方、日本語では、話し手の目線を基準に「(待ち合わせ場所に)行く」と表現します。これをそのまま英訳すると、“I’m going now.”となり、聞き手に「待ち合わせ場所とは違うどこか別のところに行ってしまう」というイメージを与えかねません。英語の場合は、話の基点となっているポイントを意識しながらgoとcomeを使い分けるようにしましょう。

4. 単数形と複数形の使い分け

日本人学習者がつまずきやすい文法項目として思い浮かぶのが、英語の単数形・複数形の使い分けです。英語には数えられる(可算)名詞と数えられない(不可算)名詞があり、可算名詞の場合は単数か複数かを区別する必要があります。一方、日本語では数えられるかどうかで名詞を分類することはなく、「私はペンを持っています」と言ったとしても、そのペンが1本なのか複数なのかは読み取れません。

日本語の概念に慣れ親しんでいる日本人にとっては、英語を話す際に可算・不可算や単数・複数の区別が難しいことがあります。特に、文脈によって可算・不可算のどちらにもなりうる名詞の使い方には注意が必要です。

  • We had grilled chicken for dinner.(私たちは夕食に鶏肉のグリルを食べました。)
  • 食用の「鶏肉」は不可算名詞として扱われるため、単数形の名詞の前に付ける冠詞(a/an)や複数形の名詞の語尾に付ける-sは不要。

  • I like chickens.(私はニワトリが好きです。)
  • 生き物としての「ニワトリ」は可算名詞のため、単数形または複数形を使用する。“a chicken”と言った場合は、複数いるニワトリの中の1匹だけを指していることになり、この文脈では不自然。

日本人学習者には、可算・不可算名詞の区別だけでなく、単数形の冠詞(a/an)や複数形の語尾の-sを付け忘れてしまうシンプルなミスも多く見受けられます。このような間違いは、ある程度時間をかけられるライティングなどの場面よりも、とっさに言葉を返さなければならないスピーキング時により頻繁に起きるのが特徴です。正しく使い分けをするためには、まずは文脈ごとにそれぞれの名詞がどんな形で使われているのか、リスニングやリーディングの際に特に注意深く意識を向けてみるとよいでしょう。

5. 現在分詞と過去分詞の形容詞的用法

「退屈しています」という状況を英語で説明しようとして、“I’m boring.(私は退屈な人間です)”と表現し、周りの人の笑いを誘ってしまったという話を聞いたことがあります。ここで鍵となるのが、現在分詞と過去分詞の使い分けです。

  • 現在分詞
  • ー 形:動詞+ing(例:boring)
    ー 意味:~させる、~している

  • 過去分詞
  • ー 形:動詞+ed(例:bored)
    ー 意味:~させられる、~した
    ※規則変化動詞の場合

boring(現在分詞)とbored(過去分詞)は、いずれも形容詞としての働きを持ちますが、説明する対象によって使い分けが必要になります。“I’m boring.”という文の例では、何もすることがない状況に「退屈させられている」にもかかわらず、boringを使うことで自分自身が退屈な人間であるかのように表現してしまっていたのです。

boring/boredの他にも、間違いやすい例として、tiring/tired、exciting/excited、interesting/interestedなどが挙げられます。使い分けに迷った際は、人を「退屈させるもの(a boring book)」について言いたいのか、自分が「退屈させられている(I’m bored.)」ことを表現したいのかを考えた上で、現在分詞または過去分詞を選んでみてください。

まとめ

いかがでしたか?日本人学習者が間違いやすい英語表現の背景には、母語である日本語の影響も多くみられます。

自分の考えを英語で誤解なく伝えるには、できるだけ多くの英語を読んだり聞いたりするインプットに加え、アウトプット練習の際に英語講師やネイティブから客観的なフィードバックをもらうことが大切です。また、英語の映画やドラマなどを観て、日常のさまざまなシチュエーションで使われる英語表現に触れることも大いに役立つでしょう。

そして、学習を続けていくうちに使える英語表現の幅が広がり、「この日本語をそのまま英訳したら不自然なのでは?」などと立ち止まって考えることもできるようになるはず。今回ご紹介した5つのポイントは、英会話でもよく登場する表現ですので、ぜひ今後の学習に活かしてみてください。

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Yukari

Yukari

オーストリア、ウィーン在住。日本の大学ではフランス語を専攻、卒業後は英国の大学院で国際政治を学ぶ。これまでロンドン、ニューヨーク、トロント、モントリオール、パリ、シンガポールに在住。各英語圏における英語の違いに興味を持つ一方、イギリス英語に魅せられる。現在はリサーチャーとして主に欧州における英語・フランス語圏の政策調査に携わる傍、執筆活動も行う。

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