「英語を読むのが遅い人」と「速読できる人」の4つの違いとは?

TOEICや英検、大学入試試験など、英語の長文読解問題が出題される試験では、制限時間内に大量の英文を読み解く必要があります。そのため、英語を正確に読めるかだけではなく、いかに速く読めるかということが重要になってきます。上記のような各種英語試験に向けて勉強をしている人の中には、「自分はなぜ英語を読むスピードが遅いのだろう」と悩んでいる人も少なくないのではないでしょうか。

実は、英語を読むスピードが遅い人と速い人とでは、決定的ないくつかの違いがあります。今回は、両者の違いについてお話していきたいと思います。

「英語を読むのが遅い人」と「速読できる人」との違い


では早速、英語を読むスピードが遅い人と速い人の違いを見ていきましょう。

1. 英語の語順のまま読む力


△【遅い人】返り読みをしている
〇【速い人】前からそのまま読んでいく

英語を読むスピードが遅くなってしまう人の多くが行っているのが、英文の「返り読み」です。返り読みとは、英文を途中、もしくは最後まで読んだ後に、もう一度文頭などに戻って読み直すことです。返り読みを行ってしまう原因の1つには、英文を「きれいな(完全な)日本語」に訳そうとしながら読んでいることが考えられます。

英語と日本語は、語順のルールが異なります。そのため、頭の中で完全な日本語に訳しながら英文を読もうとすると、英文を前後に何度も行き来しなければなりません。その結果、多くのタイムロスが発生してしまいます。

一方、英語を読むスピードが速い人は、英語を英語の語順のままで読み進めています。書かれている英文の内容自体は正しく理解しながらも、逐次きれいな日本語に訳そうとはしていません。文頭から文末まで流れるように1回読めば意味を理解できるので、返り読みをしている人に比べ、スムーズに読み進められるのです。

英語を前からそのまま読む習慣やスキルを身につけるためには、「スラッシュリーディング」や「音読」などのトレーニングが有効です。スラッシュリーディングについては「TOEFL iBTのリーディングスコアアップに効果的なおすすめ学習法4選」を、音読のトレーニング方法については「音読の効果を最大化するために心がけたい5つのコツ」を参照ください。


2. 語彙知識のレベル


△【遅い人】語彙力が不足している
〇【速い人】語彙知識が自動化されている

英語力を伸ばすにあたって、語彙力を高めることは必要不可欠です。英文読解が苦手な人は、しばしばこの語彙力が不足しています。ここでいう語彙力の不足とは、「意味を知らない単語が多い」ということだけではありません。「瞬時に意味を思い出せない単語が多い」という場合も、英文を素早く読むために必要となる語彙力が不足している状態です。

英語を読むスピードが速い人は、単語の意味をただ「知っている」だけでなく、その語彙知識が自動化されています。語彙知識が自動化されている状態とは、「瞬時に単語の意味が思い浮かぶ」「単語の意味を聞かれた時に即答できる」といった状態のことです。

単語自体はインプットされているものの、意味を思い出すまでに「えーっと・・・」と時間がかかる状態の場合、その語彙知識は自動化にまで至っていません。自動化できている人に比べ、意味を理解するまでの時間が余分にかかるため、限られた時間内に文章を読み終えることができなくなってしまいます。

英語を速読できるようになるには、単語の意味を即座に答えられるレベルを目指して、語彙力を強化する必要があります。


3. チャンクごとに理解する力


△【遅い人】1語1語読んでいる
〇【速い人】チャンクごとに意味を掴んでいる

英語を読むスピードが遅い人は、英文に使われる単語の1語1語を切り離して読んでしまっている可能性があります。一方、英語を速読できる人は、英文を複数の語の塊(=チャンク)ごとに理解して読み進めています

1語ずつ意味を考えるのではなく、意味のチャンクごとに区切って英文を読み取ることによって、リーディングスピードは格段に上がります。英文をチャンクごとに区切って読めるようになるには、基本的な文法知識や、文構造を把握する力がまず必要です。また、前述したスラッシュリーディングなどの、英文を区切りながら読むトレーニングを行うことによって、意味を塊で捉える力を身につけることができます。


4. 英文構造を捉える力


△【遅い人】「なんとなく」で英文を読んでいる
〇【速い人】英文構造を素早く捉え、正確に読んでいる

英語を読むスピードが遅い人は、速読力だけではなく、英文を精読するための力が不足していることが考えられます。

ここでいう精読とは、英文を品詞レベルに分解し、文章の構造までを正確に理解するような読み方のことです。英文を読んで「なんとなく理解できる」という状態では、精読ができているとは言えません。

英文構造を意識しないまま文章を読んでいると、しばしば内容を曖昧にしか理解できません。その結果、一度読むだけでは意味を把握できず、同じ文章を繰り返し読んでしまうということにも繋がります。

英語を速読できる人は、精読できる力を備えています。文のSVOCを捉えられるので、それぞれの語・句がどの部分を修飾しているのかを判断しながら読み進められます。すると、英文の意味を素早く正確に理解することができるため、読解のスピードが上がります。

精読はじっくり時間をかけて文章を読み解く方法ですが、精読スキルを鍛えておくことが、結果的に英文の意味をスピーディに理解できることに繋がります。

まとめ

今回は、英語を読むのが遅い人と、速読できる人との違いをご説明しました。英語を速読できる人の特徴として、語彙・文法などの知識を豊富に持っているということが前提にあります。英語を読むのが遅くて悩んでいる方は、語彙と文法力の強化に加え、音読、スラッシュリーディングなどのトレーニングを行なってみてはいかがでしょうか。

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佐藤 千嘉

中学2年時にニュージーランドの現地校へ1年間留学。高校進学後、オーストラリアへ交換留学で再び1年間留学。高校在学中に英検1級、TOEIC965点、TOEFL iBT106点を取得。早稲田大学国際教養学部に現役合格。英会話講師やTOEICコーチの経験を経て、現在はフリーライターとして活動している。

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