自宅で少しずつでも子どもに英語を身につけさせたいと考えている方にとって、英語の「読み書き」の習得は気になるポイントの一つではないでしょうか?
英語はひらがなと違い、アルファベットの読み方を覚えるだけでは、読み書きができません。アルファベットの名前と、実際に単語で使われるときの読み方が異なるからです。では、英語圏の子どもたちはどうやって、英語の読み書きを覚えているのでしょうか?
その答えが、「フォニックス(Phonics)」という教授法。最近では子ども向け英語教育でも取り入れているところが多いため、聞いたことがある人も多いかもしれません。アルファベット26字の文字とそれぞれの持つ正確な音を覚えさせることで、知らない単語を見ても推測しながら読めるようになります。さらに、正確な音がわかることから、リスニング力が向上するという効果もあります。
英語圏では、子どもの読み書きの第一歩として必要な勉強なので、フォニックスの楽しい学習法がたくさん編み出されており、日本でも家庭での英語学習で簡単に取り入れることができます。そこで今回は、YouTubeの動画やアプリ、カード等を使って、子どもがフォニックスを楽しく身につけられる方法を厳選してご紹介します。
1. 初めてでも自然とフォニックスに触れられる「YouTubeの歌」
Alphabet Song for Kids
フォニックスの最初の一歩は、アルファベット26字のそれぞれの音を覚えること。こちらの歌では、「きらきらぼし」のメロディに乗せたおなじみのアルファベットソングに続いて、それぞれのアルファベットのフォニックスが出てきます。これは、カナダ発のPancake Manorという、人形などを使った歌や動画を製作している子ども向けウェブサイトが発信している、オリジナルのアルファベット・ソング。思わず楽しく体を動かしたくなるようなノリの良さが魅力です。動画を見ながら一緒に歌っているうちに、自然と英語を読む際の大事な基礎力を身につけられるので、特に幼稚園児までの子どもにおすすめです。
Phonics Song2
Phonics Song2は、英語圏の子どもたちにも絶大な人気を博している歌です。「A is for “apple”. “a”, “a”, “apple”」といった形で、単語と合わせてアルファベットの名前と音を覚えられます。単語と合わせて絵とつづりも表示され、耳と目を使って記憶することができます。英語を母語としない子どもも、ネイティブの子どものように、見たものを英語だけで覚えることができます。
2. 遊びながらフォニックスをマスターできる「Starfallのアプリ」
アプリのゲームで遊びながらフォニックスの基礎を覚え、読み方を定着させるという方法もあります。今回推薦したいアプリは、Starfallという米国の非営利組織が運営しているアプリです。スマートフォンやタブレットで使えるアプリとWeb版があり、Web版はダウンロード不要で取り組むことができます。どちらも無料です。この中から、おすすめのアプリを2つご紹介します。
Starfall ABCs
画面に表示されるアルファベット表からアルファベットを選ぶと、歌やアニメーションを用いた解説で、そのアルファベットの発音のしかたがわかります。同時に、そのアルファベットから始まる単語も、絵やつづりと共に覚えられます。アニメーションの動きや展開がアルファベットごとに異なるので、飽きずに取り組むことができます。
Starfall Learn to Read
「a、e、i、o、u」だけでなく「oa、ar、or」などの2文字のものも含めた母音ごとに、歌やお話がまとめられており、見聞きしながら読み方を学べます。3文字程度の単語を作るゲームも入っており、楽しくゲームに取り組むうちに、3文字程度の単語をどんどん読めるようになります。日本の学校ではあまり習わない方法でフォニックスを学習でき、大人にとっても良い勉強になります。
3. 日本語解説のゆるマンガ&動画「あいうえおフォニックス」
英語だけでなく日本語の解説もあるといいな…という方には「あいうえおPhonics」がオススメです。アメリカで子育てをすることになった日本人女性が、子どもの学校教育を通じてフォニックスに出会い、「フォニックスの良さを伝えたい」という想いで開設したウェブサイトです。サイトでは、ファジーとアリーというキャラクターが案内人となり、オリジナルの4コマまんがや動画で、特に日本人が苦手とする発音を中心に、読み方を紹介しています。動画は、絵の雰囲気や話す内容がゆるい感じで面白く、アニメを観る感覚で無理なく見続けられます。難しい解説は一切なし。親子で動画を楽しむうちに、英語特有の発音を覚えることができます。
4. フォニックスを使って楽しむ「アルファベットカード遊び」
最後に、アルファベットカードを使った簡単なフォニックスのゲームをお伝えします。用意するのはアルファベットカードのみ。百均で買ったものでも、自作のものでも何でもOKです。
フォニックスかるた取り
アルファベットのカードを場にランダムに並べます。読み手がアルファベットのフォニックスの読み方を言い、読まれた音のアルファベットカードを取ります。通常のかるた取りとルールは同じで、より多くのカードを取れた人が勝ちです。勝ち負けの要素を入れて楽しむために、できれば自宅に3人以上いるときに取り組むといいでしょう。
応用版として単語を言い、その単語のつづりの1文字目のアルファベットカードを取るというゲームもできます(例えば、「cat」と読まれたら「C」のカードを取ります)。
単語ゲーム
「フォニックスかるた取り」よりも高レベルとなりますが、こちらは親子2人~でも取り組めるゲームです。
アルファベットカードを1枚取り出し、そのアルファベットから始まる単語を一番早く言えた人が、そのカードを取ります。カードを一番多く取れた人が勝ちです。
まとめ
一度覚えてしまえば、英語の読み書きが簡単にできるようになるのが、フォニックスを覚える最大のメリット。歌などで基本的な読み方を身につけた後は、アプリやゲームを使いながら楽しく進めると、親子ともどもストレスなく、フォニックスに取り組めると思います。また、3文字程度の単語を読めるようになったら、ぜひ日々の生活で目にする英語を一緒に読んでみてください。身の回りの英語を読めることが、自信につながります。
フォニックスの習得は、子どもが大きくなった後の学校の勉強にも効果があります。フォニックスが身についていると、単語の読み方や書き方のイメージがつきやすくなるので、英単語を楽に覚えられるようになるのです。ぜひ、英語の読み書きの世界への入り口として、楽しみながらフォニックスに触れてくださいね!
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曽我美穂
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