日本人にとっては定番の海外旅行先とも言える台湾。地理的にも近く、経済的・文化的な繋がりも深いです。台北101や故宮博物院など、数々の観光名所で知られる首都・台北や、歴史情緒あふれる古都・台南、雄大な自然が広がり、原住民文化の集積地でもある台東など、各都市に特色があるのも魅力です。ファミリーマート(全家)やユニクロ、丸亀製麺など、日系ブランドが数多く進出しており、アニメや音楽、ドラマなど、日本のエンターテイメントも広く親しまれていることから、どこか「海外なのに海外ではない」居心地の良さを感じる日本人の方も多いのではないでしょうか?
その一方で、近年は台湾ならではの伝統や文化を取り入れた創作を奨励し、産業としての発展を目指す「文創」ムーブメントが盛り上がっています。お洒落で洗練されたカフェやバー、ライブハウス、ギャラリーなども多く、最先端のカルチャーやアートへの関心が高い方も楽しめる要素が満載。今回はそんな台湾が海外旅行先としておすすめな理由について、これまでに20回以上台湾を訪問し、中国語の短期留学での滞在経験もある筆者の実体験を交えて詳しくご紹介します。台湾旅行を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
滞在経験者が語る、海外旅行先に台湾をおすすめしたい8つの理由
1. アクセスが良い
日本から台湾へのアクセスは非常に良いです。日本各地から直行便が出ており、東京↔︎台北間のフライトであれば、所要時間は3~4時間程度です。JAL(日本航空)やANA(全日本空輸)といった日本の大手航空会社はもちろん、ピーチ・アビエーションやジェットスターといったLCC(格安航空会社)も運行しています。あるいは、エバー航空(EVA Air)やチャイナエアライン(China Airlines)、タイガーエア台湾(Tigerair Taiwan)といった台湾の航空会社も利用できるので、選択肢は豊富だと言えます。
2. 現地での交通手段が豊富
台湾は、都市部であれば交通手段が豊富なので、身動きが取りやすいのも魅力です。例えば台北市であればMRT(地下鉄)だけでも6路線が運行。台北市を囲む新北市にある、新店や淡水などの観光地をはじめ、市外各所にまで伸びているので非常に便利です。駅から少し離れた場所へのアクセスであればタクシーもおすすめ。北部の台北市、新北市、基隆市では、初乗りが85元(約395円)、その後は200メートルごとに5元(約23円)(※1)加算される料金体系となっており(※2)、東京と比べると比較的お得です(※3)。
また、台湾高速鉄道(新幹線)は西部を最高時速300キロで往来しており、台北から台南や高雄などの南部の都市への日帰り旅行をも可能にしています(台北から台南までは、台湾高速鉄道で片道約1時間45分~2時間。台北から高雄までは、片道約2時間~2時間15分)。加えて、島を一周するように走る台湾鉄道を利用すれば、宜蘭や花蓮、台東など、東部の主要都市のみならず、地方の小都市にもアクセスできます。鉄道を利用して、台湾一周の旅を計画するのもおすすめです。
※1 2023年7月5日時点のレートで算出
※2 台湾観光局・台湾観光協会「2023年4月より台湾北部のタクシー料金値上がり。初乗車70元から85元に!」
※3 テレ朝news「14日からタクシー初乗り500円に値上げ 東京23区などで約15年ぶり」
3. 豊かな食文化
台湾観光における「最大の魅力」と言っても過言ではないのが食べ物。小籠包や牛肉麺、魯肉飯といった定番の料理以外にも、台南の名物麺料理:タンツーメン(担仔麺)や、甘辛いソースがかかった牡蠣のオムレツ:オアジェン(蚵仔煎)、ネギの入った香ばしいパンケーキ:ツォンユーピン(蔥油餅)、大豆ベースのデザート:トウファ(豆花)など、数え切れないほどたくさんの料理を楽しむことができます。また、「台湾おにぎり」としても知られているファントゥアン(飯糰)や、台湾版おでんの關東煮など、日本食を彷彿とさせる料理もあるので、「食べ物が合わなくて食事に困った」ということにはなりにくいと思います。
さらには客家人や原住民など、台湾に住まうエスニックグループ固有の料理が味わえるのも魅力。例えば、筆者は台東で原住民の部族の一つ、アミ族の料理を食べました。新鮮な山菜を使用しており、調理法はシンプルながらも味わい深く、とても貴重な文化体験となりました。都市部はもちろん、地方でその土地固有の料理を試すのもおすすめです。
4. 治安が良い
世界各都市の物価・交通・犯罪率などをデータベース化したサイト「NUMBEO」が発表した「世界犯罪指数/安全指数ランキング(Crime/Safety Index)」によると、台湾の安全指数は世界2位でした(※4)。筆者自身、これまで台湾で犯罪の被害に遭ったことは一度もないどころか、見知らぬ台湾人に助けられたことが何度もあります。例えば、道で財布を落としたことにしばらく気づかなかった時、拾った人が返しに駆けつけてきてくれたり、熱中症になりかけ、開店前の屋台で休ませてもらったら、飲み物まで出してくれたり、そんな経験がいくつもあります。もちろん人によるので、全ての台湾人にそれを期待するのは見当違いでしょう。しかし、少なくとも筆者が経験した限りでは、外国人が困っている時、手を差し伸べてくれる台湾人は多いと感じました。
※4 TAIWAN TODAY「NUMBEOのランキング、台湾の安全指数は世界2位」
5. 地方も魅力的
台湾といえば、まず首都・台北を想起する方は多いかと思います。しかし、台湾の魅力は台北だけにとどまりません。例えば、「台湾の京都」とも称される南部の古都・台南は、歴史的建造物や寺院が多く、リノベーション文化も盛んなことから、レトロでお洒落な雰囲気が漂っています。その一方で東海岸の都市・台東に行けば、海と山に囲まれた雄大な自然が広がり、アウトドアを楽しむことも可能。原住民文化の集積地としても知られており、アミ族やパイワン族、ブヌン族などの集落を訪れ、その文化を学ぶことができます。
それ以外にも、南部最大の都市・高雄や、美術館が多く、カルチャースポットも目白押しな台中など、都市ごとに独自の文化や景観があり、違いを楽しむことができます。筆者は東部の花蓮県で、その代表的な景勝地、七星潭を訪れ、コバルトブルーの美しい海に癒されました。
6. アウトドアが楽しめる
台湾は豊かな自然も魅力です。島の面積の3分の2が高山や林地とも言われており、海に囲まれているので、アウトドアに最適な場所がたくさんあります。登山やハイキングはもちろん、墾丁や台東、花蓮にはサーフィンができる場所もあります。台湾は九州と同程度の面積であることから、自転車やバイクで島を一周する「還島」も定番のアクティビティとして定着しており、挑戦する日本人もいます。
筆者が台湾で経験したアウトドアはシュノーケリングです。屏東県から船で約30分の離島、小琉球を訪れた際、はじめて経験し、ウミガメを間近で見ることができました。
7. 最先端のカルチャーに触れることができる
エンタメやアートなど、カルチャー感度の高い人が楽しめる場所が多いのも台湾の魅力の1つ。近年は台湾ならではの伝統や文化を取り入れた創作を奨励し、産業としての発展を目指す「文創」ムーブメントが盛り上がりを見せており、台北のみならず各都市でお洒落なカフェやレストラン、バーを見つけることができます。
筆者は音楽が好きということもあり、台北ではライブハウスやクラブなど、音楽が楽しめる場所をよく訪れます。Legacy TaipeiやZepp New Taipeiなど、1,000人以上の収容が可能な規模の大きいライブハウスはもちろん、中小規模のライブハウスもたくさんあります。こういった場所ではロックやポップスなど、主にポピュラーミュージックが演奏されていますが、最近はジャズの人気も高まっており、生演奏が聞けるバーやレストランも多いです。また、最新の電子音楽が楽しめるクラブも多く、ナイトライフを楽しむ若者たちで溢れ、活気に満ちています。
8. 医療体制が整っている
台湾の医療・ヘルスケアは世界一という調査報告もあります(※5)。都市部であれば、多くの場合、大病院が見つかるので、旅行中に万一ケガや病気に見舞われた場合にも心強いでしょう。筆者は以前、台湾で酷い胃腸炎に見舞われた際、最寄りの大学病院の緊急外来を訪問。点滴を受け、薬を処方してもらい、数日で回復しました。台湾では日本の健康保険証が利用できないので、請求は高額でしたが、クレジットカードに海外旅行保険が自動付帯されており、そこには病気の治療費用も含まれていたので、全額戻ってきました。台湾のみならず、海外旅行を予定している方は、保険についても確認することをおすすめします。
※5 TAIWAN TODAY「台湾の医療・ヘルスケアは世界一、欧米に勝る=Numbeo調査」
まとめ
台湾は日本から地理的に近いだけでなく、現地での移動のしやすさや、多彩な食文化、治安の良さ、豊かな自然など、さまざまな観点からおすすめの海外旅行先だと言えます。海外が苦手な方でも、手軽に異国の雰囲気が味わえるのも魅力です。台北が観光地として魅力的なのは言うまでもありませんが、南部や東海岸など、ぜひ地方にも足を運び、その違いを楽しんでみてください。
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Toshi
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- 滞在経験者が語る、海外旅行先に台湾をおすすめしたい8つの理由 - 2023年7月11日