アメリカ留学において、注意すべきことの一つは治安です。外務省は、アメリカにおける犯罪が日本と比べ非常に多いため、アメリカへ出国する際は充分な安全対策が必要だと伝えています。そこで今回は、アメリカの治安情報の調べ方、治安の悪い地域に入らざるをえないときの対策、そして緊急時の対応策をご紹介します。
1.アメリカの治安情報の調べ方
渡航前に、外務省のホームページや現地のサイトを利用して治安情報を調べ、どのようなことに気をつければよいか知っておきましょう。また、滞在するアパートを契約する際にも、その地域が危険エリアでないか、調べる必要があります。特に、部屋が広くてきれいなわりに賃料が安いという場合は慎重に調べておきましょう。
外務省 海外安全ホームページ
まずは、外務省の「海外安全ホームページ」で危険スポットや広域情報を調べましょう。「国・地域別 海外安全情報」で表示される地図から「アメリカ合衆国」を選択すると、アメリカの危険・スポット・広域・感染症危険情報が確認できます。現在(2019年5月21日時点)、アメリカの危険情報は出ていませんが、「国・地域別 海外安全情報」から「安全対策基礎データ」を見ると、地域別にどのような犯罪が発生しているかが確認でき、どのような注意が必要なのかがわかります。
例えば、観光客に人気のニューヨークではスリや置き引きが多発しており、路上パフォーマンスに気をとられているうちに被害に遭うケースも報告されていることが記されています。このような場所では、カバンのチャックを必ず閉める、肩掛けカバンは常に体の前側で持つ、貴重品を机に放置したままトイレに行かない、などの心がけが必要なことがわかります。
外務省 海外安全アプリ 2019
2015年より公開されている、外務省の「海外安全アプリ」では、GPS機能を利用し、現在地及び周辺国・地域の安全情報の確認ができます。滞在地などをお気に入りに登録しておくと、その地域に対する渡航情報が出された場合にプッシュ通知が届きます。アメリカ各地の日本領事館の緊急連絡先を確認することもできるので、ダウンロードしておくと便利です。
CrimeReports
外務省ホームページ以外にも安全対策に便利なホームページがあります。中でもおすすめなのは、「CrimeReports」です。CrimeReportsは1,000以上の政府機関と連携しており、住所や地域の名前を入力することで、その地域周辺で起こった犯罪として報告されたものを調べることができます。犯罪が起こった場所は地図上で確認でき、避けるべき地域や道がわかります。ただし、犯罪のレポートをサイトに提供しない方針を持つ法的機関もあるので、すべての犯罪がCrimeReportsのサイト上に載っているわけではないという点に注意が必要です。
2.治安の悪い地域の見分け方
実際にアメリカ留学生活をスタートさせた後には、治安の悪い地域を見分けることも必要です。危険な地域の特徴として挙げられる、
- 小学校の周りにフェンスがしてある
- 窓の鉄格子や過度なグラフィティ(らくがき)がある
- 女性が厚着をし、単独行動をしていない
といった場所では、注意が必要です。また、アメリカでは観光客でにぎわうエリアの数ブロック先が危険な地域であるということが多々あります。危険という情報が特になくても、何かおかしいと思った際にはその場から離れることが大切です。
3.治安の悪い地域に入らざるをえないときの対策
飛行機を降りた後、どうしても空港の周りの治安が悪い場所を通らざるをえないというケースもあります。また、うっかり治安の悪い地域に入ってしまうということも起こりえます。そのため、治安の悪い地域に入る際の対策について知っておきましょう。
- 貴重品を分散する・体に密着させる
現金を数か所に分けて持ち歩く、貴重品をなるべく人前で出さないといった防犯対策をしておきましょう。マネーベルトやセキュリティポーチといった、貴重品を体に密着させておくことのできるグッズも便利です。
- ブランド物を身に着けない
ブランド物を身に着けていると、お金を持っていると思われ標的になる可能性があるので、現地の人のような目立たない恰好をすることが無難です。同様に、パソコンをそのまま持ち歩くのも避けましょう。
- 明るく広い道を選ぶ
なるべく明るく広い道を選んで歩き、集団が群がっていたり、大きな車が道の横に停まっていたりする場合は、反対側の道を歩きましょう。大きな車、ごみ箱、工事現場などは障害物となり、人目につきにくい場所となります。人知れず誘拐されてしまうことを避けるため、人が隠れるスペースのある場所は避けましょう。アパートなどに裏口がある場合でも、なるべく正面から入るように心がけることが重要です。
- 運転中は車の鍵を閉める
車の運転中は常に鍵を閉め、後ろをつけられている気がしたら、自宅の駐車場に到着していたとしても、決して車から降りないことが重要です。車のドアを開けられ、性犯罪や強盗の被害に遭うという事件が起きています。
4.緊急時の対応策
万が一スリや置き引きの被害に遭った場合は、相手は生きるために命がけで盗みを行っている場合もあるので、抵抗せずに、欲しがるものを渡すのが得策です。運転しているときに後ろからつけられているかもしれないと感じたときや、何かしらの危険を感じたときは、すぐに警察に報告をしましょう。
また、隣人の激しい喧嘩や暴力に気づいたときには、ドアを開けて現場を確認したりせず、速やかに911に電話をし、緊急事態の起きている場所の住所、発信元の電話番号、状況や救急車の必要性などを、相手側からの質問に応じて説明します。その際、匿名にしたい意思を伝えることも可能です。仲間意識の強い犯罪者の友達やグループが、警察に通報した人を確認し根に持つケースも起こりえるため、現場に近づかずに警察に通報することが大切です。もし英語が通じないときには、「ジャパニーズプリーズ」と伝えると、通訳を通して状況を説明することが可能です。警察が来るまで電話を切らないように伝えられるので、そのまま到着を待ちましょう。警察が到着しアパートの扉をノックされたり、話しかけられたりしても、自身の匿名希望の旨を伝えている場合は、知らないふりをして大丈夫です。アメリカでは、自分の身は自分で守ることを踏まえての行動が必要です。
まとめ
アメリカは語学留学や旅行に人気が高い一方、日本と比較すると犯罪件数が多く、習慣の違いからも日本とは異なる危険がたくさんあります。ご紹介したホームページなどで治安情報を調べ、充分な安全対策をすることで、安全で楽しいアメリカ留学を実現させてください。
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【参照サイト】外務省 海外安全ホームページ
蟹っ娘(かにっこ)
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