英検(実用英語技能検定)は、小学生~中学・高校生の子ども世代を中心に年間400万人以上の志願者が挑戦する英語試験です。7つの受験級を一つひとつクリアしていくことで、基礎~上級レベルまで着実に英語力を高められます。
英検に合格するためには、受験級ごとに異なる試験内容や出題傾向を踏まえた上で対策に取り組むことが重要です。
この記事では、英語初心者向けの基礎力チェックとして最適な英検5級の試験内容やレベル、合格点など、試験対策に役立つ情報を解説します。
目次
※この記事は、2024年6月時点の調査内容をもとに作成しています。最新情報については、英検のウェブサイト等をご確認ください。
英検5級のレベルと合格点
中学初級程度の英語力が目安
英検5級は、7段階に分かれた受験級のうち最も初歩的なレベルで、中学初級程度の英語力が目安とされています。
先々のステップアップに欠かせない重要な基礎知識が試されるため、英語学習を始めたばかりの子どもなど、初学者の最初の目標としてもぴったりです。
英検5級の合格基準点
英検の試験結果は、受験級に対する合否判定と英検CSEスコアの二つが含まれます。
英検CSEスコアとは、すべての受験級に共通する0~4000点までの評価指標で、級ごとの合格基準点と満点が決まっています。
英検5級の試験科目はリーディング・リスニングのみで、ライティングセクションはありません。そのため、英検5級の合否はリーディング・リスニングの2技能の合計スコアのみで判断されます。
なお、リーディング・リスニング試験の結果に基づく合否が発表された後は、オンライン上でスピーキングテストを受験できます。スピーキングテストの受験は任意となっており、結果が合否判定に影響を与えることはありません。
- 一次試験(リーディング・リスニング):419点/850点満点中
※オンラインで任意受験できるスピーキングテストのスコアを合わせた場合の3技能の満点は1275点です。
試験結果を受け取った後は、合否判定だけを見て終わらせるのではなく、英検CSEスコアも参照した上でその後の学習計画を立てるのがおすすめです。英検CSEスコアを確認することで、不合格時の合格ラインまでの不足スコアが明確になるほか、合格していた場合でも次に目指す級までの距離感がつかみやすくなります。
たとえば、英検5級のワンランク上の4級の合格点(リーディング・リスニング2技能合計)は622点です。仮に5級の受験時に4級の合格点に近いスコアを得られていれば、すでに4級取得を目指せる範囲内まで実力がついていることがわかります。
英検5級の試験内容
一次試験の出題内容
英検5級の一次試験は、リーディング(25分)・リスニング(約20分)の2科目のみで、ライティングセクションはありません。試験時間は合計約45分です。
測定技能 | 課題と問題数 |
リーディング |
・短文の空所補充(15問) ・会話文の空所補充(5問) ・日本語訳の付いた短い英文の並び替え(5問) |
リスニング |
・会話の応答文選択(10問) ・会話の内容一致選択(5問) ・イラストの内容一致選択(10問) |
スピーキングテストの出題内容
英検5級では、一次試験(リーディング・リスニング)の結果が発表となる合否閲覧日以降、任意のスピーキングテストを受験できます。スピーキングテストは、オンラインの専用サイト上で行われ、所要時間は約3分です。
測定技能 | 課題と問題数 |
スピーキング |
・20語程度のパッセージの音読(1問) ・音読したパッセージの内容に関する質問への応答(2問) ・受験者自身や日常生活の身近な事柄についての質問への応答(1問) |
英検5級対策のコツ・合格のための勉強方法
2技能のスコアのみで合否が決まる英検5級では、リーディングとリスニングの試験対策がメインとなります。
リーディング対策
英検5級のリーディングセクションでは、長文を読むタスクはありません。出題内容は、短い英文の空所補充や語順の並べ替え問題が中心で、単語・熟語の語彙知識と文法に対する理解力が試されます。
5級に合格するために必要な英語レベルは、中学初級程度です。初級レベルの文法項目をカバーするには、中学一年生の授業で扱う単元を一つの目安に学習を進めるとよいでしょう。
たとえば、公立中学校用として採択されている教科書のうち、『NEW HORIZON English Course 1(東京書籍)』には、下記の文法項目が含まれます。
- 英語の語順
- be動詞と一般動詞
- 疑問詞
- 命令文
- 三人称単数現在形(肯定文・疑問文・否定文)
- 人称代名詞の目的格
- 現在進行形(肯定文・疑問文)
- 感嘆文
- 一般動詞の過去形(肯定文・疑問文・否定文)
- be動詞の過去形
- 過去進行形 ほか
※出典:東京書籍|NEW HORIZON 年間指導計画(略案)【1年】
※扱う文法項目の範囲は教科書により異なります。また、上記の内容は一例であり、英検5級試験での出題を保証するものではありません。
まずはリーディングセクションの過去問や模擬試験にチャレンジし、間違えた箇所があれば、どの文法項目がネックになっているのかをしっかりと確認した上で、理解が曖昧な部分をなくしておきましょう。
リスニング対策
英検5級のリスニングセクションでは、英文が二回ずつ流れます。一回目で聞き取れなかった部分があっても、焦らず集中力を切らさないことが大切です。
会話文が出題される第1部・第2部において解答の鍵を握るのは、What(何が)/Who(誰が)/When(いつ)/Where(どこで)/Why(なぜ)/How(どのように)などの疑問詞の聞き取りです。加えて、Do you~?/Can you~?といったYes/No疑問文に対する答え方や、日常会話でよく使われる応答表現(Sure./That’s right. ほか)も押さえておく必要があります。
また、読み上げられた三つの選択肢の中からイラストに合う英文を選ぶ第3部の問題では、身近な物事に関する名詞、基礎レベルの動詞、場所を表す前置詞、数字などを聞き取る力が問われます。
語彙学習をする際は、単語の意味だけでなく正しい発音もインプットし、リスニング時に音と意味をすばやく結びつけるための練習をしておきましょう。
スピーキング対策
英検5級では、リーディング・リスニング試験のスコアに基づく合否結果の発表後、オンライン上でスピーキングテスト(解答録音式)を受験できます。
5級のスピーキングテストは任意受験となっていますが、英語でのアウトプットを見据えた学習のきっかけになるだけでなく、3級以上のレベルで実施される二次面接試験の予行練習としても役立つため、積極的な活用がおすすめです。
スピーキングテストでの出題されるタスクは、短い英文の音読と質問に対する応答です。学習の際は、読む・聞く以外にも、発音を意識して英文を音読したり、イラストを見ながら描かれている人物の行動や様子を英語で表現してみたり、実際に声を出しながら行うアクティビティーを取り入れておくとよいでしょう。
まとめ
英検5級は、英語の基礎を学び始めた初心者にぴったりのファーストステップといえます。
今回紹介した試験の詳細や勉強法を参考に、合格を目指して試験対策に取り組んでみてください。
【参照サイト】公益財団法人 日本英語検定協会|英検(実用英語技能検定)
【参照サイト】公益財団法人 日本英語検定協会|英検S-CBT
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English Hub 編集部
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