英語ニュース記事の中でも経済ニュースは難関の一つです。経済ニュースで使われる英語には多くの専門用語やその分野特有の表現があります。また経済ニュースの中にも、ビジネス一般、金融、証券取引などの分野があり、同じ単語でもカテゴリーによって使われる意味が異なる場合もあります。
経済ニュースを読むコツは、まず経済分野のボキャブラリーを学び、用語とその使い方に慣れることです。経済用語にはその分野のみで使われる特殊なものも多数ありますが、言い換えれば、技術用語としてその使い方と意味を一度覚えれば、後は同じような表現が頻繁に使われるため理解が容易になります。
経済ニュースの理解に欠かせない英語のキーワード10選!
そこで今回はボキャブラリーを学ぶ手始めに、初心者が経済ニュースを読むときに知っておくと便利なキーワードをご紹介します。基本的な経済用語、会計専門用語の他に、英語初級者でも知っている比較的簡単な単語が別意で経済用語にも使われる例をピックアップしてみました。
英語の単語は複数の意味を持つものがほとんどです。例えば4種の意味を持つ単語の場合、どの意味がその文章で使われているのかは、前後の単語や文脈から判断する必要があります。特に専門用語を学習する場合は、どのようなシチュエーションで使うのかを理解しておくことが重要です。そこで、学習時には単語一つだけを覚えるのではなく、できるだけ熟語や短い文章での暗記をお勧めします。
1. book
名詞では本、書籍などの意味は誰もが知っていますが、経済分野では、会計用語として頻繁に使われ、その場合は複数形で「会計簿/帳簿」という意味になります。また「check book(小切手)」、「accounting book(会計簿)」という表現もあります。その他にもホテルや切符などを「予約する」という意味でも頻繁に使われます。
【用例】our corporate books(自社の帳簿)
(参照サイト:Linguee)
2. transaction
「取引」として金融分野では頻繁に使われる単語で、証券や外国為替などの取引を行うことを意味します。また金融機関での業務処理にもこの単語が使われます。
【用例】in funds transaction(資金取引において)
(参照サイト:Linguee)
3. firm
形容詞で「堅い/堅固な」また「安定した」という意味ですが、名詞では「商社/会社」という意味になり、経済ニュースで企業について述べるときこの単語が頻繁に使われます。
「accounting firm」 は会計事務所、「law firm」は弁護士事務所。また形容詞形の「堅固な」という意味は、金融・証券などで取引状況を言い表す時に使われる独特の言い回し「〜が堅調に推移」という表現の「堅調」に使われます。~ to remain firm という言い回しとセットで覚えると便利です。
【用例】C fuel oil has remained firm(C重油については、堅調に推移した)
(参照サイト:Linguee)
4. securities
security はすでに「セキュリティ」という日本語にもなっているように「安全/警備」、「機密保護」などの意味で知られますが、金融用語では通常複数形で「有価証券/(有価証券などであわらされる)資産/財産」という意味になります。複数形で金融関連/証券取引などのニュースで使われている場合は、まずこちらの意味と考えて良いでしょう。
【用例】gains or losses on securities(有価証券における損益)
(参照サイト:Linguee)
5. trend
すでにファッション用語として使われ日本語にもなっている「トレンド」という言葉は、現在の風潮、流行りという意味。これが経済用語として使われる場合は、市場などの「動向」(market trend)という意味になります。
【用例】market trends and exchange rate(市場動向と為替レートの変動)
(参照サイト:Linguee)
6. capital
英語初級では「首都/州都」という意味で多くの人が知っている単語ですが、経済用語では「資本(金)/資産/元金」という意味があり、「会社の資本金」といった表現などで頻繁に使われます。capitalを使った経済用語は多数あり、capitalの後に付けられる単語をいくつか学べば容易に語彙を増やすことができます。
【用例】capital gain(キャピタル・ゲイン/資本利得)、capital loss(キャピタル・ロス/資本損失)、capital investment(設備投資)
7. investment
名詞では「投資/出資/投入」です。この単語は経済分野の基本中の基本で、この意味で頻繁に使用されます。動詞形は「invest(投資する)」。通常は名詞、動詞共に「投資」に関連した内容の文章で使われることが非常に多いので、一緒に覚えておくと便利です。
【用例】The company A invested £5million in its manufacturing site(A社は、製造工場へ500万ポンドの投資を行った。)
8. utility/utilities
「有用/実用性」という意味の単語ですが、経済用語では、しばしば複数形で「公共施設/公共事業(ガス、水道、電気など)/公共料金」という意味で使われます。また証券用語では、複数で「公益事業株(債権)」という意味もあります。意味を見分けるには、ニュース記事がどの分野について書かれているのかを把握し、前後の動詞や形容詞で判断することがコツです。
【用例】utilities, energy and childcare companies (公益事業、エネルギーおよび育児関連会社)
(参照サイト:Linguee)
9. balance sheet
「賃借対照表」という意味で、会計分野では必ず出てくる単語です。他の用語が当てられるということはまずないので、「賃借対照表」=balance sheetとそのまま暗記すると良いでしょう。
【用例】balance sheet and profit and loss statement(貸借対照表と損益計算書)
(参照サイト:Linguee)
10. financial statements
複数形で「財務諸表/決算書」という意味で、これもbalance sheet と一緒に頻繁に使われる会計用語で、会社実績を示す年次報告書の中で会計部門には必ず出てきます。
【用例】net assets in financial statements (財務諸表における純資産の部)
(参照サイト:Linguee)
まとめ
経済ニュースに頻繁に使われる英単語10選、いかがでしたか?経済ニュースを読みこなすには、集中して経済用語を学び、ボキャブラリーを増やしていくことがとても重要です。本格的に学習したい人には、経済用語専門辞書も必須でしょう。ただし、専門辞書は、専門用語を英語→日本語、日本語→英語に置き換えてあるだけのものが多いため、その用語の意味するところまでわからない場合があります。そのため、内容を正しく理解するためには、日本語における経済専門用語の意味も把握しておく必要があります。それには対訳・語彙説明付きニュース記事を配信しているサイトやアプリなどを使っての学習がおすすめです。また普段から日本語の経済新聞も読んでおくと、経済英語の学習にも役立ちます。
最初は大変ですが、文章に慣れることで内容を理解するスピードは確実に上がってきます。Financial Timesや The Wall Street Journalなどの有名紙のニュース読破を目指して頑張りましょう!
【参照サイト】Linguee | English-Japanese dictionary
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