英文法参考書、どう選ぶ?押さえておきたいチェックポイントとおすすめ書籍

英語学習を成功させる上で大切なポイントの一つは、やはり英文法の習得と言えるでしょう。高校、大学受験、各種英語試験で必須であることはもちろん、近年ますます重視されるようになってきたコミュニケーション能力分野の習得を目指す学習者が、「まずは基本的な文法から」と考え、英文法学習に踏み出すケースが非常に増えています。

このような需要に加え、英文法学習のアプローチは時代による流行り廃りもあるため、毎年非常に多くの英文法関連書籍が出版されています。レベルや対象としている学習者も様々ですので、数多くの参考書の中から自分にぴったりのテキストを見つけることが、英文法学習の最初の一歩と言えるでしょう。

この記事では、学習者のレベル別に、自分に合った教材を正しく選ぶコツをご紹介していきます。学習者のレベル別、参考書選びのポイントはそれぞれ以下の通りです。

英語レベル別・英文法教材選びのポイント

初級者向け・3つのポイント

  1. キーワードは「中学3年間」
  2. なるべく薄くて文字数が少ないもの
  3. 解説だけでなく簡単な問題がついている

中・上級者(TOEIC600点~)向け・3つのポイント

  1. 大学受験向けの総合英文法書
  2. 試験対策など特定の目的に特化したもの
  3. 辞書レベルの細かい解説が理解をサポート

初級者向け・英文法教材選び3つのポイント

まずは【英語初級者】が参考書を選ぶ際のポイントを解説していきます。

①キーワードは「中学3年間」

英文法学習成功の秘訣は、「まずは広く浅く」です。中学校で習う英文法の単元(時制、不定詞、関係詞、など)を体系的に身につけることは、書く・聞く・話すなどのその他の技能の向上に直接役立ちます。また最初に網羅的に学習することで、理解の浅い単元や苦手としているところに気付くことができ、次のステップに繋げやすくなります。タイトルで「中学3年間…」と謳っている参考書は、重要な単元を全てカバーしながら解説を最小限に抑えたものが多く、基礎から英語を学びたいという方にはおすすめです。

おすすめ:中学校3年間の英語が1冊でしっかりわかる本(濱崎 潤之輔 著)

②なるべく薄くて文字が少ないもの

英文法の学習にはかなりの時間と根気が必要です。途中で飽きてしまったり中断してしまったりすることを防ぐために、参考書は分厚いボリュームのあるものではなく、薄くて最後まで終えられそうなものを選びましょう。また文字数が少なく、その代わりにイラストや図を用いて解説してあるものもおすすめです。視覚情報を取り入れながら学習することで記憶に残りやすくなります。余白が十分にある参考書であれば、空いたスペースに自分の言葉でメモを書き込むこともでき、自分だけのオリジナル参考書を作ることが可能です。

③解説だけでなく問題がついているもの

参考書の解説はどれもわかりやすいものばかりです。そのため読んだだけで理解したように感じてしまうことが多いのですが、学んだ内容は実際に使うことで初めて定着していきます。解説だけで終わるものに比べ、問題がついている参考書はこの点において特に優れているので、解説を読む→問題を解くというサイクルで学習していくのが良いでしょう。また、読んでいるだけだとつまらなく感じてしまう内容も、問題を解き終える毎に達成感が得られ、ゲーム感覚で学習が進み、継続もしやすくなります。

おすすめ:ハイパー英語教室 中学英文法ドリル(大岩秀樹・安河内哲也 編)

中・上級者(TOEIC600点~)向け・英文法教材選びの3つのポイント

ここからは、【中〜上級者の方】へ参考書を選ぶ際のポイントを説明していきます。

① 大学受験生向けの「総合英文法書」

すでに中学3年間で習うレベルの英文法が身についている方には、大学受験生向けに書かれた、いわゆる「総合英文法書」がおすすめです。大学受験レベルで問われる文法や表現が解説されているため、単元別により深く勉強したい方、あるいは特定の苦手分野を潰していきたいという方に最適です。単元毎に簡単な確認問題がついているものは、理解度チェックもできるのでさらにおすすめです。

おすすめ:総合英語be(鈴木希明 編著)

②試験対策など特定の目的に特化したもの

学習の目的がはっきりと決まっている方は、それに即した参考書を選ぶのが効率的です。例えば資格試験をゴールとしている場合、TOEIC対策として「Part5のための英文法」、英検やIELTSの英作文対策として「書くための英文法」、スピーキング技能の試験対策として「話すための英文法」など、身につけられる知識が明確に絞られている参考書で勉強することによって、目標に向けて効率的な学習が進められます。最近では、入試に外部検定を利用する大学も増えていることから、アウトプット技能の向上に特化した参考書が数多く出回っている傾向です。CD付き、別冊表現集付きなど、付録に注目してみても良いでしょう。

おすすめ:大学入試 肘井学の作文のための英文法が面白いほどわかる本(肘井 学 著)

③辞書レベルの細かい解説が理解をサポート

英文法をさらに極めていきたいという方には、①でご紹介した総合英文法書をさらに掘り下げ、類似表現の差異など細かいところまで解説がなされているものをおすすめします。持ち運びには向かないくらいの存在感があり、参考書というより辞書に近いですが、情報量が多い分、上級者の方や英語の指導者を目指すレベルの方には必須の知識が身につくはずです。

おすすめ:徹底例解ロイヤル英文法(綿貫陽・宮川幸久・須貝猛敏・高松尚弘 著)

まとめ

いかがでしたか?英文法関連の参考書は様々なタイプのものが数多くあります。その中からご自身のレベル、目標に合った最適の参考書を見つけ、英語学習を充実させていきましょう。

※ご紹介した書籍等に関する情報は、2020年12月現在のデータに基づくものです。変更や改訂の可能性がありますので、書籍ご購入の際は店頭やWEBサイトなどでご確認ください。

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