語彙力アップに効く!英単語は【接尾辞】で効率的にインプット

英語を上達させるためには、語彙力の向上が不可欠です。知らない英単語は、読むことも聞き取ることもできません。未知の単語が1つでもあると、リーディングやリスニングにおいて、全体の意味を理解できなくなる場合もあるでしょう。だからこそ、より多くの英単語を覚える必要があるわけですが、丸暗記をするのにも限界があります。そこで今回は、英単語の「接尾辞」に注目した、効率的なインプット方法をご紹介します。

そもそも「接尾辞」とは?

まずは、「接尾辞とは何か」を確認しておきましょう。

接尾辞とは単語を構成する「接頭辞(prefix)+語根(root)+接尾辞(suffix)」の一部で、英単語の末尾について品詞を変化させるものです。例として、「grace([動]美しく飾る、優雅にする[名]優雅さ、上品さ)」という単語を見ていきましょう。

  • graceful:[形]優雅な、上品な、しとやかな、優美な
  • gracefulness:[名]優雅、優雅、潔さ
  • gracefully:[副]優雅に、潔く、奥ゆかしく

「grace」という元の単語に、接尾辞「-ful」が付くことにより形容詞に、さらに「-ness」が付くことにより名詞に、「-ly」が付くことにより副詞に変化しています。

同じく「grace」に、「~のない、~に欠ける」という意味を持つ「-less」を含む接尾辞の例もみていきましょう。

  • graceless:[形]無礼な、不作法な
  • gracelessness:[名]緊張した人の優雅さのなさ、身のこなし、外見、動作
  • gracelessly:[副]品のない態度で、優美さがなく

このような接尾辞による品詞の変化を知ることで、効率的に語彙力を向上させることができます。

接尾辞を学ぶメリット

続いて、接尾辞を学ぶメリットをご紹介していきます。

品詞が判別できる

前述したように、接尾辞を学べば品詞がひと目で判別できるようになるので、似たような英単語に出会っても迷うことが少なくなります。また、品詞を変えたいときにも役に立ちます。

単語のおおまかな意味を類推できる

接尾辞を学ぶと、未知の単語に出会ったときにもおおまかな意味を推測できることがあります。

たとえば、「geology(地質学)」や「biology(生物学)」などの接尾辞「-logy」は、「学問」を表します。接尾辞「-logy」が「学問」を表すことを理解しておけば、「-logy」がついた未知の英単語に出会った場合にも、「何かの学問だ」と、おおまかな意味を捉えることができます。

また、「interviewer(インタビューする人・面接する人)」や「trainer(訓練する人・トレーナー)」の接尾辞「-er」は「~する人・もの」を表します。一方、「interviewee(インタビューを受ける人)」、「trainee(訓練を受ける人)」の接尾辞「-ee」は「~される人・もの」を表します。

動詞+「-er」が「する人」、動詞+「-ee」が「される人」であることを理解しておくと、たとえば「examiner(試験官)」や「examinee(受験者)」という単語に初めて出会った場合にも、意味を推測しやすくなります。

語彙力アップに効果的!覚えておきたい接尾辞7選

接尾辞を学べば、一つ一つの英単語をバラバラに丸暗記する必要がなくなります。効率的に語彙力を向上させるために、覚えておきたい接尾辞を紹介しましょう。

  1. -ly「~のような」、「~ごとの」

    「-lyが付くと副詞に変化する」と前述しましたが、厳密には、以下の2つの用法があります。

    形容詞+-ly=副詞
    名詞+-ly=形容詞

    形容詞に-lyが付くと副詞になり、名詞に-lyが付くと形容詞になります。具体例をみていきましょう。

    形容詞+-ly=副詞
    • actually
      [形]actual「実在の、現実の」+-ly
      ⇒[副]実際に、本当は、実は
    • correctly
      [形]correct「正確な、誤りのない」+-ly
      ⇒[副]正しく、正確に
    • originally
      [形]original「最初の、新たな」+-ly
      ⇒[副]本来は、当初は、もともとは
    • finally
      [形]final「最後の、最終の」+-ly
      ⇒[副]最後に、ようやく、ついに
    名詞+-ly=形容詞
    • monthly
      [名]month「月」+ -ly「ごとの」
      ⇒[形]毎月の、月々の
    • gentlemanly
      [名]gentleman「紳士」+ -ly「のような」
      ⇒[形]紳士的な
    • friendly
      [名]friend「友だち」+ -ly「のような」
      ⇒[形]友だちのような、優しい、親切な
    • woolly
      [名]wool「羊毛、ウール」+ -ly「のような」
      ⇒[形]羊毛の、毛織の
  2. -ent「人」

    「-ent」には、「人」をあらわす名詞の接尾辞としてのはたらきがあります。

    • president:[名]大統領、長(会長・議長・学長・理事長・社長など)
    • resident:[名]居住者、研修医
    • client:[名]依頼人、顧客

    -entが「人」であることを押さえることで、「居住すること、居住地」 という意味を持つ「residence」と混同しなくなるなど、単語を区別しやすくなります。

  3. -ent「性質」

    「-ent」には、前述した「人」という意味の他に、性質や状態をあらわす形容詞をつくるはたらきもあります。

    • affluent:[形]裕福な、金持ちの
    • efficient:[形]有能な、効率的な
    • consistent:[形]一致した、矛盾のない
    • excellent:[形]優秀な、優れた
    • fluent:[形]流ちょうな、雄弁な
    • dependent:[形]依存性の、依存している
    • independent:[形]独立した、依存していない
  4. -able「できる」
    「-able」は、形容詞をつくる接尾辞です。

    • available:[形]利用できる、入手できる
    • comfortable:[形]心地良い、ゆったりした、快適な
    • capable:[形]能力がある、有能な
    • incapable:[形]能力がない、無能な
    • stable:[形]安定した、不変の
    • unstable:[形]不安定な

      ※「否定」の接頭辞in-やun-がつくと反対の意味になるので併せて覚えておきましょう。

  5. -ment「こと」
    「-ment」は主に動詞の後ろに付き、名詞をつくるはたらきがあります。

    • disappointment:[名]失望、落胆
      (disappoint:[動]失望させる)
    • agreement:[名]同意、合意、承諾
      (agree:[動]同意する、合意する、承諾する)
    • department:[名]局、部、課
      (depart:[動]はずれる、それる、出発する)
    • establishment:[名]設立(創立・制定)すること
      (establish:[動]設立(創立・制定)する)
    • management:[名]経営、管理、マネジメント
      (manage:[動]経営する、運営する)
    • employment:[名]雇用
      (employ:[動]雇う、雇用する)

    動詞に-mentがついて名詞に変化しているので、意味を推測しやすいですね。

  6. -ous「性質」

    「-ous」は、性質をあらわす形容詞をつくる接尾辞です。

    • conscious:[形]意識のある、自覚している
    • unconscious:[形]意識のない、自覚していない
    • dangerous:[形]危険な、物騒な
    • suspicious:[形]疑わしい、怪しい
  7. -ize, -ise「する」
    「-ize」「-ise」は、動詞をつくる接尾辞です。

    • recognize:[動]識別する、見覚えがある
    • normalize:[動]標準化する、正常化する
    • summarize:[動]要約する
    • advertise:[動]宣伝する
    • centralize:[動]中心に集める、集中させる
    • internationalize:[動]国際化する
    • specialize:[動]専門に研究する、特殊化する

接尾辞への理解を深め、元となる単語から派生する複数の品詞を併せて覚えておくと、語彙力が一気に向上します。しっかり品詞が区別できるようになれば、意味を混同することもなくなります。

まとめ

長い英単語は一見すると難しく感じるかもしれませんが、接尾辞を理解していれば品詞の判別が可能になるものも少なくありません。また、接尾辞への理解が深まると、未知の単語でも何らかの推測ができるようになります。知らない単語に出会った際には、すぐに辞書で調べようとする前に、接尾辞から一度推測してみることを習慣化してみましょう。また、以前の記事「【語源】で定着、英単語!コスパの高い「語根」5選」でもご紹介した、語根からの推測も効果的です。

最初は、よく目にする接尾辞から学習を始めていくと良いでしょう。じっくり接尾辞と向き合っているうちに、語彙力が自然と向上していきます。英単語は効率的にインプットするのがベスト!丸暗記に時間を費やす必要はありません!

【参照サイト】Gogengo! (ゴゲンゴ) – 英単語は語源でたのしく

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reisuke

オーストラリア在住11年目。英語が最も苦手な教科でありながら英語を話すことに憧れ、海外生活を始める。コミュニケーションのツールとして英語を身につけ、現在では英語で夢を見るまでに。日本語教師として活動していることもあり、英語と日本語の文法の違いや国による英語の違い、言語と文化のつながりなどをライターとして発信中。

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