遊ぶにも、学ぶにも、働くにも良いロンドン。現地で過ごす一日に密着

皆さんこんにちは。ロンドンでエディターの仕事をしています、Megumiです。

学業やビジネス、デザインやアートなど、様々な面でヨーロッパの中心になっているロンドン。海外からの移住者も多く、クラシカルで落ち着いた雰囲気もありながら、いつも新しいものが生まれている刺激に溢れた街です。今回は、そんなロンドンで働いたり学んだりすることを検討されている方の参考に、ここでの日常生活をご紹介します。

遊ぶにも、学ぶにも、働くにも良いロンドン。現地で過ごす一日に密着

地下鉄はのんびりせざるを得ない?ロンドンの公共交通事情

起床して支度をしたら、私はいつも地下鉄で通勤しています。ロンドンの地下鉄はほとんど電波が入らず、地下に潜るとオフラインの状態になります。スマホでゲームなどをしている人もいますが、朝は紙の新聞を読んでいる人が一定数います。

そして地下鉄で新聞を読み終わったら、みんな、それを座席の上に置いていきます。そして次に座る人は、興味があればそれを手に取って読むのです。この「新聞の回し読み」はロンドンらしい風景だなと思っていつも見ています。

地下鉄の様子

地下鉄の様子

ロンドンの地下鉄の広告もユニークです。週刊誌などの派手な広告はなく、シンプルなデザインのものが多い印象で、私のお気に入りは詩が書いてあるこちら。イギリスでは、詩を読んだり書いたりすることを趣味にしている人も多く、言葉自体を楽しむのがより身近なように感じます。意味が汲み取れないものも多いものの、見かけるとつい読んでしまう広告です。

詩が書いてあるTransport for Londonの広告

詩が書いてあるTransport for Londonの広告

地下鉄ではたまに電気が消えたり、路線図が上下逆に貼ってあったりしますが、細かいことは気にしません

地下鉄ではたまに電気が消えたり、路線図が上下逆に貼ってあったりしますが、細かいことは気にしません

朝はカフェでコーヒーをゲット。豊富なメニューとお決まりの挨拶

気合いを入れたい日は朝に一杯コーヒーを飲んでからオフィスに向かいます。こちらで人気なのは「ロングブラック」や「フラットホワイト」。フラットホワイトはミルクが入っているのでクリーミーですが、ラテよりもエスプレッソに対してのミルクの量が少ないので、コーヒーの豆の香りをよりダイレクトに楽しめます。

フラットホワイト。ラテよりも小さな容器で出てきます

フラットホワイト。ラテよりも小さな容器で出てきます

「フラットホワイトを一つお願いします」と言うと、必ずと言っていいほど聞かれるのが「普通の牛乳でいい?」という質問。ロンドンではオーツミルクやソイミルクなど、植物性のミルクも豊富なので、そこで好きなミルクの種類を選べます。

ロンドンのカフェはフレンドリーな雰囲気のところが多いです。「Enjoy(コーヒー楽しんでね)」「Have a good day(良い一日を)」は帰り際のお決まりの挨拶。美味しそうなコーヒーが出てきたら「Lovely!」、コーヒーを淹れてくれた店員さんには「Thank you very much」とお客さんもしっかりとコミュニケーションを取る人が多い印象です。

ペット同伴も、共用部での会議もOK?開放的なオフィス

そのあとは、複数の会社やフリーランスの人で利用するコワーキングのオフィスに移動し、仕事をしています。オフィスで働き始めてまず驚いたことは、ペットを連れてきている人がいることです。ペットは大人しくしていますが、ときどきオフィスを歩き回っており、みんなと仲良くなっています。

オフィスでもカフェでも地下鉄でも犬をよく見かけます

オフィスでもカフェでも地下鉄でも犬をよく見かけます

また、音量には気をつけなければいけませんが、静かにしなければいけないゾーンなどはなく、オフィスではどこでもオンライン・オフライン会議をしてOK。常に誰かの声が聞こえているような環境です。

比較的空いている日のオフィスの様子

比較的空いている日のオフィスの様子

月曜日と金曜日は家でゆっくり仕事をする人も多く、オフィスの利用者が少ないので、私は逆に集中したい作業をそれらの日に当ててオフィスで働いています。

晴れた日は太陽を感じに。ロンドンには魅力的な散歩道がたくさん

ロンドンは晴れの日が少ないイメージがあるかもしれません。ヨーロッパ全体でそうなのですが、特に冬は曇りの日が多く、寒さや乾燥も相まって暗い気分に…。日光に当たらないとビタミンDが足りなくなるため、季節鬱にも注意しなければいけないほどです。

そうした背景もあり、晴れの日は貴重で多くの人が外に出ます。平日ちょっと「休憩」をしようと快適な散歩ができるのもロンドンの魅力です。

「歩行権」という言葉が生まれたほど歩くのが好きな人が多いイギリス。オフィスが集中するようなビジネス街でも、必ず近くに「フットパス」と言われる散歩用の道や、公園があります。

晴れた日の公園の様子

晴れた日の公園の様子

みんな、テラスでお茶をしたり、お酒を楽しんだりするのも大好きです。

開放的な雰囲気の店内で、地元の食材を使った夕食を。レストランにはある秘密が?

ロンドンは物価も高く、毎日外食をするわけにはいきませんが、ゲストが来たときなど特別な機会によく訪れるレストランがあります。それがハックニー・ウィックにある「Silo London(サイロ・ロンドン)」です。

Silo London

Silo London

このレストラン、実は世界初の「ごみ箱のないレストラン」として世界的に有名になりました。地元の農家と連携して食品パッケージのごみを無くしたり、食べ残しは堆肥にしたり工夫をすることで、レストランから出るごみをゼロにしています。

料理は一品一品頼むことも、コースで頼むことも可能

料理は一品一品頼むことも、コースで頼むことも可能

イギリスの地元の食材を使った美しい料理はもちろん、店員さんもフレンドリー。倉庫をリノベーションした店舗は天井が高く、ミニマルで洗練されたインテリアデザインも印象的です。

レストランのあるハックニー・ウィックはロンドン五輪をきっかけに再開発され、地元のクリエイターが集まるホットなエリアの一つ。食事の前後に川沿いを散歩するのも気持ち良いところです。

帰りはスーパーで買いもの。世界各地の食材・植物性の商品も揃う

イギリスは外食費が高く、すべてカフェやレストランで済ませるわけにはいかないので、基本的にスーパーで食材を買って自炊をします。ロンドンは40%が外国生まれの人と言われており、どのスーパーに行っても世界各国の調味料が置いてあります。小さなスーパーでも醤油くらいなら手に入るので、シンプルな日本食を作るのにも困りません。世界各国のスナックも置いてあるので色々と試すことができます。

スーパーの植物性・ベジタリアンコーナー

スーパーの植物性・ベジタリアンコーナー

また、人々の食事のスタイルも様々。ロンドンのほとんどのスーパーや飲食店には、ヴィーガンのコーナーやメニューが用意されています。「環境のため」「動物の権利のため」「自分の体調のため」など、人々がヴィーガンを選ぶ理由は様々ですが、こうしてコーナーとして設けられていると、生活に取り入れやすくなります。

遊ぶにも学ぶにも働くにも良い。懐の深い街(物価は高い!)

観光が楽しい街、大学・学校が集まっている街、ビジネスに便利な街など、世界には色々な特徴を持つ街がありますが、ロンドンは色んな意思を持った人のニーズを満たしているのが魅力的だと思います。歴史的な建築も多く、美術館や博物館も無料で開かれていますし、何かを勉強しようと思えば教育機関もたくさんあります。ヨーロッパやアメリカへのアクセスも良く、情報も人も常に集まっています。ヨーロッパの中では大きな都市なので忙しない雰囲気はありますが、なかなか飽きることはありません。

ロンドンの街並み

最近はインフレの影響もあり、物価がますます高くなっているのがネックですが、ロンドンを訪れる、または暮らす機会があればぜひ食事、観劇、音楽・美術鑑賞、散歩、ショッピングなど欲張りに楽しんでみてはいかがでしょう。

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Megumi

京都生まれ、東京育ち。ロンドン在住。大学院までは都市社会学を専攻、シンガポールを対象にフィールドワークを実施する。大都市での人々の生活と緑の関わりを引き続き探求中。好物は、コーヒー、広東料理、香りもの。

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