外国の方から日本文化について尋ねられ、思うように英語で説明できず、もどかしさを感じたことはありませんか?茶道は海外でも関心を持っている人が多く、茶道について英語で聞かれる機会も少なくないでしょう。ただ、いざ聞かれて答えようとしても、急に英語で説明するのはなかなか難しいかもしれません。
そんな際のヒントとなるイベントが実施されました。日本のソーシャルグッドなアイデアを世界に発信するメディア「Zenbird」が、4月21日(木)に開催したオンラインイベント、「Japanese Tea Ceremony and Sustainability」です。
ゲストスピーカーは、武者小路千家准教授の大岡やよいさん、石州流教授の穴井裕子さん、表千家教授の手島薫さん。茶道とサステナビリティの関わりについて、茶道の実演を交えながら英語で解説していただきました。
今回は、「Japanese Tea Ceremony & Sustainability」で学んだ茶道にまつわる英語表現を紹介しながら、当日の様子をレポートします!
英語で茶道とサステナビリティを学ぶ
今回のイベントのテーマは、日本の茶道とサステナビリティの関わりについて。奈良ビジターセンター内の茶室からの生配信で行われ、参加者も茶室にいるかのように感じられるほど、臨場感がたっぷりでした。茶道の実演に合わせて、部屋のつくり、主人と客人の関係、一つ一つの動作、道具などについて、英語で解説がありました。
その中で、茶道の文化がもつ「サステナビリティ」について、探っていきました。茶道には、現在のSDGsの考え方につながるような要素がいくつも盛り込まれています。サステナビリティに結び付けて解説をすることで、日本文化になじみのない海外の人にも、茶道の魅力をより感じてもらいやすくなります。
このように、日本文化を説明する際に、海外の方にもなじみのある考え方に沿って説明するのは、相手により深く理解してもらうのに有効な方法といえそうです。
茶道を説明する英単語
今回のイベントで登場した、茶道を説明する際に役立つ英単語をご紹介します。海外の人に英語で日本文化について伝える時にぜひ使ってみてください。
英語 | 日本語 |
tea ceremony | 茶道 |
host and guest | 主人と客人 |
tea room | 茶室 |
alcove | 床の間 |
hanging scroll | 掛け軸 |
tea container | 茶葉入れ |
pot | 茶釜 |
tea bowl | 茶碗 |
tea whisk | 茶筅(ちゃせん) |
fukusa(silk cloth) | ふくさ |
frothy | 泡立った |
utensil | 道具 |
ladle | 柄杓 |
tea bowlなど、すでに知っている単語の組み合わせも多くあります。簡単な英語で説明できることに驚きます。
茶道を説明する英語表現
次に、茶道で行われる動作を、英語でどのように表現していたかについて紹介します。
- The guest comes in through this small door.
(客人はこの小さい扉から茶室に入ります)
- Making the sound is very important because closing the door means all the guests have entered the tea room.
(扉を閉める音を出すことは重要です。なぜならすべての客人が茶室に入室したことを意味するからです)
- The host came in with special sweets.
(主人は特別な菓子を持って茶室に入室しました)
- bow to the guest
(客人にお辞儀をする)
- scoop tea powder from the tea container
(茶葉入れから抹茶をすくう)
- turn the tea bowl clockwise twice to show respect to the host
(主人への敬意を表すために、茶碗を時計回りに2回回す)
※茶碗の正面から飲むことを避けるため
茶道のサステナビリティを伝える英語表現
冒頭でお伝えしたとおり、今回のイベントのテーマは「茶道とサステナビリティの関わり」でした。茶道には、「平等」や「平和」、「他者への思いやり」など、持続可能な社会を実現する上で不可欠と言える多くの要素が含まれています。
今回のイベントで、実際にどのように茶道のサステナビリティを説明していたかについてご紹介します。
- Inside the tea room, we are all equal.
(茶室の中では、私たちはみな平等です)
- In the 16th century, samurais had to enter tea rooms without their weapons.
(16世紀に茶道を習っていた侍たちは、武器(刀)を茶室の外に置き、武器を持たずに茶室に入室していました)
- She used some water from the pot, so she added another two cups of water to the kettle. This means that the host always thinks about other people.
(主人はポットのお湯を使ったので、2杯の水をポットに入れました。主人はいつでも他の人のことを思いやるのです)
他にも、
- Utensils at the tea ceremony were made from organic materials like wood and bamboo.
(茶道の道具は、木や竹といった有機素材で作られています)
- The kimonos were also dyed with natural materials.
(着物も自然素材で染められています)
- The kimonos are passed down through the generations, from grandmother to granddaughter.
(着物は、世代を超えて受け継がれています)
といった、茶道に見られるサステナビリティについて、紹介がありました。
英語で日本文化を伝える際のポイント
イベント終了後に、英語で日本文化を伝える際のポイントについて、English Hub編集部から大岡先生にインタビューしました。大岡先生は、「英語でのお茶会」を10年間開催されています。その経験から、以下の2つのポイントを教えてくれました。
1. 簡単な英語を使う
海外からの観光客が必ずしも英語のネイティブスピーカーとは限らず、第二言語として英語を話す人もいます。大岡先生は、そのような人にも伝わるように、できるだけ簡単な英語を使うことを心掛けているそうです。
また、つい日本語の単語をそのままローマ字のようにして使ってしまいがちですが(茶碗→chawan、抹茶→macchaなど)、できる限り避け、英語で説明するようにしているとのことでした。
2. 海外の人から来る質問を参考にする
外国人観光客の方からは、日本人とは異なる視点での質問が数多くあるそうです。例えば、ポットの湯の温度や、茶碗に入れる湯の量など、日本人はなんとなく知っていることについても、海外の方は疑問に思うようです。時にユニークな質問に答えながら、海外の方にどのように日本文化を伝えればよいのかについて学んでいるとのことです。
海外の人からの質問に対して、きちんとした英語で答えないといけないと身構えてしまう人も多いと思います。大岡先生のお話を聞いて、簡単な英語で伝えるというシンプルなポイントが重要だと気づかされました。また、「実践あるのみ」とおっしゃっていたのも印象的でした。
英語で日本文化を知るイベントに参加してみませんか?
茶道を本格的に学んだ人でなければ、知らないことも多い茶道の世界。実際に奈良の茶室に行ったような気分で、サステナビリティと茶道の関わりについて、楽しく英語で学ぶことができました。
また、ゲストスピーカーの先生方の英語表現の豊かさに触れ、日本文化を英語で伝えることのすばらしさに感動したイベントでした。日本文化を海外の人に英語で伝えられるようになりたい、もっと英語を勉強したいと改めて強く思いました。
Zenbirdでは、今後も日本文化とサステナビリティに関するイベントを実施予定です。海外の方に英語で日本文化を伝えられるように、英語で日本文化を知るイベントに参加してみませんか?
【関連ページ】SDGsを英語で学ぶ「SDGs Compendium-英語xSDGs」がスタート!【Zenbird x English Hub】
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English Hub 編集部
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