みなさんは、エマ・ワトソンというイギリス出身の女優をご存知でしょうか。
ハリーポッターシリーズのハーマイオニー・グレンジャーの役として世界的に有名な女優です。エマ・ワトソンは、アイビーリーグの名門であるブラウン大学を卒業しており、知性派女優のイメージでも知られています。
今回はそんなエマ・ワトソンが国連で行なった感動的なスピーチをご紹介したいと思います。
1. エマ・ワトソンが大使を務める国連組織とその活動内容
エマ・ワトソンは2014年7月に国連の組織であるUN Womenの親善大使に任命されました。
UN Womenは、United Nations Entity for Gender Equality and Empowerment of Women(ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関)の略称で、2010年7月の国連総会決議により、設立されました。主に女性と女児に対する差別の撤廃、女性のエンパワーメントなどを目標として掲げている機関です。
2. エマ・ワトソンが行なったスピーチ内容
2014年9月20日、エマ・ワトソンはUN Womenの国連大使として、ニューヨークにある国連本部にて国連事務総長と共に、「HeForShe」というキャンペーンの発表スピーチを行いました。
「HeForShe」は、UN Womenによるジェンダー平等と女性の地位向上を目指す運動です。2017年2月時点で、世界中の120万人が「HeForShe」に署名しています。
エマ・ワトソンはスピーチで ”gender”(性)や、”feminism”(フェミニズム=女性解放論)について語っています。
今日では、世界中で”gender equality”(男女平等)の重要性が訴えられていますが、その一方で多くの国ではいまだ女性は男性より社会的に弱い立場であるのが実情です。
エマ・ワトソンは国連で行なったスピーチのなかで、自身が幼少期より経験した性差別について以下のように述べています。
“I started questioning gender-based assumptions when at eight I was confused at being called “bossy,” because I wanted to direct the plays we would put on for our parents — but the boys were not.
When at 14 I started being sexualized by certain elements of the press. When at 15 my girlfriends started dropping out of their sports teams because they didn’t want to appear “muscly.” When at 18 my male friends were unable to express their feelings. I decided I was a feminist and this seemed uncomplicated to me.
But my recent research has shown me that feminism has become an unpopular word. Apparently, I am among the ranks of women whose expressions are seen as too strong, too aggressive, isolating, anti-men and, unattractive.
Why is the word such an uncomfortable one?”
「私が性別にもとづいて決めてかかるような考え方に疑問を持ち始めたのは、8歳の時です。当時、保護者向けの遊戯で役を演じたがっていた私は、「偉そうな奴」と言われ戸惑うことがありました。
でも、男の子たちはそんな風には言われていませんでした。
14歳の時、性的な嗜好から私について書かれた内容が、雑誌に掲載されるようになりました。
15歳の時、女の子の友達は筋肉質に見られたくないという理由で、部活を辞めはじめました。
18歳の時、男の子の友達は素直に向き合ってくれなくなりました。
私は、フェミニストとして活動をする決意をしました。
それは自身にとってごく普通のことだと思っていましたが、最近の見聞きでフェミニズムという言葉自体が好まれないものになっているということを知りました。明らかに私は、主張が激しく攻撃的、男性を離し隔てるように嫌っていて、そして魅力的ではない女性の部類にあたるとされてしまいます。
なぜフェミニズムという言葉はここまで不愉快なものになってしまったのでしょうか。」
上記抜粋部分では、エマ・ワトソン自身が感じたことや、実際に体験した偏見などが交えられており、スピーチ全体に説得力が生まれています。
3. スピーチの中での印象的なフレーズ
その他にも、スピーチの中で述べられた印象的なフレーズをいくつかご紹介したいと思います。
- ”No country in the world can yet say they have achieved gender equality.”
「私たちの国は男女平等である、と断言することができる国は世界に一つもありません。」
- ”You might be thinking who is this Harry Potter girl? And what is she doing up on stage at the UN. “
「ハーマイオニー役の彼女は一体何者なのだ、と思われる方もいるかもしれません。彼女は国連の舞台に上がって一体何をしているのか、とも。」
- “I’m inviting you to step forward, to be seen, and to ask yourself, if not me, who? If not now, when?”
「あなたも前へと進み、表へと出て、自身に問いかけて下さい。自分でなければ誰が?今でなければいつ?と。」
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、エマ・ワトソンが国連で行ったスピーチをご紹介しました。
エマ・ワトソンが行なったスピーチは、全世界の国籍の人々に向けて発信されたものです。スピーチは全ての人たちに主張を明確に伝えるために、シンプルで理解されやすい言葉を使用しているため、英語学習にも最適です。日常の英会話や英語でのライティングに取り入れられる構文も多く使われているので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
佐藤 千嘉
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