オーストラリアのコーヒー文化を満喫!カフェで使える英語表現

オーストラリアに旅行や留学をしたとき、コーヒーの注文で戸惑う人は少なくありません。その理由は、オーストラリア独自のコーヒーが存在し、日本とは異なるためです。アメリカンを注文したくても、メニューでそれらしいコーヒーを見つけることはできません。また、ただ「コーヒー」と注文しても、カフェでは次々と質問を受けることになるでしょう。そこで今回は、オーストラリアのコーヒー文化を満喫するために、カフェで使える独自の呼称や英語表現をご紹介します。

コーヒー文化が浸透した歴史的背景

オーストラリアは英国に統治された歴史を持つため、かつてはコーヒーより紅茶の方が好まれていました。しかし、第二次世界大戦後、イタリアなどからの移民が増えたことにより、コーヒー文化が浸透していきます。1950年代にはメルボルンに最初の「エスプレッソ・バー」がオープン。現在メルボルンやシドニーには、パリよりも多くのカフェがあると言われており、オーストラリアは「コーヒー先進国」と呼ばれるまでに成長しました。

イタリアからの影響を強く受け発展したオーストラリアのコーヒーは、独自に発展したコーヒーを含め、イタリアの「エスプレッソ」をベースとしています。また、オーストラリアの隣国ニュージーランドのコーヒーも、オーストラリアと同様にエスプレッソをベースとし、コーヒーの呼称もほぼ同じです。ニュージーランドの首都ウェリントンは、オーストラリアのメルボルンと並び、世界有数の「コーヒーの街」として知られています。

オーストラリア独自のコーヒーを含むメニュー

店舗により多少メニューが異なりますが、代表的なオーストラリアのコーヒーをご紹介します。カフェでオーダーする際にお役立てください。

ショート・ブラック(Short Black):espresso

さまざまなコーヒーのベースとなるエスプレッソのこと。濃厚な香りや凝縮された酸味などコーヒー本来の味が楽しめます。「エスプレッソ」と呼ぶ人も。

ロング・ブラック(Long Black):espresso + hot water

シングルのエスプレッソにお湯を注いだコーヒー。日本で言うアメリカンに近いもの。

マキアート(Macchiato):espresso + milk foam

シングルまたはダブルのエスプレッソに泡立てたミルクをほんの少し注いだコーヒー。ショート・マキアート(Short Macchiato)とも呼ばれます。エスプレッソにお湯あるいは多めのミルクを注いだものはロング・マキアート(Long Macchiato)。

モカ(Mocha):espresso + hot chocolate + steamed milk

エスプレッソに少量のホット・チョコレートとたっぷりなスチームミルクを注いだコーヒー。

フラット・ホワイト(Flat White):espresso + steamed milk(+ milk foam)

エスプレッソに泡立てた倍量のスチームミルクを注いだコーヒー。スチームミルクとは、蒸気で温めながら泡立てたミルクのこと。オーストラリアでもニュージーランドでも一番人気のコーヒーです。

ラテ(Latte):espresso + hot milk(steamed milk) + milk foam

エスプレッソにホットミルクをたっぷり注いだコーヒー。泡立てたミルクをほんの少し加えることも。日本で言う「カフェオレ」のことで、「カフェ・ラテ」はイタリア語、「カフェ・オ・レ(café au lait)」はフランス語です。オーストラリアでは「ラテ」と呼ばれています。

カプチーノ(Cappuccino):espresso + steamed milk + milk foam + chocolate powder

エスプレッソに同量のスチームミルクと泡立てたミルクをたっぷり注ぎ、チョコレート・パウダーあるいはシナモン・パウダーをふりかけたコーヒー。


フラット・ホワイト、ラテ、カプチーノの3種類は、どれも「espresso + steamed milk」の組み合わせですが、泡立てたミルク(milk foam)の量が異なります。

フラット・ホワイト:0.5mm
ラテ:1mm 
カプチーノ:1.5mm

また、フラット・ホワイトとラテはスチームミルクの量がエスプレッソの倍ですが、カプチーノはエスプレッソとスチームミルクと泡立てたミルクの割合が1:1:1です。

オーダーの際の注意点

オーストラリアのカフェでコーヒーをオーダーする際に知っておくべきポイントをご紹介します。

持ち帰り(テイクアウト)か、カフェで飲むかを知らせる

オーダーの際、持ち帰りかカフェで飲むかを聞かれることがあります。持ち帰りの場合はテイクアウト用のカップ、カフェで飲む場合はセラミックのカップで提供されるためです。カフェによってはテイクアウト用のカップのみのこともあります。

サイズ

通常、サイズはラージ(Large)、ミディアム(Medium)、スモール(Small)の3種類ですが、ワンサイズだけの店舗もあります。通常、オーダーするところにサイズ見本が置かれているので、分からないときには確認しましょう。

ミルクが選べる

オーストラリアでは日本のようにブラックコーヒーを飲む人は少なく、多くの人がミルク入りのコーヒーを好みます。しかし、アレルギーなどの心配もあるため、オーダーの際にミルクを選ぶことができます。通常、普通の牛乳(full cream/ fresh milk)が使われますが、低脂肪のスキムミルク(skim milk / skimmed milk)や豆乳(soy milk)に変えることも可能。アーモンドミルク(almond milk)やライスミルク(rice milk)の場合は、多少の追加料金がかかる場合があります。

砂糖を入れるか入れないかを知らせる

店舗によってはコーヒーを作るときに好みの量の砂糖を入れてくれるので、オーダーの際に知らせます。

オーストラリアのカフェでは細かくオーダーするのが当たり前なので、「手間がかかって申し訳ない」と遠慮する必要はありません。それがコーヒーにこだわりを持つオージースタイルなのですから!

オーダーで使える便利なフレーズ


最後に、カフェのオーダーで使える便利なフレーズをご紹介します。

コーヒー1杯の注文

  • Can I get a small Long Black in a take away cup, please?
    「Sサイズのロング・ブラック1つをテイクアウトでお願いします」

    オーストラリアでは持ち帰る場合、“take out”ではなく“take away”を使います。

  • 砂糖入りのコーヒー1杯の注文

  • Can I get a large Cappuccino with two sugars in a mug, please?
    「砂糖2杯入りのLサイズのカプチーノ1つをマグカップでお願いします」

    “in a mug”とつけることで、カフェで飲みますと伝えています。

    上記のように持ち帰りかカフェで飲むかを知らせなかったときには、“Take away?”などと聞かれます。そのときには、“Take away, please”あるいは“Drink here, please”などと答えましょう。

  • コーヒー2杯の注文

  • Can I get a medium Flat White with one sugar and a small Latte with two sugars in take away cups, please?
    「砂糖1杯入りのMサイズのフラット・ホワイト1つと、砂糖2杯入りのSサイズのラテ1つをテイクアウトでお願いします」
  • 薄めのロング・ブラック(ブラックコーヒー)の注文

  • Can I get a half strength small Long Black in a take away cup, please?
    「Sサイズの薄めのロング・ブラックを1つテイクアウトでお願いします」

    “half strength”は半分の濃度という意味。エスプレッソがベースなので、お湯で薄めたロング・ブラックでも濃く感じることがあります。

  • アイスコーヒーの注文

  • Can I get a medium iced Long Black in a take away cup, please?
    「Mサイズのアイスコーヒーを1つテイクアウトでお願いします」

    日本のアイスコーヒーは“iced Long Black”です。オーストラリアで「アイスコーヒー」と言うと、コーヒーの上にアイスクリームをトッピングしたものが出てくることがあるので、甘いものが苦手な方は気をつけてください。

  • まとめ

    オーストラリアは独自のコーヒーが発展するなどこだわりが強いこともあり、世界的なコーヒーチェーンの「スターバックス」でさえ、わずかな店舗を残し、撤退を余儀なくされました。また、バリスタになるための専門学校も多く、1日でエスプレッソマシーンの使い方やミルクの泡立て方、コーヒーアートなどが学べるコースが人気です。旅行や留学、ワーキングホリデーの際には英語でオーダーするだけでなく、バリスタコースを受講してさらなる英語力アップを狙ってみてはいかがでしょうか。

    【参照サイト】コーヒーの可能性をさぐる、”カフェの街”メルボルン。(全日本コーヒー協会)

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    reisuke

    オーストラリア在住11年目。英語が最も苦手な教科でありながら英語を話すことに憧れ、海外生活を始める。コミュニケーションのツールとして英語を身につけ、現在では英語で夢を見るまでに。日本語教師として活動していることもあり、英語と日本語の文法の違いや国による英語の違い、言語と文化のつながりなどをライターとして発信中。

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