英語でのコミュニケーションスキルは、幅広いビジネスの分野において大きなアドバンテージとなります。しかし、英語学習に取り組む中で、「なかなかスピーキング力が伸びない」「どんな対策をすればよいのか分からない」などと悩む人も少なくありません。
そこで今回は、社会人が英会話に対して抱えている疑問や悩みについて、英語コーチングスクールの「PRESENCE(プレゼンス)」でコーチを務める永田勝也氏にアドバイスをいただきました。
英国・ランカスター大学院TESOL(英語教授法)修士課程卒。大学卒業後、大手英語教育機関で英語教育に携わったほか、日本語教師の資格を取得し、ベトナムの日本語教育機関で400人以上に語学指導を行う。自身の学習者、教授者としての経験と科学的な知見から、語学コーチングが言語習得における最先端だと確信しており、それを体現するべく、日々全力でコーチングを行っている。
インタビュー目次
英会話に関する社会人からの悩み相談
Q:大人になってからの学習でも英語を話せるようになりますか?
はい、話せるようになります。プレゼンスの受講生は社会人の方がほとんどですが、皆さんがそれぞれ設定した目標を達成されています。
大人になってから英語学習を始めるメリットとしては、「単語や文法についての解説を理解しやすい」「仕事を含めた豊富な人生経験からさまざまな話題にも対応できる」といった点が挙げられます。
英会話の上達には個人差があり、その伸び具合は学習時間などの要素にも大きく影響されますが、まずは自分自身の現状の英語力と最終的に達成したい目標を改めて見つめ直してみましょう。そして、目指す場所に到達するための小さなステップを設定し、一つ一つクリアしていく。“It’s never too late.”という言葉があるように、英語学習を始めるのに遅すぎることはありません。
Q:英語を話せるようになるには、どのくらいの時間勉強すべきですか?
学習の効果を感じられる勉強量としては、少なくとも1日2~3時間が目安になるかと思います。ただし、必要な学習時間は目指すレベルによっても変わるため、はじめに自分にとって「英語を話せること」がどのような状態を指すのかを考えなければなりません。
日常での簡単な雑談ができる、海外の大学で勉強できる、日本語と同じように流暢に話せるなど、一口に「英語を話せる」と言ってもそのレベルはさまざまです。英語を使ってどんなことをできるようになりたいのか、まずは自分の中で具体的なイメージを持っておきましょう。
プレゼンスの各コースでも、2ヶ月という短期間で何を達成したいのか、一人ひとりの目標を明確にしていくことからスタートします。例えば、「会議で話されている内容を理解し、自分の意見を臆せず伝えること」が目標なら、会話の内容がつかめない時に相手の話を聞き返すトレーニングや、実践的なスピーキング練習が必要だと考えられます。このように、具体的な目標があれば、そのために取り組むべきことや必要な学習時間もおのずと定まってくるはずです。
Q:英語初心者はまず何から取り組むべきですか?
初心者の方であれば、まずは中学レベル(英検3級程度)の単語と文法をしっかりと覚えましょう。「話せるようになりたいから話す練習をする」という気持ちも理解できますが、英会話に必要な単語や文法などの知識がなければ、そもそも話すための英文を組み立てること自体が困難です。順番としては、基礎的な知識をインプットした後、それらを使うための実践練習をするとよいですね。
英語の基礎を固める際は、参考書を購入する他にも、YouTubeの文法解説動画を見るなど、お金をかけずに取り組める方法もたくさんあります。英語学習コンテンツを上手く利用しながら、中学レベルの単語・文法を身につけるところから始めてみてはいかがでしょうか。
Q:TOEICのスコアは高いのですが、英語を話すのが苦手です。
TOEIC® Listening & Reading Test(以下、TOEIC L&R)は、英語で聞く・読む力を測るテストです。つまり、スピーキング力の直接的な証明にはならないため、TOEIC L&Rで高スコアを取得していながらも会話に苦手意識を持つ方がいるのは、ある意味当然とも言えるでしょう。英会話力を高めるには、別途スピーキングに特化した練習が必要になります。
そもそも、私たちが会話をする際、頭の中ではどのようなプロセスが起こっているのでしょうか。主なステップは以下の3つです。
- 概念化:伝えたいメッセージを考える
- 文章化/言語化:伝えたいメッセージを文にする
- 音声化:そのメッセージを音声として発する
TOEIC L&Rで高スコアを取得されている方は、2番目の「文章化/言語化」のステップで必要となる単語や文法知識をすでに幅広く持っていると考えられるため、この点が大きなアドバンテージになります。
ただし、多くの知識があるからといって、そのすべてを使えるとは限らない点に注意が必要です。例えば、プロのアスリートの動作に関する解説を聞いて、頭ではやり方を理解したとしても、自分が同じ動きをできるかどうかは全く別の話ですよね。ここで重要なのは、練習を通して知識を実際に使えるようにするプロセスです。
英会話を上達させるためには、まずは趣味などの自分が話しやすい話題で会話に慣れていくことをおすすめします。その際、新しく覚えた単語や英語表現を会話の中で積極的に使ってみましょう。せっかくの新しい知識も、意識的に会話へ取り入れない限りは使える表現として定着しません。
また、その時話した内容や、言いたいのに伝えられなかったことを毎回振り返り、次に活かす習慣をつけるのも大切です。やみくもに会話練習を繰り返すのではなく、目的意識を持ちながら取り組めるとよいですね。
Q:自分の考えを英語で言えるようになるには、何をすればよいですか?
「言いたいことを英語で言えない」という状況の要因を細かく分析していくと、解決策が見つかるはずです。
話すための文を頭の中で上手く組み立てられないのであれば、前述の発話プロセスの中の「文章化/言語化」が課題となります。このようなケースでは、新しい単語やフレーズをインプットするとともに、それらの知識を実際に使う練習として、日本語の文を即座に英語に訳す瞬間英作文のトレーニングをするのが効果的です。
また、会話のスピードについていけない場合は、英語の処理速度がポイントになります。この課題を解決するには、瞬間英作文の練習に加え、シャドーイングが有効です。英語音声のすぐ後に続いて復唱をするシャドーイングでは、発音やイントネーションといった音声面のスキル向上だけでなく、相手が話している英語を聞いてその意味を理解するまでの処理速度のスピードアップも期待できます。また、何度も繰り返すことで、シャドーイングで練習した文に含まれる単語や文法表現などが会話の際に自然と口から出てきやすくなります。
英語そのものに関する課題以外には、いざ話そうとすると緊張から言葉が出てこないといったケースも考えられます。不安などのネガティブな心理状態が第二言語の習得に与える影響については、言語学者のクラッシェンが提唱した「情意フィルター仮説」という理論の中でも説明されています。
この場合、一旦心を落ち着かせるために、まずはセルフスピーキング(独り言)の練習をして発話に慣れるとよいでしょう。「いきなりネイティブ講師と英語だけでやり取りするのは緊張してしまう」という方は、日本語が話せる講師を選び、「どうしても分からなければ日本語で質問しよう」などと心理的なハードルを下げるのも有効です。
Q:英語で論理的に話すためのコツはありますか?
すぐに実践できる対策としては、結論から話すことを意識してみてください。日本語の場合は、理由や経緯を先に説明し、最後に結論を言うパターンが一般的です。一方、英語では最初に結論を述べ、その後に理由を続ける話し方が好まれる傾向があります。そのため、英語で意見を言う際に日本語と同じような話の構成にすると、そもそも何を言いたいのかが伝わらないこともあるでしょう。
結論を先に述べる話し方を、Conclusion(結論)、Reason(理由)、Evidence(根拠)、Conclusion(結論)の頭文字を取ってCREC法と呼びます。有名なTEDのスピーチなどはCREC法の順番に沿って展開されていることが多く、プレゼンスの「英会話コース」内で行うプレゼンテーションでもこの話し方を取り入れています。
Q:英会話を長年習っていますが、あまり上達を感じられません。
効果的な学習が実践できているかを確認するための2つのポイントがあります。
1つ目は、学習時間です。諸説ありますが、日本人が英語を習得するまでに必要な学習時間は、一般的に2,000時間以上と言われています。つまり、小学校から大学までに約700時間分の学習をしたとしても、そこから更に1,000時間以上自力で取り組む必要があるのです。
英会話スクールで週に1回90分のレッスン、あるいは毎日25分のオンライン英会話を続けたとして、1,000時間に達するにはどれくらいの期間がかかるでしょうか。学習に投資している時間を改めて計算してみると、今のペースのままで十分なのか、あるいはより多くの時間を使う必要があるのかが分かるはずです。
2つ目のポイントは、学習の質です。英語学習に長い間取り組んでいても、「目的を定めずにただ漠然と続けている」「予習・復習をしていない」などの場合は、なかなか本質的な成長を実感しにくいでしょう。英語力を伸ばすには、まず自分の現状の課題と原因を細かく洗い出す必要があります。
例えば、英語のディスカッションが苦手なのであれば、誰と、どんな場面で、どのような話をしている時にそう感じるのかを細かく分析します。仮に会話のスピードが原因で議論についていけないのであれば、相手の話を一旦止めて、「つまり○○ということですか」などと確認することで改善ができるかもしれません。
解決すべき課題が明確でないまま英会話に取り組んでいると、学習の効果も実感しにくくなります。上記で挙げた、量と質の2つの観点から現状の学習スタイルを振り返り、課題を克服するヒントを探してみてください。
Q:学習が続きません。モチベーションを維持するコツはありますか?
モチベーションには必ず浮き沈みがあります。英語学習に集中したいと思っているのに、仕事やプライベートの状況によってやる気を左右されてしまうことは誰しもあるでしょう。
この対策としては、「勉強する理由を再確認する」「継続できる仕組みを作る」「学習の仕方に幅を持たせる」の3つが考えられます。
1つ目の「勉強する理由を再確認する」は、心理学用語の「動機づけ」とも関連します。英語を何のために勉強するのか、英語力が身についたらどんな変化が起きるのかなど、自らの学習目的を明確にすることで、改めて勉強の必要性を感じられるでしょう。目的がないまま勉強を続けるのは、ゴールのないマラソンを走るようなもの。具体的な目標が思いつかなければ、英語力試験を定期的に受験するのもよいですね。
2つ目の「継続できる仕組みを作る」ためには、日々の行動と英語学習を結び付けるのが効果的です。例えば、通勤中の電車の中で単語のインプットをする、駅まで歩く10分間でリスニング対策をする、などです。毎日当たり前のように取っている行動と英語学習がリンクすれば、勉強が習慣化しやすくなるでしょう。
3つ目の「学習の仕方に幅を持たせる」は、どうしてもモチベーションが上がらない時に、やりたい内容だけに絞って楽しく学習を続けるというものです。机に向かうことだけが勉強ではありません。興味がある分野の動画を英語で見るなど、学習そのもののハードルを下げることで続けやすさがアップするはずです。
プレゼンスの「英会話コース」について
Q:プレゼンスの「英会話コース」は、どのような内容ですか?
2ヶ月という短期間で効率よく英会話力を身につける
「英会話コース」は、単語や文法のインプットとアウトプット練習をバランス良く行い、短期間で効率的に英会話力を身につけるプログラムです。受講スタイルは対面とオンラインの2種類で、クラスごとに好きな形式を選んで参加できるハイブリット型の運営を行っています。
英語レベルごとに「英会話初級コース」「英会話中級コース」「英会話上級入門コース」「英会話上級コース」の4つに分かれており、受講期間はいずれも2ヶ月間です。
受講生には、毎週およそ15時間分の自宅学習に取り組んでいただきます。その上で、グループ制のクラス内で確認テストとコーチングを行い、効率良く英語力を伸ばすための行動変容を促します。
多様なバッググラウンドを持つコーチ陣が受講生をサポート
プレゼンスのコーチ陣は、自らも学習者として英語を一から身につけた経験を持っています。また、英語を使ってビジネスの最前線で活躍したり、海外の大学院でTESOL(英語教授法)を学んだりと、バックグラウンドもさまざまです。
プレゼンスでは、コーチが課題の量と質のマネジメントを行うことでPDCAサイクルの精度を高く保っているのが特徴で、2ヶ月という短期間でも英語力の伸びを感じられるカリキュラムを提供しています。
Q:「英会話コース」の受講生はどのような成果を上げていますか?
「英会話コース」の受講生の約8割はビジネスパーソンです。「外国人が上司になり、急に英語を話さなければいけなくなった」「海外駐在が決まり、早急に英語力をアップさせたい」など、さまざまな事情をお持ちの方が在籍しています。
受講生の成果としては、海外駐在の選考時の英語面接で上手く話せなかった悔しさから「英会話上級入門コース」に入会し、プレゼンスでの学習を経て最終的に駐在への切符を手にした方の例などが挙げられます。この方は、帰国後も海外案件を扱うため、英語運用能力の更なるブラッシュアップを目的に「英会話上級コース」で学ばれました。上級コースの最終週に実施するプレゼンテーションでは、Q&Aを含めた30分以上の英語のやり取りを難なくこなせるレベルに到達されています。
Q:英語学習者に向けたメッセージをお願いします
英語学習に取り組んでいる方の中には、「スクールに通っているのに英語が話せない」「英語は昔から苦手」という方もいらっしゃると思います。しかし、これまでのご自身の努力を否定する必要は全くなく、一人ひとりに適した改善の方法が見つかるはずです。
正しい方法で適切な量の学習に取り組めば、英語力は着実に身につきます。決して楽をしてスキルを伸ばせる訳ではありませんが、皆さんには「正しい努力をすることで、必ず結果は返ってくる」とお伝えしたいです。
プレゼンスには、英会話力を身につけたいという強い意志を持った受講生の方が数多く在籍されているので、モチベーションの高い仲間と一緒に英語学習に取り組みたい方におすすめです。皆さんのご参加をぜひお待ちしております。
編集後記
永田氏のアドバイスの中で特に印象的だったのは、目標を具体的に設定すれば、それに伴ってやるべきことも明確になるという点です。英語力の向上を目指してステップアップしていくためには、日頃の学習時から「英語を使ってどんなことをしたいか」をイメージできているかどうかが鍵になるのだと感じました。
また、学習者が抱える問題の本質的な原因を見つけ出す分析力は、これまで数多くの受講生の英語学習の悩みに答えてきた経験を持つコーチならでは。2ヶ月という短期間で成果を出すための学習方法について詳しく知りたい方は、ぜひプレゼンスの無料カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
【参照サイト】PRESENCE(プレゼンス)の公式サイト
【関連ページ】PRESENCE(プレゼンス)の評判・口コミ
プレゼンス 概要
サービス名 | PRESENCE(プレゼンス) |
URL | http://www.presence.jp/ |
運営会社名 | 株式会社ジャパンビジネスラボ |
本社所在地 | 東京都渋谷区渋谷2丁目24番12号渋谷スクランブルスクエア39階 |
スクール所在地 | 東京都渋谷区渋谷2丁目24番12号渋谷スクランブルスクエア39階 |
設立 | 1992年 |
資本金 | – |
入学金 | 30,000円 |
教材費用 | コースにより異なる(1,000円~15,000円) |
期間 | 2ヶ月 |
コースと料金 |
●レッスン内容 ・グループ制(最大10名):2時間/週 × 8回 ・クラスメーリングリスト:週の中間地点で学習の進捗状況をシェア、振り返りを行ったり、ナレッジシェアに活用 ・自走を促すコーチング:「何をどう改善したら、より効率よく伸びをつくっていけるのか」コーチやクラスメートと改善のポイントを探る ・学習の取組みの改善だけでなく、タイムマネジメントやモチベーション管理も行う 【受講料金】 ●TOEFLコース ●英会話コース(2時間/週×8回、3~8名) |
English Hub 編集部
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