英語で時事テーマを語ろう!英語で「ジャーナリズム」について語るときに使えるキーワード10選

フリージャーナリストの安田順平さんが2015年にシリアで拘束され、2018年に3年4カ月ぶりに無事解放されると、日本各地のメディアからは「自己責任論」という反応があったことをご存知でしょうか。安田さんは帰国後の会見で謝罪しましたが、筆者の周りでも「自分で行って政府や周囲に迷惑をかけたのだから、当然謝るべきだ」という意見でした。海外では拍手喝采で迎え入れられ、勇敢な英雄とされる行動も、その一方で日本からは真逆の対応を受けます。今回はこの対応の違いに焦点を置き、ジャーナリストの役割の是非を比較対照しながら英語を勉強しましょう。

1. 5Ws ー 5つのW

まず一つ目は5Wsという概念です。5つのwとは、who 「誰が」when「いつ」 what「何を」 where「どこで」 why「なぜ」ですが、これらに注意して新聞やニュースを分析するとより包括的な意見を持つことができます。また、5Wsを自問自答することは、物事の是非を判断するうえでも役立ちます。

日本のニュースで安田さんが拘束されたとき、メディアでは一番重要であるはずの「何を伝えるために現地入りしたのか」という動機よりも、「自己責任論」を取り上げる論調が大部分を占めていました。それではなぜ、ジャーナリストは危険な戦地に足を運ぶのでしょうか。次の単語を使ってみていきましょう。

2. propaganda ー プロパガンダ

日本にも「プロパガンダ」という外来語がありますが、政府やメディアにはそれぞれにプロパガンダがあり、それにより発信する情報は左右されているといわれています。去年の末にトランプさんがツイッター上でアメリカのいいことをたくさん並べるニュース番組を作りたいと発言しましたがこれも彼のプロパガンダです。

【例文】

  • Media uses propaganda to control people’s beliefs and behaviors.
    (メディアはプロパガンダを使い大衆の考えや行動を左右する。)

3. yellow journalism ー 扇情的ジャーナリズム

次に、便利な表現でyellow journalismがあります。yellow journalismとは、事実を伝えるよりも、人々の関心をひくために奇抜な表現や誇張表現を用いたタイトルや内容となっているニュースのことを指します。もともとはある新聞社に競争相手ができたことによってカラフルな文字やタイトルを使い、競争相手に勝つことを目的にしたことが由来だそうです。大衆に信じてほしいことだけを中心に報道したり、誇張表現したりします。

【例文】

  • Yellow journalism uses exaggeration and an eye-catching title to gain attention from readers.
    (扇情的ジャーナリズムは誇張と目につきやすいタイトルで読み手の注意をひく。)

4. fake news ー うそのニュース

アメリカの大統領トランプさんがCNNのリポーターの質問に対してCNNはfake news「うそのニュースだから答えない」といっていましたが、アメリカでは現代のニュースはプロパガンダに影響されているため、自分自身で信頼できるソースを使って確認するべきだという考えがあります。

【例文】

  • Improving media literacy is important to spot fake news.
    (情報を評価・識別する能力を発達させることはうそのニュースを発見するために重要だ。)

5. give a voice to the voiceless ー 声なき者に声を与える

そして、ジャーナリストを表現する際によく使われるフレーズがgive a voice to the voicelessです。安田さんが危険を冒してまでシリアを取材したのは、あまり報道されていないシリアの地域の現状を多くの人々に伝えたかったからだそうです。5Wsの「なぜ」の部分には、シリア情勢など細かく複雑な要素が含まれていますが、簡潔に言えば、安田さんは紛争地に行ってまでもその地域にいる方々の声になろうとしたということです。その行動はとても勇気のある行動だと筆者は思います。

【例文】

  • Journalists give a voice to the voiceless.
    (ジャーナリストは声なき者に声を与える。)

6. shed light on… ー ~に光を当てる

シリア情勢について細かく複雑な要素があると先述したのですが、シリアの紛争は世界が抱える多くの問題に光を当てているともいわれています。そのシリア情勢についての情報を自分自身で探し、学ぶことにより、プロパガンダやうそのニュースなどの扇情的ジャーナリズムに左右されず、より正確な意見を述べることができるのではないでしょうか。

【例文】

  • Conflicts in Syria are shedding light on other global issues.
    (シリアの紛争は国際問題を浮き彫りにする。)

7. public opinion ー 大衆意見

ジャーナリストの重要性を語る際に重要となってくる表現でpublic opinionという言葉があります。例えば、中国の河南省にHIV村と呼ばれる地域があり、その村では政府認証の輸血売買でHIVに感染した方たちやその子供たちが放置されており、ジャーナリストがその村を取材し公にしたことから中国政府が対策に動き出しました。

そして、アメリカのベトナム戦争の際は、皮膚のただれた子供たちがアメリカの空爆から逃れようと逃げ回る姿をとらえた写真がアメリカ本土に広まった結果、それまでホワイトハウスからのニュースで「アメリカはベトナムにいいことをしている」と思っていたアメリカ人たちは事実を知って憤り、本土でアメリカの国旗を燃やし、ベトナム戦争と政府に対する意見を大きく変えるということもありました。

もしその写真が撮られていなかったら、はるかに多くの人が事実を知られることなく亡くなっていったのではないでしょうか。伝える手段のない弱者の現状を伝えることができるジャーナリストは、誰かがしないといけない仕事であると考えます。

【例文】

  • Journalism has the power to turn the public opinion against the government.
    (ジャーナリズムには政府に対する大衆意見を変える事ができる力がある。)

8. ransom ー 身代金

ジャーナリストが紛争地に行ってテロリストグループに拘束され、身代金を要求された場合、それがテロリストの資金になってしまうという意見もあります。その身代金のことをransomといいます。ジャーナリスト拘束によって政府のお金と時間が無駄にかかってしまうという意見や、身代金がテロリストグループの資金になると被害が拡大するのではないかという意見もありますが、その資金とプロパガンダに隠され苦しみ誰にも知られず死んでいく何百万人の人とどちらをとるべきなのでしょうか。

【例文】

  • Journalists are taking huge risks because they can be kidnapped for ransom.
    (ジャーナリストは身代金目的で誘拐される可能性があるので大きなリスクを取っている。)

9. Two sides to every story ー どの話にも2つの側面がある

これまで述べたように、どの話にも二つの側面があります。そのため、意見を述べるときは、その両極面を調べ、学んでから述べるべきだと思います。写真ジャーナリストも見せたい部分だけを切り取って報道することもできるので、それらの情報にも注意を払いながら吸収していくことが重要です。

【例文】

  • Every story has two sides. You need to conduct extensive research to learn about both sides to construct your opinion.
    (どの話にも二つの側面がある。どちらも深く調べてから意見を構築する必要がある。)

10. vigilant ー 用心深い

「用心深く、細心の注意を払いながら」という意味を表したいときに使えるのがこの語彙vigilantです。メディアの情報には十分注意を払い、判断していくことが大切でしょう。

【例文】

  • We need to stay vigilant while reading information.
    (情報を読むとき、用心深い姿勢でいる必要がある。)

まとめ

いかがでしたでしたか?これらの語彙やフレーズとともに、両側面を意識して調べることで自分の最大限の偏見のない意見をいえるようになり、より深く時事テーマを語れるようになると思います。是非参考にしてみてください。

【参照サイト】「安田順平氏への大バッシングと自己責任論」はいったい何だったのか
【参照サイト】Collins dictionary Definition of ‘yellow journalism’
【参照サイト】Trump Wants to Create His Own Propaganda Network Because Fox News Is Not Enough
【参照サイト】 AIDS VILLAGES AND ORPHANS IN CHINA
【参照サイト】Chinese government urged to admit responsibility for HIV cases
【参照サイト】安田順平さん、帰国後初の会見で謝罪「私の行動によって日本政府が当事者にされてしまった」
【参照書籍】 Burning the Flag: The Great 1989-1990 American Flag Desecration Controversy
【参照サイト】 Media, War, and Propaganda: Strategies of Information Management During the 2003 Iraq war
【参照サイト】The godfather of fake news
【参照サイト】戦争による国別死者数

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蟹っ娘(かにっこ)

18歳で単身渡米、ロスのハリウッドでジャズやボサノバの歌を学ぶ。現在は、在米中に経験したことをもとに日本語・英語講師、ライターとして活動中。異文化コミュニケーションや心理学関連の読書が好き。TESOL、英検1級保有。在米7年、現在鳥取県在住。

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