海外の大学に行きたいと思っても、何から調べればいいのか分かりにくいのは、入り方が1つではないからです。高校から直接出願する道もあれば、日本の大学に通ってから移る道もあり、日本国内にいながら海外大学の学位を取る方法まであります。
この記事では、海外の大学に行く5つのルートを並べ、それぞれの条件と、どんな人に向いているかを整理します。
結論:ルートは5つ、条件はまったく違う
| ルート | 概要 | 向いている人 |
| 高校から直接入学 | 日本の高校を卒業し、海外の4年制大学に新入生として出願する | 高校の成績と英語力に目処がある高校生 |
| 2年制大学を経由する | 現地の2年制大学で基礎を終え、4年制大学の3年次に移る | 成績や英語力が直接入学の基準に届かない人 |
| 日本の大学から編入する | 在籍中の大学で取った単位を持って、海外の大学に移る | すでに大学に通っていて、進路を変えたい人 |
| 進学準備課程を使う | 大学付属の課程で1年学び、本課程に進む | イギリスやオーストラリアを志望する人 |
| 日本国内で学位を取る | 海外大学の日本校や通信課程で学ぶ | 渡航が難しい事情がある人 |
重要なのは、どれが優れているかではなく、自分の現在地でどれが使えるかです。高校生と大学生では、そもそも選べるルートが違います。
1. 高校から直接入学する
日本の高校を卒業して、海外の4年制大学に新入生として出願します。最も分かりやすい道ですが、条件は5つの中で最も厳しくなります。
見られるのは、高校3年間の成績、英語のスコア、エッセイ、推薦状、課外活動です。日本の大学入試と違い、1回の試験で決まるものではなく、高校時代の積み重ねが材料になります。
そのため、高3から準備を始めると間に合わない項目が出てきます。課外活動の実績や推薦状は、短期間では作れません。高1か高2の段階で動き始められるかどうかが分かれ目です。
2. 2年制大学を経由する
アメリカに多いルートです。現地の2年制大学、いわゆるコミュニティカレッジで基礎の2年分を終え、4年制大学の3年次に編入します。
入学時に高校の成績がほぼ問われず、英語要件も4年制大学より低く設定されています。評価の対象が、高校時代ではなく入学後の成績に切り替わるのが最大の特徴です。
最終的な学歴は、編入先の4年制大学の学士号になります。卒業証書にもその大学名が入るため、学歴として不利になるものではありません。
カリフォルニア州では、州内の2年制大学からカリフォルニア大学への編入枠が制度として用意されており、UCLAやバークレーに毎年多くの編入生が入っています。
注意点は、入ってからの成績がすべてだということです。編入先が求める科目を履修していなければ、単位数が足りていても編入できません。入学前に編入先を決め、逆算して履修を組む必要があります。
3. 日本の大学から編入する
すでに日本の大学に在籍している場合、取得済みの単位を持って海外の大学に移る道があります。
ただし、単位がそのまま全部通ることはまずありません。一般的には半分前後、専攻を変える場合はさらに少なくなります。日本で2年通ったから向こうで2年で卒業できる、とはならない前提で計画してください。
編入制度が整っているのはアメリカとカナダです。オーストラリアも単位認定の仕組みがあります。イギリスは学部が3年制で専門に特化しているため、編入の枠は限られます。
4. 進学準備課程を使う
イギリスやオーストラリアで一般的な仕組みです。大学に付属する課程で1年間学び、修了後に学部の1年次に進みます。
これらの国の大学は、入学時点で日本の高校卒業資格だけでは要件を満たさないことがあります。現地の高校課程と日本の高校課程で年数や内容が違うためで、その差を埋めるのがこの課程です。
卒業までの期間は1年長くなりますが、進学先が実質的に確保された状態で学べるため、見通しは立てやすくなります。
5. 日本国内で海外大学の学位を取る
渡航せずに海外大学の学位を取る方法もあります。日本にキャンパスを持つ海外大学に通う形と、オンラインの通信課程で学ぶ形です。
費用と生活の負担は大幅に下がりますが、現地で過ごす経験は得られません。語学力の伸びも、現地で生活する場合とは差が出ます。渡航が難しい事情がある場合の選択肢として考えてください。
費用の最低ライン
どのルートを選んでも、学費と生活費は必要です。国によって水準が大きく違うため、行き先を決める前に把握しておく必要があります。
おおまかな傾向として、アメリカの私立大学が最も高く、公立大学はそれより抑えられます。カナダ、オーストラリア、ニュージーランドはアメリカの私立より低い水準です。ヨーロッパには、英語で学べて学費が低い国もあります。
2年制大学を経由すると、最初の2年の学費を抑えられるため、4年間の総額は直接入学より下がります。費用を理由に諦める前に、このルートを検討する価値があります。
生活費は都市によって差が大きく、学費以上に差が出ることがあります。大学の所在地が都市部か地方かで、年間の負担は変わります。
2年制大学を経由すると学歴は弱くなるのか
よくある誤解なので、独立して書きます。
結論から言えば、弱くなりません。2年制大学から編入して4年制大学を卒業した場合、最終学歴はその4年制大学の学士号です。直接入学した学生と、卒業時の資格は同じです。
現地では一般的な進学ルートであり、特別な経路として見られるものではありません。むしろ、直接入学では届かない大学に手が届くことがあるため、戦略として選ばれています。
日本での就職活動では、履歴書に編入先の大学名を書きます。2年制大学での在籍期間をどう記載するかは応募先の様式によりますが、学歴として不利に扱われる性質のものではありません。
自分に合うルートの選び方
今の状況から、どのルートを検討すべきかを整理します。
| 今の状況 | 検討するルート |
| 高校1〜2年で、成績も英語力もこれから | 直接入学を目標に準備を始める。間に合わなければ2年制大学を経由する道に切り替えられる |
| 高校3年で、今から準備を始める | 2年制大学を経由するルートが現実的。直接入学は準備期間が足りないことが多い |
| 高校の成績が振るわない | 2年制大学を経由する。入学時に高校の成績がほぼ問われない |
| 日本の大学に在籍中 | 編入を検討する。単位がどこまで通るかを先に照会する |
| 英語のスコアが足りない | どのルートでも、まず英語を上げる期間を計画に組み込む |
| 社会人 | 編入または2年制大学を経由するルート。年齢制限はないのが一般的 |
どのルートでも共通するのは、英語のスコアが前提条件になることです。足りていないなら、そこを埋める期間を先に確保してください。渡航前にどこまで上げておくかで、現地での最初の1年が変わります。
まず確認すること
5つのルートのうち、自分に使えるものは2つか3つに絞れるはずです。その中からどれを選ぶかは、今の成績と英語力で何が狙えるかによります。
海外大学の進学や編入を扱う塾では、無料の相談を用意しています。自分の数字を伝えれば、現実的な候補と必要な期間が分かります。
まとめ
海外の大学に行く方法は、高校からの直接入学、2年制大学の経由、日本の大学からの編入、進学準備課程、国内での学位取得の5つです。
高校の成績や英語力が足りなくても、2年制大学を経由すれば評価の対象を入学後の成績に切り替えられます。最終学歴は編入先の4年制大学のものになり、学歴として不利にはなりません。
どのルートでも英語のスコアが前提になります。まずは今の数字で何が狙えるかを確認するところから始めてください。
English Hub 編集部
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