海外大学への進学を調べていくと、必ず費用の問題に突き当たります。そこで出てくるのが奨学金ですが、制度の一覧を眺めても「自分はどれに応募できるのか」が分からないまま終わりがちです。
この記事では、返済不要の制度にどんな種類があるか、自分が応募できるものをどう絞り込むか、複数の制度をどう組み合わせるかを整理します。
結論:1つでは足りない。組み合わせが前提
先に現実を書きます。海外大学の4年間にかかる費用に対して、1つの奨学金で全額をまかなえることはほとんどありません。
給付額は制度によって幅がありますが、多くは学費の一部または生活費の補助にとどまります。全額をカバーする制度は競争率が非常に高く、そこに賭ける計画は現実的ではありません。
- 返済不要の制度を複数、併願するのが基本
- 日本の制度だけでなく、進学先の大学が出す給付も必ず確認する
- それでも足りないなら、進学先そのものを見直す方が早い
返済不要の制度は大きく4種類
海外大学で使える給付型の奨学金は、出し手で分けると次の4つです。それぞれ条件も時期も違います。
| 出し手 | 特徴 | 注意点 |
| 公的機関 | 日本学生支援機構が、学位取得を目的とした海外留学に対する給付制度を設けている | 募集時期が限られ、学年の条件がある。倍率は高い |
| 民間財団 | 柳井正財団、笹川平和財団、グルー・バンクロフト基金など。給付額が大きいものがある | 応募時点の学年や進学先を限定していることが多い |
| 自治体 | 都道府県や市区町村が独自に設けている制度。東京都にも海外大学進学を支援する制度がある | 居住地や保護者の住所が条件になる |
| 進学先の大学 | 成績や経済状況に対して大学が直接出す給付。日本の制度より金額が大きいことがある | 情報が英語で、大学ごとに名称も条件も違う |
見落とされやすいのが4つ目です。日本語で「海外大学 奨学金」と検索しても、進学先の大学が出す制度はほとんど出てきません。ここを調べられるかどうかで、確保できる総額が変わります。
自分が応募できる制度の絞り込み方
制度の数は多く、全部を調べようとすると挫折します。次の順番で条件を切ってください。
| 絞り込む条件 | 確認すること |
| 1. 学年 | 高校生が応募するものか、大学在学中に応募するものか。応募時点の身分が条件になっている制度が多い |
| 2. 進学の形 | 学位取得が対象か、交換留学も含むか。編入が対象に入るかは制度によって違う |
| 3. 進学先の国と大学 | 対象国を限定している制度、特定の大学群に限っている制度がある |
| 4. 家計の状況 | 世帯収入の上限を設けている制度と、学力だけで選ぶ制度がある |
| 5. 応募の締切 | 出願の1年以上前に締め切る制度がある。ここで多くの人が取りこぼす |
特に注意したいのは、編入が対象に入るかどうかです。多くの制度は新入生を想定して書かれており、編入生の扱いが明記されていません。募集要項だけで判断せず、事務局に直接確認してください。
締切は出願より先に来ることがある
奨学金の準備でつまずく最大の原因が、時期の読み違えです。
大学への出願が秋から冬にかけてなのに対し、民間財団の奨学金は前年の春から夏に募集を締め切るものがあります。つまり、進学先が決まる前に応募しなければならない制度が存在します。
- 高校2年の時点で、翌年に応募できる制度を一覧にしておく
- 大学在学中なら、編入の準備を始める時点で奨学金の締切も同時に調べる
- 応募書類には志望理由や学習計画が必要になる。書き上げるのに数週間かかる前提で動く
「大学が決まってから奨学金を探そう」という順番では、有力な制度の多くに間に合いません。
併願の組み方
複数の制度に応募するのが前提ですが、併給できるものとできないものがあります。
公的機関の制度と民間財団の制度は、併給を認めていない組み合わせがあります。一方で、進学先の大学が出す給付は、日本の制度と併用できることが多くあります。
組み方としては、金額の大きい制度を第一志望として押さえ、そこに落ちた場合の受け皿を複数用意する形が現実的です。応募の労力は分散しますが、1つに絞って落ちたときの打撃を考えれば妥当な判断です。
それでも足りない場合
奨学金を積み上げても費用が届かないことはあります。そのときに取れる手段を挙げます。
| 手段 | 効果と注意点 |
| 学費の安い国に変える | 同じ英語圏でも学費の水準は国によって大きく違う。学びたい分野が提供されているかを確認する |
| 2年制大学を経由する | 最初の2年の学費を抑え、後半2年で4年制大学に移る。最終学歴は編入先の大学になる |
| 公立大学を選ぶ | アメリカなら州立大学。私立に比べて学費が抑えられる |
| 進学時期を1年ずらす | 準備期間を使って資金と奨学金の両方を整える。焦って借り入れを増やすより健全 |
全額を借り入れで賄う計画は勧めません。卒業後の返済が、就職先の選択肢を狭めます。足りないなら進学先の条件を変える方が、長期的には損をしません。
申請書で落ちる理由
奨学金の選考は、成績だけで決まるわけではありません。提出する書類の内容で差がつきます。落ちる理由は毎年似ています。
- 志望理由が抽象的で、その制度である必要が読み取れない
- 学習計画が具体的でなく、何をどう学ぶのかが書かれていない
- 卒業後の見通しが空白になっている。給付した側が何を期待できるのか分からない
- 書類の不備。指定の様式を満たしていない、期限に間に合わない
特に1つ目と3つ目は、自分では書けているつもりになりやすい部分です。第三者に読んでもらい、伝わっているかを確認してください。
奨学金の申請を支援している塾もあります。U-LABOは返済不要の奨学金の獲得サポートを提供しており、獲得者の平均額は年465万円としています。出願戦略と奨学金の申請を並行して見てもらえるため、時期の読み違えも防げます。
よくある質問
成績が良くないと応募できませんか
制度によります。学力を重視する制度もあれば、家計の状況や学習意欲を重く見る制度もあります。成績が理由で全部を諦める必要はありません。
編入でも奨学金は使えますか
使える制度はあります。ただし新入生を前提にした書きぶりの制度が多く、編入生の扱いが不明確なことがあります。募集要項で判断せず、事務局に確認してください。
倍率はどのくらいですか
給付額の大きい制度ほど高くなります。1つに絞って臨むのではなく、複数に応募する前提で準備してください。
大学の奨学金はどう調べますか
進学先候補の大学の公式サイトで、留学生向けの財政支援のページを確認します。英語で書かれているため見落とされがちですが、金額の大きい制度が見つかることがあります。
まとめ
海外大学の奨学金は、1つで全額をまかなえるものではありません。公的機関、民間財団、自治体、進学先の大学という4つの出し手から、応募できるものを組み合わせるのが前提です。
最も多い失敗は、時期の読み違えです。進学先が決まる前に締め切る制度があるため、大学選びと並行して奨学金の締切を調べてください。
それでも足りないなら、借り入れを増やすのではなく、進学先の条件を変える方が後々の自由度が残ります。
English Hub 編集部
最新記事 by English Hub 編集部 (全て見る)
- ビジネス英語の勉強法|社会人・初心者が実務で使えるようになる学習手順 - 2026年10月15日
- 社会人が英語をゼロから勉強するには?初心者向け学習ロードマップ - 2026年10月15日
- IELTS(アイエルツ)対策におすすめの塾・スクール徹底比較【2026年最新版】 - 2026年10月14日
- 社会人におすすめのオンライン英会話13選!効果的な受け方と目的別の選び方も解説【2026年最新版】 - 2026年10月14日
- 【無料あり】英語の発音練習におすすめのアプリ13選! - 2026年10月14日



















