国際社会が一丸となって取り組むべき目標、SDGs(持続可能な開発目標)は近年、日本でも大きな注目を集めているトピックです。世界の共通目標である以上、さまざまな国・地域を跨いだ情報共有は不可欠。このためSDGsについての多くの情報が、世界人口の約4分の1が使う英語でシェアされています。
English Hubでは、日本国内のソーシャルグッドな取り組みを英語で世界発信するメディア「Zenbird」とのコラボレーション企画「SDGs Compendium(コンペンディアム)-英語xSDGs」をシリーズで掲載しています。
“compendium”は「包括的解説、概要、大要」を意味し、多くの人が抱きがちなSDGsにまつわる疑問への回答が簡潔に示されています。社会課題を英語の動画で学びながら、SDGs領域のトピックを英語で理解する力を身につけていく内容となっています。
ナビゲーターを務めるのは、Zenbird編集長のロジャー。シンガポール出身の日英中トリリンガルで、自らを「地球市民」と称し、日本のソーシャルグッドな活動を世界に伝えるべく、全国を旅しながら地域の人や取り組みの取材を続ける、SDGsのエキスパートです。
「SDGs Compendium-英語xSDGs」シリーズで英語を学び、世界の社会課題について情報をシェアしたり語り合ったりして、世界中の人々とつながってみませんか?
目次
エピソード2「Climate Change(気候変動)」
エピソード1「 Greenhouse Gases(温室効果ガス)」に続き、エピソード2のトピックは「Climate Change(気候変動)」。気候変動が喫緊の課題であることは多くの人が知るところですが、その原因やどこの国・地域がどんな影響を受けるのかについてまで、具体的に説明することはできますか?本エピソードで理解の解像度を高めていきましょう!
SDGsトリビアクイズ「True or False?」
本題に入る前に、Climate Changeに関係する、クイズに挑戦してみてください。次の3つの説明を読んで、真実かそうでないかを当ててみましょう。答えは本記事末尾にて!
- In Amsterdam, some residents of coastal areas live in floating homes as a solution to rising sea levels.
- In Tokyo, there are rain storage facilities under train stations.
※storage facilities=貯蔵設備 - All the Atlantic tropical cyclone names come from famous meteorologists.
※Atlantic=大西洋 tropical cyclone=熱帯低気圧 meteorologist=気象学者
Climate Changeへの理解を深める3つの問い
エピソード2の動画は気候変動の原因やその潜在的リスクについて、以下の3つの問いに答える形で構成されています。
- What is climate change in simple words?(気候変動とは簡潔に言うと何なのか?)
- Which countries are most threatened by climate change?(気候変動に最も脅かされている国々はどこなのか?)
- How will Japan be threatened by climate change?(気候変動によって日本はどのように脅かされているのか?)
Pick Up!① SDGsボキャブラリー
本エピソード内で使用されている、SDGsボキャブラリーをいくつかピックアップしました。気候変動などの環境問題について語られる際、出てくる可能性が高い言葉です。この機会に覚えて、今後の理解に役立ててください。
- threatened:「脅かされている」を意味します。「脅かす」という意味の動詞threatenの過去形、もしくは過去分詞。「be動詞+過去分詞」の受動態で、「脅かされている」の意味になります。
- vulnerable:「傷つきやすい、脆弱な」を意味します。
- mitigate:「やわらげる、緩和する」を意味します。
他にも、気候変動の理解に役立つボキャブラリーが数多く使われています。特に知っておいたほうがいい語彙をいくつかリストアップしたので、意味だけでも覚えてみてください。
- humidity(湿度)
- glaciers(氷河)
- volcanic eruptions(火山の噴火)
- ocean currents(海流)
- solar radiation(太陽放射)
- devastating(破壊的な)
- coastal(沿岸の)
- storm surges(高潮)
- alarming(憂慮すべき)
Pick Up!②会話で役立つ英語フレーズ
“prone to〜”
ロジャーは沿岸の都市が抱えるリスクについて以下のように説明しています。
“prone”は傾向を表す形容詞で、“prone to~”で「〜する傾向がある」または「〜しやすい」という意味を表します。今回は「make+人・物・事+形容詞」(人・物・事を〜な状態にする)という文に登場しましたが、通常はbe動詞とともに“
“tend to〜”や“be likely to〜”など、傾向を表す表現は他にもありますが、“prone to~”は、大抵、災害や怪我など、ネガティブな傾向を表す時に使われます。
Zenbirdの記事で復習してみよう!
エピソード2の「3つの質問」は、Zenbirdの記事内容がベースになっています。今回、学んだ内容を復習する教材として最適なので、是非とも目を通してみてください。
- What is climate change in simple words?
地球の気候が変化したのには2つの要因があります。1つは火山の噴火や太陽放射の変化といった自然的要因。もう1つが人為的要因で、特に化石燃料の燃焼が温室効果を活発化させ、地球の気温を高めていることが挙げられます。
- Which countries are most threatened by climate change?
太平洋、及びカリブ海の小島嶼開発途上国(しょうとうしょかいはつとじょうこく)※が特に、現在進行中の自然的脅威に対して脆弱です。例えば、気候変動がこのまま進めば、キリバス共和国は数十年の内に水没してしまうといわれています。
※小さな島で国土が構成される開発途上国 - How will Japan be threatened by climate change?
日本の人口の約5分の1が沿岸の都市部に住んでいます。しかし、これらの地域は海面上昇に対して脆弱で、洪水や高潮が懸念されます。特に大阪は世界的に最も脆弱な港湾都市の一つとみなされています。
日本のソーシャルグッドを世界に伝える「Zenbird」とは?
Zenbirdは、日本中のソーシャルグッドなアイデアや取り組みを英語で配信しているウェブマガジンです。社会課題の解決に挑むスタートアップやNPOの事業、地方創生のユニークな取り組み、日本文化に根付いているサステナブルなライフスタイルの知恵などを海外に発信しています。
Zenbirdの「Zen」は「善」(社会にとってよいこと)を意味しています。日本中の「善」が、「Bird」(鳥)のように世界へと羽ばたき、世界中の人々が日本の魅力を発見するきっかけを作りたい。Zenbirdという名前には、そんな想いが込められています。
まとめ
「気候変動」と聞くと個人では手に負えない、スケールの大きな脅威のように感じてしまう方もいるでしょう。しかし、私たちが生活レベルで改善できることはいくつもあります。
今回の「SDGs Compendium」エピソード2で解説されているように、気候変動には自然的要因と人為的要因の2つがあります。後者の筆頭として挙げられるのが、人間活動による温室効果ガスの増大ですが、これには日々の省エネや、車の利用を控えるなど、さまざまな対策の仕方があります。
是非今回学んだ英語を活用して、世界各国の取り組みをリサーチし、日々のアクションに役立ててみてください!
SDGsトリビアクイズの答え
【答え】True
オランダは世界で最も海抜が低い国の一つであり、海面上昇の脅威を受けない水上住宅の拠点となってきました。同国の建築設計事務所「Space & Matter」は屋根にソーラーパネルを備えた環境に優しい水上住宅群「Schoonschip」を作りました。(参照サイト:This new neighborhood in Amsterdam is made of floating houses | Fast Company)
2. In Tokyo, there are rain storage facilities under train stations.(東京では駅の下に雨水の貯水施設がある)
【答え】True
渋谷駅の地下には4,000トンもの雨水を貯められる貯水施設があります。その谷のような地形から、渋谷は洪水に見舞われやすく、過去にも大雨によって被害を受けてきました。近年の大雨増加を受け、東京都は東京駅と銀座駅の下にもう2つ、貯水設備を作っています。(参照サイト: Underneath Shibuya Station is a new anti-flooding facility that can hold 4,000 tonnes of water | Time Out Tokyo)
3. All the Atlantic tropical cyclone names come from famous meteorologists.(全ての大西洋ハリケーンの名前は著名な気象学者の名前に由来する。)
【答え】False
1953年より、大西洋ハリケーンは男女の名前がアルファベット順に並んだリストから名付けられています。これらは世界気象機関が確立した厳密な手順に即した名前ですが、著名な気象学者に基づいているという確かな証拠はありません。(参照サイト: Tropical Cyclone Naming | World Meteorological Organization)
【関連ページ】SDGsを英語で学ぶ「SDGs Compendium-英語xSDGs」がスタート!【Zenbird x English Hub】
【関連ページ】【英語学習xSDGs】気候変動を引き起こす「温室効果ガス」を英語で言うと?
English Hub 編集部
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