「英文メールを読むのが苦痛」「英語のミーティングで話についていけずに分かったふりをしてしまい、後から困る」。英語がより身近なものとなった今、そんな思いを抱く方は増えています。
また、資格試験に向けて単語帳を買ったものの、なかなか覚えられない上に、単調で面白くない。その結果、ますます英語へのモチベーションが下がってしまうという方もいらっしゃるかもしれません。
「英語が嫌い」、「楽しくない」。そんな方にこそおすすめしたいのが、「英語多読」です。英語多読(以下多読)とは、その名の通り「英語を大量に読む」ことを指し、英語のインプット量を劇的に増やす方法として知られています。
大量に読む必要があるので、自分の好きなもの・興味がある内容のものを読むことが推奨されています。ジャンルは、映画でもスポーツでも、あなたにとって好きなものであれば何でも構いません。語学の習得には日々の継続が不可欠なので、自分にとって楽しいものであることは非常に重要です。
リーディング力以外の力も身につく!? 多読のメリットとは?
多読の大きなメリットは、読む力だけでなく、「聴く」「話す」「書く」といった他の技能も伸ばすことができるという点です。ただ読むだけなのに、どうしてその他のスキルまで伸ばすことができるのでしょうか。
その理由は、英語を前から順に、意味の固まりごとに捉えて理解していくことは、「読む」「聴く」の両方に共通するからです。書かれた順に読み進める技術が身につくと、リスニングをするときも聞こえてくる内容を順に処理していくことができるようになります。リスニングの力が身につき、相手の言っていることが理解できるようになると、それに対して反応できるようになります。
また多読では、ストーリーの情景を伴いながら英語を吸収していくため、その場面に適した表現を学ぶこともできます。この点が、対訳が中心となる単語帳での暗記と大きく異なります。
例えば、日本語では一語で「しらべる」と言っても、「ネットでしらべる」と「配管をしらべてもらう」とでは意味が異なるように、使われる場面までイメージして理解することは、アウトプットをする上で非常に重要となります。多読により自然な英語表現が蓄積されることで、アウトプットのベースが形作られていきます。
幅広い実践的なスキルが求められるビジネスパーソンにとって、4技能すべてに繋がる多読は、非常に効果的な学習方法といえるでしょう。
多読をするときのポイント
多読に取り組む際のポイントは、「辞書を引かない」ということです。知らない単語に出会うたびに辞書を引き、本文に戻ることを繰り返す作業は、ストーリーへの没頭を妨げてしまいます。洋書を購入したものの、はじめの2、3ページで断念してしまったという方も少なくないのではないでしょうか。
辞書を引くことは、翻訳作業のように、「精読」が求められる場面ではもちろん重要です。しかし、「楽しみながら読み進め、生きた英語を大量にインプットする」という「多読」の際には、辞書は不要です。
「でも、辞書無しだと意味が分からないから、そもそも楽しめないよ」と思われる方もいるかもしれません。
そこで多読の際には、今の自分が辞書無しでも読める、やさしい本を選ぶことが大切になってきます。ここでいう「やさしい」とは、「内容が幼稚」という意味ではなく、既に知っている単語や文法のみで書かれた本を指します。
単語が理解できれば、辞書を引くストレスが無く、純粋にストーリーを楽しむことができます。英語で楽しみ、時として感動し涙するという経験は、あなたにとっての自信となり、英語に対する苦手意識を和らげてくれます。
ただ、辞書無しで読める好きな本とは言っても、どの本が自分にとって良いのか迷われる方も多いかと思います。そこでおすすめなのが、Graded Readers(グレーデッド・リーダーズ)です。
多読におすすめのGraded Readers(グレーデッド・リーダーズ)とは?
Graded Readers(以下GR)とは、英語学習者を対象とした、文法・語彙を制限して書かれた段階別読み物のことです。レベル0から6までといったように、出版社ごとに細かくレベルを設定しているため、自分に合った本を見つけることができます。大型書店では豊富に取り揃えられており、電子書籍化されているものも多くあります。
文章や装丁も洗練されたものとなっているため、「学習者向け」といっても、教科書のような硬いイメージはありません。
また、GRの大きな魅力は、取り扱うジャンルの多様さにあります。多読の際に不可欠な、あなたにとっての「好き・楽しい」が叶う本が、必ず見つかるでしょう。
まとめ
英語の4技能(読む、聴く、書く、話す)を身に付けるのに効果的な多読。そんな多読をする際に大事なことは、辞書を使わないこと、そして多読を楽しむことです。Graded Readersを活用し、英語を辞書無しですらすらと楽しめるという感覚を、ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。
【参考文献】「やさしい本からどんどん読もう!英語多読入門」古川昭夫 監修/著・上田敦子 著
【参考文献】「英語多読:すべての悩みは量が解決する!」繁村一義 著・酒井邦秀 監修/著
English Hub 編集部
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