みなさん、英語で歌うことは好きですか?洋楽を練習している方のなかには「もっと上手に英語を発音したい!」と考えている方も多くいるでしょう。
そんな方へ向け、カラオケで英語の発音をきたえる英語発音表記システム「Nipponglish(ニッポングリッシュ)」が昨年10月に登場しました。Nipponglishの画面を見ると、英語曲のテロップ歌詞にあわせ、オリジナルの歌声を聴いたときのままにカタカナルビがふってあります。前後の単語がつながって発音が変わるリンキングや、強勢アクセントをカナの大小で表現するなど、英語音声学理論に基づいた表記となっているため、視覚的にネイティブライクな発音を学ぶことができます。
例えば「Son of a gun, we’ll have big fun on the byou」という歌詞の場合、通常のカラオケ画面では「サン オブ ア ガン ウィル ハヴ ビッグ ファン オン ザ バイヨ」と単語ごとにルビがついています。一方、Nipponglishは「サノバガン ウィール ハブ ビッグ ファー ノンザ バイオ」とルビがつき、さらに「サ・ガ・ウ・ビ・フ・バ」が大きな文字になっているので、アクセントも意識して発音できます。
Nipponglishは、大手カラオケチェーン「ビッグエコー」を運営する株式会社第一興商(以下、第一興商)が提供しているサービスで、システム開発は東洋大学総合情報学部の湯舟英一教授とビッグアップルカンパニー社が共同で行いました。東洋大学は、2014年度に文部科学省が開始した「スーパーグローバル大学支援事業」に選ばれており、全学的にTGL(Toyo Global Leader)プログラムを実施するなど、グローバルな人材育成に向けた取り組みを行っています。
それでは実際に、英語の曲を歌うことでどのような効果があるのでしょうか。第一興商と東洋大学の湯舟教授は、同社に勤める社会人49名と同大学の学生74名の合計123名を対象に、Nipponglishを使った「英語発音向上効果」について検証実験を行いました。
まずは音読です。英語テキストのみのファイルと、英語テキストにNipponglishのカタカナをつけたファイルをそれぞれ音読し、録音した音声データをTESOL資格保持者がチェックします。すると、83%の被験者がNipponglishのカタカナ表記があるとネイティブに近い発音になることがわかりました。
次に行ったのは歌唱です。通常の洋楽カラオケと、Nipponglishのカラオケでそれぞれ歌う練習をして、英語発音の向上がみられるかを検証しました。そしてTESOL資格保持者と日本人英語音声学者がチェックをし、練習前と練習後を比較しました。
その結果、87%の被験者が、洋楽カラオケを5回歌唱することにより英語発音評価が向上しました。さらに、Nipponglishのカタカナ表記をつけて歌唱すると、よりネイティブライクな発音になりました。
今回の検証で、洋楽カラオケが英語の発音向上に効果があることがわかりました。大きな声で歌い、オリジナル楽曲と比較しながら耳で聴くことで、ヒアリング能力の向上も期待できます。好きな曲で楽しく英語発音を身につけたい方は、洋楽カラオケにチャレンジしてはいかがでしょうか。
【公式サイト】Nipponglish
English Hub 編集部
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