「外国人との交流も良い経験でしたが、外国の視点から日本を見られるようになったのは、私にとって大きな収穫でした。」アイルランド・ダブリン語学留学体験談

駅前の英会話スクールで講師の先生と仲良くなり、先生の出身国に自分も行ってみたいと思いました。また、英会話が上達するにつれて英語で意思疎通する楽しさをもっと味わいたいと感じるようになっていました。そんな時に大学時代の友人からスコットランドでの留学体験談を聞いて、自分の気持ちが、いつも間にか「行きたい」ではなく「必ず行こう」に変化していました。

授業の内容は、クラスレベルや先生によって全く違う物になります。同じレベルの英語力の人でも担任の先生が違うと「楽しい」と「つまらない」の差がはっきり出ます。楽しい先生の授業は、英語を使って生徒同士で議論させたり、チームに分けて競争をさせたりするので遊び感覚で英語力を伸ばせます。つまらない先生の場合は、ただテキストを読み上げて生徒に回答させるだけなので授業時間が非常に長く感じます。学校によっては先生が日替わりだったり、定期的に交代するので長期留学の場合は、最初から最後まで「つまらない」ということは無い筈です。

私の場合は、大きな家にホームステイしたのですが、語学留学では短期の生徒が多いので、長期留学だった私は出会いと別れが多くて落ち込むことが多かったです。なかなか親しくなれなかったりすると食事の際に気まずい雰囲気で過ごさなければいけなくなりますし、やっと仲良くなったと思った途端に別れが来ますから気分の浮き沈みが激しくなります。ただ、長期の場合はステイ先の家族と親密な関係になれるので、家族の方に慰めてもらったりしていました。

学校の休み時間は主に食堂や近くの公園で過ごしていました。日本人生徒と一緒に過ごすこともありましたし、親しくなった外国人クラスメートと一緒にカフェテリアで食事したりもしました。昼休みは、かなり自由に過ごせましたが、テストが近い時などは食事後すぐに教室に戻って勉強していました。最初の頃は休日に行く場所が無くて退屈でしたが、市内の図書館での外国人同士の英会話交流会に参加するようになってからは、行くたびに友人が増えるので休日が楽しみになりました。

長期留学中の出会いは本当に多かったです。クラスメートの長期留学の女性と仲良くなってお互いに「あだ名」で呼び合うようになり、毎日一緒に通学していました。辛い時や心細い時も励ましあったりしたので、一生の中でも数少ない親友になりました。他にも、英会話交流会で仲良くなったポーランド人と一緒に観光旅行するほどの仲になり、日本に帰ってからも交流を続けています。

1年間の語学留学後には日本の英会話スクールのクラスが一気に3クラスも飛び級しました。留学前は、英語の先生と基本的な会話すら難しかったのに留学後では笑い話もできるようになっていました。クラスレベル試験では日本の英会話スクールの先生もびっくりして「本当にうまく話すようになったわね！」と感心していました。

一緒にホームステイしていたスペイン人女性とイタリア人男性と仲良くなり、一緒に映画館に行ったり、飲みに行ったことです。私たち3人は本当に気が合う仲だったので、学校から帰った後は、いつも一緒に過ごしていました。夜中にお互いの部屋を訪問して、恋相談をしたり、人生で辛かった経験を打ち明けあったりしましたが、本当に忘れられない思い出になりました。

長期留学の場合は、色々な場所に行ったり、街中をブラブラ探索することが増えるので、どうしても犯罪被害に遭う確率が高くなります。私も昼間の公園で強盗に襲われて、横腹を激しく蹴られて痛めてしまいましたし、同級生の女の子も自転車通学中に自転車を奪われてしまいました。犯罪被害は、精神的なショックでしばらく立ち直れなくなるので、長期留学を予定している人は、犯罪には特に気を付けた方が良いです。

日本の良さを再発見できるようになったことです。外国に住むと、日本の当たり前だと思っていたことが、実はとても貴重な事だと分かるようになります。外国人との交流も良い経験になりますが、外国の視点から日本を見られるようになったのは、私にとって大きな収穫でした。

英会話スクールで仲良くなった先生の出身の街だったからです。色んな国籍の人がいて、歴史があって、賑やかで楽しい街だと聞いていましたし、その先生もとても面白くて魅力のある人でした。また、語学留学で行くならば英語力を伸ばしやすい日本人が少ない国にすべきだと考え、アイルランドを選びました。

アイルランドは治安の良い国だと聞いていたのですが、実際は日本人にとってかなり危険な国でした。特に首都のダブリンは犯罪が多く、夜の繁華街を歩いていれば数時間に一回はひったくり現場を目撃しました。おかげで犯罪に対しての警戒心が強くなり、街を歩く際は集団行動することを心がけるようになりました。

アイルランドの田舎地域は、のんびりした場所が多く住民も親切なのですが、都市部は治安が良いとは言えません。街の路地にはドラッグで酔っている人も転がっていましたし、朝早くに通学すると街の至る所に割れたビール瓶やいたずら書き、喧嘩の跡がありました。住宅街でも毎日、どこかの家で防犯ベルが鳴り響いていましたし、通っていた学校のパソコンルームも侵入被害に遭っていました。

食事は味付けが物足りないと感じました。特にアイルランドとイギリスは料理の味付けが単純で塩味くらいしかついていないのでイタリア人とスペイン人は全く手を付けない事が多かったです。でも、日本人は塩味にも慣れているので、私は苦痛には感じませんでした。また、日本からソースやタレなどの調味料を持参していたので問題なく美味しく食べられました。

ダブリンは港町なので、バスや電車で少し移動するだけで綺麗な砂浜やヨットハーバーへ行けました。首都といっても、それ程大きな街ではないので徒歩で街を横断したり、クラスメートと一緒に歩いて登校できました。街の至る所にパブがあり、友人と一緒に飲む際に殆ど探す手間が必要ありませんでした。

ダブリンは私が留学した時期に急速に治安が悪化していたため住民の警戒心が強くなっていて、排他的な扱いを受けたことです。例えば、お土産屋さんで「金属製のしおり」を買うために手に取って確認しながら選んでいたら店の人に取り上げられました。ホームステイ先の近所を歩いても、優しく声をかけてくる住人はいませんでした。

語学留学の宣伝だけを信じないで、実際にその国に行った人の体験談を読むことです。また、外国の街の治安や環境は数年で激変するので、体験談もできるだけ最近の話の方が参考になります。そして、短期留学予定の人は「短期の体験談」を、長期留学の人は「長期の体験談」を出来るだけ多く読みましょう。短期と長期の語学留学は、全くの別物です。短期留学生は気軽に遊びまわれますが、長期留学生は勉強のために留学しているので短期の生徒とはあまり付き合えません。特に長期留学生は「お金の残金」を気にしながら生活しているので、長期留学の生徒同士で一緒に過ごし、節約のためにも助け合うことが多くなります。